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小中高生の被害激増のSNS性犯罪、原因は「おさがりスマホ」グルーミング、セクスティング…子を持つ親が注意すべきこととは

集英社オンライン / 2023年11月24日 19時1分

いまや中学生の9割以上がスマホを所持している時代。それにともなって、ネットを介して小中高生を狙う性犯罪が増えている。スマホを使用した犯罪の手口や最新のSNS事情について、成蹊大学客員教授でITジャーナリストの高橋暁子氏に聞いた。

子どもに渡した「おさがりスマホ」、フィルタリングは大丈夫?

警察庁の発表によると、令和4年におけるSNSに起因する事犯の被害児童数は1732人だった。そのうち中高生は89.5%を占めるが、小学生は114人となっており前年比で37.3%も増加しており、そして、令和4年における児童ポルノ事犯の検挙件数・検挙人員・被害児童数はそれぞれ3,035件、2,053人、1,487人で、いずれも前年より増加しているという。



小中高生のSNS被害が広がっている背景には、親が自分の使っていたスマホをおさがりで子に使わせるのにも問題の一因があるのだと、ITジャーナリストの高橋暁子氏は語る。

「10代ではiPhoneのブランド力がいまだに強いですが、なにぶん高価なため、いきなり最新機種を購入することは難しく、親が機種変更するタイミングで自分が使用していたスマホを子どもに与えるケースが増えています。

18歳未満が利用するスマホを新規契約する場合には、購入時にフィルタリング(現在「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」により、18歳未満の方がスマホや携帯電話の契約・機種変更をする際には、店頭などでフィルタリングの設定が義務化されている)を勧められますが、おさがりのスマホは保護者名義の契約となっているため、初期段階でフィルターをかけていない状態が多いようです」(高橋氏、以下同)

また、子どものSNSから被害が増えている背景のもうひとつには、親世代がITリテラシー教育を受けてこなかった影響も大きいのだという。

「今の親世代がSNSを使い始めたときにはある程度分別がつく年齢になっていたため、いきなり性被害に発展するというケースは少なかったのです。ですから親がリテラシー教育を受けておらず、自分の子どもにSNSの利用方法についてどういった教育をすればいいのかわからないというのが、子どものSNS被害増加の一因として考えられます。

子どもは一番身近な大人を見て育つので、実際に親がネットを長時間利用していたり、誰でも見られる設定で顔写真を投稿していたりなど、親のITリテラシーが低いと子どももスマホ利用に対しての危機感が薄れてしまいがちです」

ネットでも関係が崩れ嫌われることを恐れる現代の小中高生

未成年者が狙われるIT上の性犯罪において、よく「グルーミング」という用語が使われることがある。グルーミングとは、もともと動物の毛づくろいを意味する言葉だが、性犯罪の文脈においては、性的な接触を図る目的で大人が子どもを手なずけることを指す。

では、犯罪者は具体的にどのような手口で小中高生に近づくのだろうか。

「中高生が悩みを打ち明け、犯罪者が心の隙に入り込むパターンがグルーミングの手法では非常に多いです。LGBTを告白した男子生徒の性被害もありましたが、現実での繋がりがある相手にはなかなか告白できないことも、ネットで繋がった相手には、『もし身の危険を感じたらブロックやアカウント削除すればいい』と簡単に心を開いてしまうのでしょう。

現実社会では頼れる人がおらず、孤独を感じている子は心にはっきりと隙間があり、どのような言葉をかけてあげればいいのかがわかりやすいため、狙われやすいのです。SNSを通じて慰めてくれたり相談に乗ってくれたりすると、距離が一気に縮まったと感じ相手を信用しやすくなってしまいます。犯罪者はそういった子どもたちの心理状況を利用し、アカウントを複数用意して、その子に合わせて対応を使い分け、グルーミングに及ぶのです」

小中高生を狙う性犯罪にはグルーミング以外の手法もあるという。

「『セクスティング』という手法で犯罪行為に及ぶケースもあります。同性の同級生や容姿のいい異性になりすまし、SNSのやり取りを重ねて、信用させたり好意を持たせたりしてから裸の写真を送らせようとするのです。

たとえば女の子同士という設定だと、犯罪者が『親が下着メーカーに勤めていてデータがほしいから胸の写真を送ってくれない?』とお願いしたり、『私、体に自信がなくて人と違うかも』とネットに出回っている裸の写真を送り、『あなたのも送って』と頼んだりするという事例がありました。

現代の中高生は嫌われることをとても恐れるため、『写真を送らないと嫌われてしまう』と関係性が崩れることに不安を感じて、指示通りにしてしまうようです。

小学校の低学年だと裸の写真を送ることがどのような意味を持つのかわからない子も多く、『裸を送れば有料スタンプがもらえるらしい』と、女子小学生が躊躇せず送ってしまったという事件もありました」

実は被害が急増中のメッセージアプリのオープンチャット

今年10月、とある女子中学生の保護者によるX(旧Twitter)への投稿が話題を集めていた。娘が知らない男性とメッセージアプリのオープンチャットから個人IDに繋がっていたとのことで、その経緯や方法を紹介しつつ注意喚起を促していたのだ。

オープンチャットとは友達登録していない相手ともトークができるもの。XやInstagramといったSNSに比べて、安心・安全なイメージのあるメッセージアプリでも、未成年者と見知らぬ大人が繋がれてしまうというわけだ。

高橋氏によると、実際にオープンチャットを通じて小中高生が交友関係を広げる場合もよくあるという。

「すぐに消されてしまいますが、個人のQRコードやIDを載せたあと、スクリーンショットでその情報を控えさせ数名のグループを作成し、個人に繋げるという方法や、ツイートを貼ってXで繋がり、DMでLINE IDを交換するという方法などで、非常に簡単に個別に繋がることができてしまいます。

子どもたちがSNSで年齢や学校といった個人情報を明かさずとも、悪意を持った大人が『宿題』『二学期』などチャットで使っている単語や出没時間から予測し、おそらくこの子は小学生だろうと狙いを定め、小学生のふりをして近づき親しくなっていくという事例もありました。この他にもオンラインゲームなど、いまやありとあらゆるサービスでメッセージ機能がついており、ボイスチャットもできます。

ペアコントロールやファミリーリンクアプリを入れて管理することもできますが、実は制限の解除方法や抜け穴はネット検索ですぐに出てきてしまうので、絶対的に安全とは言い切れません。被害を未然に防ぐために、些細なことでも子どもが親に相談しやすい関係性をふだんから築いておいてほしいものです。

そして子ども自身にもSNS被害の危険性を理解してもらうために、SNS利用のリスクや、実際にあった被害について教えていくという、ITリテラシー教育をしっかりと行う必要があるでしょう」

取材・文/逢ヶ瀬十吾(A4studio) 写真/Shutterstock

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