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難しい言葉は必要ない。伝えたいことを的確にまとめるために必要なのは「20文字以内」「小学生でもわかる言葉」

集英社オンライン / 2023年12月18日 8時1分

自己紹介やビジネスシーンで伝えようとするとダラダラ長くなったり、緊張のあまり思いついたまま発言してしまったりしたことはないだろうか? 重要なのはいかに短くまとめるか、頭の中にある言葉をいかに紡ぎだすか。『ひと言でまとめる技術 言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』(アスコム)より一部抜粋。再構成してお届けする。

難しいことを簡単に、簡単なことを伝わりやすく20文字の法則

伝えたいことをどれだけ「簡単」にできるか?
私が修業時代に繰り返し教わったのは、「難しいことを簡単に。簡単なことを伝わりやすく」ということです。
しかし、やってみると、これがとっても難しいのです。ときに仕事において「世の中の人がまったく知らない技術」とか「日本にはない名詞や考え方」を紹介しなければならないとき、その単語をそのまま書いてもほとんどの人に伝わりません。



そこで先ほど紹介した「つまりこれってどういうこと?」という法則を用いて、なるべく簡単に伝わりやすいものにしていきます。それを簡潔に伝えるための方法が、「20文字以内」で「小学生でもわかる言葉」を使った「20文字の法則」です。

伝え方の方法論では、言葉を短く研ぎ澄ますことが大事です。
短ければ短いほど、いいです。
世の中の名言や、名キャッチコピーをご覧ください。数えてみるとほとんど20文字以内で構成されていることがわかります。新聞やYahoo!の見出しなどを基準に15文字以内にするという流派もありますが、私は、20文字以内なら即座に伝えたい内容を理解してもらえると考えています。

〈名キャッチコピー例〉
●お口の恋人(ロッテ)
●おしりだって、洗ってほしい。(TOTO)
●目の付けどころがシャープでしょ。(シャープ)
もちろん、20文字以上の名コピーも存在します。ですが、「全文をパッと思い出せない」ということが多いのではないでしょうか。
人は、自分に必要なもの以外はどんどん忘れていってしまいます。相手の脳に負荷
をかけずに覚えてもらうために、伝えるときは「20文字以内」を目指しましょう。

人はなぜ、わざわざ難しく言おうとするのか

もうひとつの物差しは、「小学生にもわかる言葉で伝える」ということです。
決して小学生をバカにしているわけではなく、それくらい簡単な言葉でないと誤解を生む可能性があるからです。前項で挙げた名キャッチコピーをもう一度よく見てみてください。すべて、小学生のときに習う言葉で構成されています。
人は何かを伝えようとするとき、つい難しい言葉や気取った言い回しをしてしまう傾向にあります。それはずばり、自分に自信がないからです。

私は読書が好きで、難しい表現や漢字を覚えるのも好きでしたが、それが仇になり、何度も先輩から注意を受けてきました。
就職活動のときに、希望している業界に勤める先輩に面接の練習台になってもらいました。そこで私は、こんなふうに自己紹介をしました。

「私は、幼少期から友人に恵まれ、赤心の触れ合いを重ねてきました。いまでも密に連絡を取り合い、肝胆相照らす間柄です」
面接官役の先輩はすぐにストップをかけて、「勘違いしてないか? 伝えるということは、難しい言葉を使って賢く見せることじゃないんだ。誰が聞いても瞬時に理解できることがいちばん大事なんだぞ」と注意してくれました。

私はいつの間にか、自分の知識をひけらかして、伝わらない言葉で自分を飾ろうとしていたことに気づいたのです。では、なんと言えばよかったのか?

ひと言で伝わるようにまとめると、「私は、多くの友人に恵まれている人間です」と簡潔にし、その後に「彼らとは子どものころから助け合い、いまでも親友と呼び合える関係です」と続ければいいだけでした。

あっさりしているように見えますが、少なくとも言いたいことは伝わるし、相手も「それはどんな友達なの?」と話を続けたくなるでしょう。大きな落とし穴に落ちる前に、的確に指摘してくれた先輩には、いまでも感謝しています。


〈練習問題〉
以下の文章を、20文字の法則でまとめてみましょう。
●気の遠くなるほど遥かいにしえのころ、とある場所で翁(おきな)と嫗(おうな)が糊口をしのいでいました。

●昔々、ある所におじいさんとおばあさんがいた。

「難しいことを簡単に。簡単なことを伝わりやすく」をつねに意識するようにしましょう。

つまずく前に二度問いかけよう ~W 問いかけ法

伝え上手は、二度問いかける。
「つまり」という言葉をつねに頭のなかに置くことが、物事をわかりやすくひと言で
伝えるための法則ですが、「W問いかけ法」はその発展型です。
あなたが誰かに何かを伝えようとするとき、よほどの緊急事態でなければ多少の「間」があるはずです。そのときに二度、問いかけてほしいのです。

一度目は、「誰に、何を、なぜ伝えたいのか?」
二度目は、「つまり」こういう言葉なら伝わるはずだ。


解説すると、一度目の「誰に、何を、なぜ伝えたいのか?」は、
①自分の考えを整理する
②相手との「ゴール」を設定する
ためにする問いかけです。
そして二度目の「つまり」で、相手に伝えることを短くわかりやすい言葉で表現できるかを考えるわけです。

いわば、「つまりの法則」を、より効果的に使うための考え方です。
あなたは上司や先輩から、「頭のなかでしっかり考えてから発言しろ。思いついたことをすぐに吐き出すな」といったアドバイスを受けたことはありませんか? 私は山のようにあります。

アイデアならまだいいのですが、私には思いついたくだらないジョークでもすぐに言うクセがあり、空気を読まずにクライアントの前で発言してしまい、あとでこっぴどく叱られたことが何度もありました。
「思いついたことをすぐに吐き出すな」とは、いったいどういうことだろう? と、私なりに考えて導き出したのが、この法則です。

そして、会議の重い空気をなんとかしたい、クライアントとの距離を縮めたいという意図を表現したジョークがこちらです。
営業「今日のために徹夜で資料をつくりました」
クライアント「それはありがたいですが、寝なくて大丈夫ですか?」
営業「はい、ただ資料はここにありません」
クライアント「え、お持ちでない? なぜ……」
営業「はい、自宅で寝かせております」

このようなわかりやすいものであれば、相手も意図を感じてくれるでしょう。
あなたがジョークを言って「つまらない」と怒られたとしたら、それはきっと現代人の心が狭くなっているだけです。気にしないでください。

『ひと言でまとめる技術 言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』(アスコム)

勝浦 雅彦

2023/11/1

1,650円

単行本(ソフトカバー) : ‎ 304ページ

ISBN:

4776213168

「わかりやすく伝える」はこうやれば、できる!

「結局、なにが言いたいの?」から「あなたの話はわかりやすい」に評価が変わる。
言葉をまとめるプロが明かす、伝え方の究極のスキル!――
あなたは人からこんな指摘を受けたり、伝わらないモヤモヤを抱えていませんか?
◎話している相手から「なにが言いたいのかわからない」と言われてしまった。
◎メールの文章が長すぎて、 肝心な要件が伝わっていなかった。
◎「うちの売りは低価格だと思うんだけど、機能性も伝えたほうがいいかも…」と、ついいろいろ言いたくなってしまう。
じつは、このような悩みは「ひと言でまとめる技術」の手にかかればすべて解決してしまいます。ポイントはたった2つ。「捨てる」それから「まとめる」。このコツさえつかめば、
伝わり方が劇的に変わります!「ひと言でまとめる技術」はビジネスパーソンの悩みだけを解決する技術ではありません。話をしてもパートナーに言葉が届いていないと感じている方。自分は面白いと思ったのに、友人の反応はイマイチ。ちゃんと伝えたつもりなのに
間違った料理を出されてしまった。
こんな悩みも解決する伝え方のコツも満載です。
「伝え方」を追求し続けてきた著者が、すべての「伝え方」で悩む人たちに手にしてほしい技を本書で伝授します

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