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「レンタルぶさいく」で活動する元芸人が考える“弱者男性”の生き方。「それを利用してやろうくらいの強さを持ってほしい」現在はセブ島で活動も、将来の夢は「ヨーロッパ進出です」

集英社オンライン / 2023年11月19日 13時1分

ぶさいくをレンタルするサービスを展開する「レンタルぶさいく」氏、32歳。前編ではこのサービスを始めたきっかけと具体的な依頼内容について聞いたが、後編では拠点を海外に移した理由と、“ぶさいく”から見た、日本社会にはびこる「弱者男性論」について語ってもらった。

セブでレンタルぶさいく業を再開

――引越しの手伝いなど、ぶさいくが関係ない依頼も増えたしんどさから、2021年2月にいったんは休業したレンタルぶさいく業。そして現在はフィリピン・セブに移住しています。それはなぜ?

レンタルぶさいく氏(以下、同) 友人と海外移住の話をしてるうちに、フィリピンなら平均月収2万円だけど、現地日本法人で働けば12万円はもらえると知り、「現地の人より稼ぎがいいならモテるかも!?」と思い本格的に調べて、セブ島を見つけました。

セブ島に移住したレンタルぶさいく氏

――それはまた下心全開ですね……(苦笑)。

「プールつきの家に住んで豪遊できる!」って(笑)。
そのために、バイトしながらセブ島で仕事するために英語の勉強や、現地の日本企業の面接をいろいろ受けて採用されたので、2022年8月に移住しました。

――モテるためのエネルギーがスゴイ。現地での暮らしはどうですか?

新鮮と思えたのは最初だけで、衛生面とかインフラ面とか本当に不便で、正直、この1年が人生で一番過酷でした。一応、サラリーマンをやってますけど、今フィリピンの物価が日本とあまり変わらず豪遊もできない。すなわちモテもしなかったので、来年2月に日本へ戻る予定です。

――そのなか、今年10月にレンタルぶさいく業を再開しました。

フィリピンでやり残したことのひとつが、ここでレンタルぶさいく業をやること。海外でのぶさいく需要が気になったんです。

セブ島での活動再開をXにて報告

ぶさいくって概念はどの国にもあるんで、おもしろいことが起きるかなと期待を胸に再開し、SNSにビサヤ語で依頼の募集もしました。
でも残念ながら今のところ現地の人からの依頼はありません。今あるのはセブ島に移住予定の日本人から、「セブ島での暮らし方について教えてほしい」との相談依頼のみです。
“レンタル〇〇”って日本では聞き馴染みあるけど、他国ではそんなものがない。だから現地のクラブとかに顔を出してまずは認知を広げたいと思ってます。

レンタルぶさいくが“弱者男性”という言葉に思うこと

――帰国後のプランは?

セブという過酷な環境にいたおかげで、自分はおもしろいと思われることが幸せだと改めて気づけました。過去の失敗を参考に、依頼内容とかペースを鑑みながら、改めて日本でレンタルぶさいくとして活動しようと思ってます。

――ところで、現在、日本のSNSでは、収入やコミュニケーション能力、容姿に恵まれないといった理由で女性からモテない男性は「弱者男性」と呼ばれ、時として蔑まれる傾向にあります。ぶさいくを生業にしているレンタルぶさいくさんは、この「弱者男性」という言葉についてどう考えますか?

字面で面食らいますよね。そういうカテゴリーをつくるって怖い発想だと思います。
お金と恋愛って人間の生活そのものだと思うけど、僕は「ぶさいく非モテ」で「低所得」。属性だけ見たらめちゃくちゃ弱者男性ですよね。

でも自分は不幸かというと全然そうは思わない。結局、どう自分の中で割り切って落としどころを作るかですね。不幸だと思ってしまったらキリがないんで。

セブ島からオンライン取材に応じるレンタルぶさいく氏

――自分の気持ちしだいだと。

そうですね。僕はどん底のフィリピン生活を送ったことで、自分にとって何が大切なのかを知ることができた。定義的に弱者男性とされる人も、社会とかSNSから虐げられたからこそ、気づけたことがあると思います。

日本人ってスキャンダルに興味津々だし、もともと人間って他人の不幸が大好き。でも自分が弱者男性にカテゴライズされているとしても、真に受けて卑屈にならずに不幸が好きな国民性を利用してやろうくらいの強さを持ってほしいですね。

野望はヨーロッパでレンタルぶさいくを開業

――レンタルぶさいくさんは、開き直って“ぶさいく”という弱者男性要素を商売や個性に変えているわけですもんね。

ぶさいくなばっかりに、モテないだけじゃなくて、電車に乗るだけでにらまれたりスマホで盗撮されたりしました。マッチングアプリでは相手に食い逃げをされたことだってあります。

芸人って一般的にモテる職業だと思いますが、ライブで一番笑いを取った日ですら出待ちはいなかった。
でも、これらは全部自分を成長させる栄養なんです。自分の場合はぶさいくだからこそ、そういう不幸エピソードを大量にストックできて、誰かを笑わせることができる。
そんな需要を自覚できたからこそ前向きに考えられます。

実は早稲田卒と高学歴

――達観していますね! レンタルぶさいく業の最終的な目標はあるのでしょうか?

サービス開始当初の野望は、イケメン事務所の逆組織みたいな、ぶさいく事務所の設立を目指してました。でも、ぶさいく全員の夢を背負うには荷が重いですね。
今、個人的にヨーロッパに住んでみたいので、夢のような話ですけどレンタルぶさいく業で就労ビザが取れたりなんてしたら最高ですね(笑)

――ヨーロッパのどの国へ?

欲を言えば、美人が多いと噂のモルドバ共和国に行きたいです!(笑)

――やっぱりモテることが原動力(笑)。

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

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