1973年9月5日、フレディ・マーキュリーが27歳の誕生日を迎えたのは、クイーンがファーストアルバム『戦慄の王女』をリリースして2ヶ月が過ぎた頃だった。
アルバムにはドラマチックな展開やハイトーンなシャウトといった、クイーンの特徴的なサウンドが現れていたが、批評家からは「グラムロックの残りカス」などと酷評されてチャートインすることすら叶わなかった。
この頃のクイーンはまだほとんど無名で、数多くある野心的なバンドの一つに過ぎなかった。
しかしアメリカでは、83位ながらもアルバム・チャートでトップ100入りを果たすことができた。ドラムのロジャー・テイラーによれば、それが最初の兆候だったという。