北海道に生息するヒグマは、「エゾヒグマ」と呼ばれ、体長1.8~2.3mにも及び、本州に生息する「ツキノワグマ」に比べ、サイズがひと回りも大きい。道内のほぼ全域に生息し、ふだんは木の実や果実を食べるものの、人間や家畜を襲ったという事件も枚挙にいとまがない。
今年7月、4年間で66頭もの酪農家の牛を襲い続けた体長2.1mの巨大ヒグマ「OSO18」が駆除されたのは記憶に新しい。また11月には、道南の福島町でヒグマに襲われたとみられる大学生の遺体が発見されるという痛ましい事故も発生している。
道内では農畜産業などへの悪影響や人身被害などヒグマによる被害は多方面で確認されており、決して楽観視できる状況ではない。クマの駆除にクレームを入れる人々に対し、クマの被害の実態や恐怖といった現実を理解してもらえていないことに、やるせない気持ちを抱く道民も少なくないだろう。