【プロ野球YouTubeチャンネル 登録者数ランキング10傑】
1:清原和博「清ちゃんスポーツ」(登録者51.2万人)
2:里崎智也「Satozaki Channel」(同50.9万人)
3:上原浩治「上原浩治の雑談魂」(同48.6万人)
4:古田敦也「フルタの方程式」(同43万人)
5:落合博満「オレ流チャンネル」(同37.7万人)
6:大久保博元「デーブ大久保チャンネル」(同30.8万人)
7:藤川球児「藤川球児の真向勝負」(同29.4万人)
8:高木豊「Takagi Yutaka」(同28.8万人)
9:アレックス・ラミレス「ラミちゃんねる」(同21.9万人)
10:川上憲伸「カットボールチャンネル」(同21.3万人)
※現役選手、現役監督・コーチは除く(登録者数は2022年5月24日現在)
【プロ野球OB YouTube交流戦2022】落合博満参戦で戦国時代突入! 本気で面白いチャンネルはどれだ!?
集英社オンライン / 2022年5月25日 17時1分
球界で毎日の試合とともに、ファンから熱い視線が注がれているのがプロ野球OBによるYouTubeチャンネルだ。しかし、チャンネル数が増えすぎた結果、配信の内容が似たり寄ったりになることも少なくない。そんなマンネリを脱し、今、本気で面白いチャンネルはどこなのか? その検証から見えてきたのは、現実の球界同様に「セ・パの格差」と「投高打低」。各球団を代表するチャンネルを紹介しつつ、その現状を詳しく見ていきたい。
明暗くっきり「人気のセ 実力のパ」
【パ・リーグ】
近年、交流戦のたびに話題になるフレーズが「セ・パの格差」。パ・リーグ勢が毎年のようにセ・リーグ勢を圧倒する姿はもはやおなじみの光景だが、YouTube界では真逆の現象が起きている。パ・リーグ勢OBで元気のあるチャンネルは少ないのが現状だ。
パ・リーグOBで最も登録者が多いのは元西武・清原和博「清ちゃんスポーツ」だが、巨人時代のイメージが強く、動画内容もパ・リーグの話題は少ない。むしろ最近は母校PL学園の後輩・立浪和義監督、片岡篤史二軍監督のいる中日ネタが多いため、パ・リーグ勢とみなすことは難しい。
ソフトバンク勢では「斉藤和巳 / KAZUMI SAITOH」チャンネルで、斉藤が今年45歳とは思えない若々しさを発揮している。日本ハム勢は「岩本勉チャンネル」と森本稀哲「ひちょりズム」、現役時代から話術で人気者だった2人が快活なトークを繰り広げるが再生数の伸びはもうひとつ。生え抜きのまま引退する一流選手が少ないオリックス勢も苦戦している。95~96年のリーグ優勝に貢献した星野伸之「スローカーブチャンネル」でもまだ登録者が1万人に到達できていない。
そんななか、パ・リーグ出身者で気を吐くのは2人のキャッチャー出身OB。ひとりは、元ロッテ・里崎智也「Satozaki Channel」。そして西武OBで元楽天監督、大久保博元「デーブ大久保チャンネル」だ。
この2人のYouTubeの肝は「即時性」と「更新頻度の高さ」。
球界で何か大記録や事件が起きた際、2人はすかさずスマホで動画撮影し、即座にアップできるフットワークの軽さと臨機応変さがある。何かと炎上しやすいご時世であり、動画内容に間違いや問題発言はないかと普通であれば気にかけそうなもの。にもかかわらず、この2人は「タブーなし」「忖度なし」を武器に即座にアップしている点が強みとなっている。
地上波では聞けない話が聞けるそれぞれの魅力
たとえば、先日世間も賑わせた佐々木朗希と審判の騒動について、「Satozaki Channel」では「俺は誰かを擁護したり、世論を気にせず、思ったことをしゃべります。炎上上等で!」と話し始めつつも、冷静な視点で50万回再生を突破して見せた。こうしたフットワークの軽さに加え、「Satozaki Channel」では毎日のようにアップする定番コーナーも充実。シーズン中は週に1度、12球団総チェックとして細やかな解説動画をアップ。秋になればドラフト予想を球団別に詳しく紹介するなど、野球ファンの求める情報にコミットしていく。
©大久保博元 デーブ大久保チャンネル
一方の「デーブ大久保チャンネル」は徹底的にゲスト主義。そのラインナップがレジェンドOBからちょっとマニアックな裏方さんまで変幻自在のチャンネルとなっている。最近でも、阿波野秀幸(元近鉄など)の次に、西崎幸広(元日本ハムなど)へと、“トレンディエース”によるゲスト継投など渋い人選が光る。黄金時代の西武と巨人を知り、監督まで務めたネットワークを存分に生かしている。
パ・リーグを中心に球界の「今」を知りたければ「Satozaki Channel」。80〜90年代の在りし日のプロ野球「思い出」語りを聞きたい場合は「デーブ大久保チャンネル」。パ・リーグOBチャンネルでは明らかにこの2人がリードしている。
メジャー経験のある2投手のチャンネル運営術
【セ・リーグ】
セ・リーグOBのYouTuberはパ・リーグ以上に人材が豊富。元ヤクルト監督・古田敦也が技術論を深堀りする「フルタの方程式」、元中日監督・谷繁元信「谷繁ベースボールチャンネル」、元DeNA監督アレックス・ラミレス「ラミちゃんねる」と監督経験者のチャンネルも多い。また、広島勢では高橋慶彦「よしひこチャンネル」が毎日欠かさず動画をアップ。その衣笠祥雄ばりの鉄人ぶりが光る。
そんななか、セ・リーグを代表する二本柱は元巨人のエース・上原浩治「雑談魂」と、元中日エース・川上憲伸「カットボールチャンネル」。この2人の魅力は「トーク力」と「独自性」だ。
©上原浩治 雑談魂
「雑談魂」の武器はゲストの大物感。松井秀喜の初YouTube出演を実現させて200万回再生超が2回、100万回再生超も1回。同じ誕生日の元巨人チームメイト、高橋由伸との競演では300万再生を突破。最近でも、昨季限りで監督を退任した工藤公康が退任後初めてゲスト出演した配信では100万回再生を突破した。
これ以外でも、ほとんどのゲスト出演回で100万回再生超は当たり前。同じゲストが他のチャンネルに出演してもそれほど再生回数が伸びないというケースが多い。その中で、上原浩治の話術、話題性のあるゲストを次々ブッキングして興味を尽きさせないチャンネル運営の努力と工夫が垣間見える。
一方、明らかに他の球界OBチャンネルと一線を画しているのが「川上憲伸カットボールチャンネル」だ。いわゆる野球解説動画も面白いが、注目すべきは“野球以外”のコラボ動画の充実ぶり。
人気YouTuber「東海オンエア」とコラボしてルール無用の「反則野球」に興じたかと思えば、お笑いコンビ「ニューヨーク」とコラボして互いに野球をディスって見せたり、松村邦洋とモノマネ対決をしてみたり……彼ら芸能畑の人間とコラボしても笑いの量で負けない話術、トークの切れ味は凄まじい。
野球Youtube界に最後の大物参戦!
当然、その話術は野球界のゲストでも発揮され、盟友・井端弘和ゲスト回は100万回再生を突破。この「憲伸&井端」のコンビトークは「カットボールチャンネル」だけでなく、CBCのチャンネル「燃えドラch」でも人気コンテンツになった。さらに最近では、YouTubeに出ないことで有名な岩瀬仁紀をゲストに引っ張りだして話題を集めたばかりだ。
©川上憲伸 カットボールチャンネル
この2人を筆頭に目立つのは、投手出身チャンネルの充実ぶり。佐々木朗希の完全試合特需で沸く元巨人・槙原寛己「ミスターパーフェクトチャンネル」や元阪神・藤川球児「真っ向勝負」、今年に入っても、元巨人・江川卓「たかされ」、元阪神・下柳剛「柳に風」といった新チャンネルが続々開設。個性的な投手出身者たちが独自の野球論、歯に衣着せぬ発言で話題を集め続けている。
このように「投高打低」状態の球界OBチャンネルに風穴を開けようとしているのが、今年3月にまさかのチャンネル開設を果たした落合博満「オレ流チャンネル」。新規参入のハードルがどんどん上がっているYouTube界にあって、開設たった2か月で登録者数30万人を突破する勢いは凄まじい。
内容的にも、落合が語る4番論、現役時代のメジャー願望などなど、注目すべき話題は多い。また、動画途中に突然横から補足説明を加える信子夫人、そしてその信子夫人とのデートエピソードなど、「素の落合家」が垣間見えるのもファンであれば必見かもしれない。
以前から、ネットでは「落合博満」の話題を出せばバズりやすいと噂され、どのチャンネルでも定期的にトークテーマとなっていた落合論。そんな状況に「ご本人登場」でどんな地殻変動が起きるのか。開幕したばかりの交流戦に劣らぬ熱い戦いがYouTubeでも繰り広げられているのだ。
文・オグマナオト
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