【保護ネコ漫画あり】血だらけ狂暴ネコ“足湯さん”との戦い。警戒心むきだしだった彼が家族となり、どんどん甘えん坊になっていくまで
集英社オンライン / 2023年12月3日 18時1分
「保護や愛護なんて言葉を聞くと、なんだか暗くてかわいそう……というイメージをお持ちではないですか? 実は、おもしろいことや楽しいこともたくさんあるんです」と語るのは、犬や猫の保護活動を続けるtamtam(タムタム)さん。保護猫たちとのエピソードを描いた心温まるコミックエッセイ「たまさんちのホゴネコ」(世界文化社)から一部を抜粋、要約してお届けする。
「公園の足湯に血だらけの猫がいる」
5年前の冬、知人からの電話で、公園の足湯に血だらけの猫がいるという情報が入り、現場へ駆けつけ捕獲。その子が足湯さんです。
捕獲後、すぐに動物病院へ。車中、静かにしていた足湯さんでしたが、動物病院へ到着しケージを開けたとたん、看護師さんの肩に飛びつきました。危険を感じた私が猫を引き離そうしたところ、思いっきり指をかみつかれてしまいました。噛まれた痕をよく見ると、傷は親指を貫通していました……。
獣医さんは警戒心むき出しの猫に麻酔を注射し、眠った隙に診察。その結果、血だらけの原因はノミだと判明。治療を開始しました。とにかく警戒心が強く、お世話はとてつもなく大変でした。
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通常、猫の保護後の選択肢は3通り――里親を探す、家族として迎え入れる、不妊手術後に元の場所へリリースする、があります。こう警戒心が強くては、リリースするしかない、と思いました。
でも、野良猫の生活は大変。室内で暮らす飼い猫の平均寿命は15歳以上といわれていますが、野良猫は交通事故や感染症、野生動物などの天敵、厳しい天候などで、3~5歳だといわれています。
何とか人に慣れてもらえないかと、数か月、格闘。その間、様々なお近づき作戦はことごとく失敗。それでも、私は怒ってばかりの姿も愛らしいと感じていました。
避妊手術の直後、麻酔で眠る足湯さんに初めて触れてみると、思っていたよりもずっと柔らかい。結局、私はこの子が好きでたまらない、諦めたくないのだと気づき、リリースをやめたのでした。
その後も足湯さんの警戒心はなかなか溶けませんでしたが、しばらくして新しい保護猫のまめちゃんがやって来ると、変化が生まれました。足湯さんはまめちゃんのことはすんなりと受け入れ、人なつこく私にすり寄るまめちゃんの様子を見ていた数か月後。ごはんの時に自分から近寄ってくるようになり、1年後には私に抱っこされるまでになっていました。
足湯さんは実は推定年齢12歳以上と判明し、家族として迎え入れることにしました。その後、まるで子猫のようにどんどん甘えん坊になっていきました。人間が信用できなかった足湯さん。威嚇され、牙を向けられ、私は何度落ち込み泣いたかわかりません。でも、足湯さんに、想いは必ず伝わる、ということを教えてもらいました。
5年たった今、病気が増え片目は失明しています。周囲からすると、「怪我をしていた野良猫を迎えるなんて」と思われるかもしれませんが、そばで看病できることも何より幸せ、出会えて一番の幸せ者は間違いなく私。野良猫を見たら、どんな猫でも、誰かのかけがえのない存在になれる、ということを思い出してほしいです。
【漫画】『たまさんちのホゴネコ 血だらけ狂暴猫との闘い①~⑧を読む』
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/11/30060210196789/0/4454_002.jpg)
たまさんちのホゴネコ
tamtam
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/12/01013739579030/0/41aBawRzYVL._SY445_SX342_.jpg)
2023/10/25
¥1,485
144ページ
978-4418234301
SNSで話題のコミックエッセイ!「たまさん」シリーズ第2弾!
実際に保護活動をしている著者と保護猫との日常を描く。長年にわたり、犬猫の保護活動に携わってきた著者のtamtam(タムタム)さんが、自身の経験を通した保護猫たちとの触れ合いを優しい絵と言葉で綴ります。尚、本書の売上の一部は、保護猫の支援活動などを行っている団体に寄付されます。
「保護犬」との暮らしを綴ったコミックエッセイ『たまさんちのホゴイヌ』の出版から一年。続編を望む多くの声にお応えして、「保護猫」との日々をまとめた『たまさんちのホゴネコ』には、インスタグラムに投稿され多くの反響を呼んだ猫たちとのエピソードに、大幅な描きおろしを加えたかけがえのない6つの物語が綴られています。小さな命から「今を生きる」意味を考えさせられる、愛と感動の実話をぜひご覧ください。
Chapter 1. ミーコ
虹の橋
Chapter 2. くるみちゃん
その復讐に幸あれ
Chapter 3. 足湯さん
血だらけ狂暴猫との闘い
Chapter 4. こいちゃん
生まれつき弱い子
Chapter 5. あくびちゃん
足の折れた猫
猫白血病って一体何?
Chapter 6. ジジ
いのちのバトン
私たちにできること
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