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「この作品を作ることは容易な選択ではなかった」ーー約4年ぶり24度目の来日! トム・クルーズ渾身の新作映画『トップガン マーヴェリック』

集英社オンライン / 2022年5月24日 13時31分

5月27日に公開を控える全世界待望のスカイアクションムービー『トップガン マーヴェリック』のプロモーションのため、トム・クルーズが3年10か月ぶり、24度目の来日を果たした。5月23日に行われた記者会見をレポートする。

ベリー・ベリー・エキサイテッド!

1986年に公開された映画『トップガン』は、エリートパイロットを養成する訓練学校を舞台に、若者たちが友の死や恋を経て成長していく物語。ダイナミックな映像や心躍るテーマ曲、そして映画の大ヒットと共に、主演を務めたトム・クルーズが一躍トップスターの座に躍り出た作品でもある。

コロナ禍による公開延期を乗り越え、36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』が初めて一般客に公開されたのは5月4日(日本時間5月5日)。アメリカ、サンディエゴで行われたグローバルプレミアで、トムはヘリコプターで颯爽と登場した。



5月18日のカンヌ国際映画祭ではフランス空軍のアクロバット飛行チーム「パトルイユ・ド・フランス」による曲芸飛行が披露されるなか、名誉パルム・ドールを受賞。

そして5月20日に行われたロンドンプレミアでは、キャサリン妃の手を取ってエスコートするなど、ド派手かつ華麗なプロモーションで世界中を連日沸かせてきた。

大の親日家として知られるトムだが、来日するのは2018年7月の『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』(2018)ジャパンプレミア以来、3年10か月ぶり。『遥かなる大地へ』(1992)で初めて日本を訪れてから、3年以上間が空くのはこれが初めてとなる。

プロデューサーを務めたジェリー・ブラッカイマーと共に会見に登壇したトムは、開口一番「ベリー・ベリー・エキサイテッド!」と、来日の喜びを語った。

圧倒的な疾走感と浮遊感の秘密とは!?

『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどを手がけてきたハリウッドの大物プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマー

すでに世界中で絶賛されている『トップガン マーヴェリック』の魅力は、まるで観客自身が戦闘機に乗っているかのような感覚になる圧倒的なリアリティ。実はトムは続編を製作するにあたり、「グリーンバック(合成撮影)を使用しないこと」、そして「実際に俳優が戦闘機に乗って撮影すること」にこだわったという。

ジェリー・ブラッカイマー曰く、「俳優たちは戦闘機F/A-18に乗って撮影ができるよう、トムが特別に組んだ3か月のトレーニング・プログラムを実践した」というから驚きだ。

「彼らはプロペラ機に乗ることから始め、曲芸飛行をする機体、そして戦闘機に移行しながら重力への耐性をつけました。F/A-18に乗るには、7〜8Gの重力に耐えなければいけません。1Gで感じるのが自分の体重。つまり、彼らは体重の7〜8倍の重力がかかるなかでも気絶しないように訓練をしたのです」(ジェリー・ブラッカイマー)

劇中でもパイロットが壮絶な重力に耐えるシーンが出てくるが、「映画の中で戦闘機が上昇すれば彼らも上昇し、降下すれば彼らも降下。曲芸のようなターンをすれば彼らも同じように体験している」そうで、映像にリアリティがあるのも納得。実は前作でもF-14戦闘機に俳優が乗って撮影を行ったそうだが、「実際に使えた映像はトムのものだけ。ほかの俳優たちはみんな吐くか失神するかのどちらかでした」と裏話も明かしてくれた。

戦闘機にカメラを搭載して撮影を敢行

アメリカ海軍の協力のもと、戦闘機F/A-18には『トップガン マーヴェリック』のためにソニーが開発したカメラを6台搭載して撮影。

「僕自身、飛行機の免許を持っていて操縦ができるので、空撮でどういうことができるのかを色々と考えました。イメージを具現化するために、スタッフや俳優たちにもいろんなことを学んでもらわなければならなかったのです」(トム・クルーズ)

「トムは朝早く現場に来て、みんなが飛ぶ前にブリーフィングを2時間行うんです。“このシーンの撮影のためには、戦闘機内で何をしなければならないのか”といったことを徹底的に話し合います。俳優は本物のパイロットたちと乗り込むのですが、飛行中は映像が見られないので、降りてきてから確認。トムと監督と私でディスカッションをし、納得できる映像ではないと判断することも。その場合はトムがスタッフや俳優に説明をし直し、もう一度飛ぶというプロセスを何度も繰り返しました」(ジェリー・ブラッカイマー)

「撮影して再撮影、撮影して再撮影……。本当にこの繰り返しでした」と、当時を思い出してトムは苦笑いを浮かべたが、妥協のない映像にそこまでこだわったのは、視覚的なすごさをアピールしたかったわけではない。映画を作る上でもっとも大切にしていたのはストーリーだ、と断言する。

「観客のみなさんに戦闘機のコックピットにいるような体験をしていただける作品になっていますが、ジェリーと私は、何よりもストーリーに対する愛、シネマに対する愛を持っています。先端技術を駆使しながらも、キャラクターが中心にある映画です。レンズを通して感情を伝えるにはどこにカメラを置けばいいのか、どんなレンズを使えばいいのか。映画を見た観客にどのような影響を及ぼすことができるのか。そういったことを常に考えていました。生きることを祝い、称えるような作品ができたと思っています」

夢を生きることができている幸せな人間

会見中、トムの口から何度も何度も飛び出したのは「観客のため」という言葉。7月3日に60歳の誕生日を迎えるが、Tシャツの上からも引き締まった筋肉がわかるほど若々しい立ち姿に惚れ惚れする。淘汰の激しいハリウッドで長年スターとして君臨してきた彼のファンへの献身、そして作品づくりへの情熱は、感動的ですらある。

「特別なことはしていないんです。とにかく一生懸命仕事をすること、そして努力をすること。非常にシンプルです。映画『ラスト サムライ』(2003)では、撮影前の2年間を準備に費やしました。刀の使い方に関しては、1年間毎日5時間練習したんです。表現者として常に有能であるように、自分をもっと高めよう、よりよい人間になろうと努力を続けています。映画は見てくれた人に体験してもらい、没入してもらうものですから」(トム・クルーズ)

そんなトムを、ジェリー・ブラッカイマーは「まるでアスリートのようだ」と証言。

「今回の戦闘機の操縦だけでなく、『ミッション:インポッシブル』シリーズですべてのスタントを自らこなしていることは有名です。アクションシーンを自分で演じ、それを安全にやり遂げるために、最高のコンディションになるよう身体を鍛えています。私もそうですが、よい作品を作れないと気が済まないんです(笑)」

映画を作ることに人生を捧げるトムは、自分自身を「夢を生きることができている幸せな人間」と表現する。

「世界各地でいろいろな人に会うので、映画について『どこがよかった?』と聞いて、観客が何を求めているか理解するようにしています。特に『トップガン』の続編については、多くの方が望んでいることを知っていたので、がっかりさせたくないという思いがありました。この作品を作ることは決して容易な選択ではありませんでしたが、こんな時代だからこそ、観客の方たちに映画を見て笑顔になっていただきたいです」

『トップガン マーヴェリック』(2021)Top Gun:Maverick/上映時間:2時間11分/アメリカ

アメリカのエリート・パイロットチーム“トップガン”は、かつてない世界の危機を回避するべく、絶対不可能な極秘ミッションに直面していた。ミッション達成のためチームに加わったのは、トップガン史上最高のパイロットでありながら、常識破りな性格で組織から追いやられた“マーヴェリック”(トム・クルーズ)だった……。

(C) 2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
配給:東和ピクチャーズ
5月27日(金)より全国公開
公式サイト:https://topgunmovie.jp/

撮影/松木宏祐 取材・文/松山梢

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