健康づくりのために、運動が必要なことは誰もが知っています。では、どの程度の運動が必要なのでしょうか。米国スポーツ医学会は、健康づくりのための運動として「50%程度の運動強度で、1日に30分間、週に5回、または70%程度の運動強度で、1日に20分間、週に3回の有酸素運動を行う必要がある」としています。
50%以上の運動強度といわれても、どれくらいの運動をすればいいのかよくわからないと思います。運動強度については2章で詳しく解説しますが、とりあえずいまは、息が切れてもう動けないというときの運動強度を100%とし、その半分が50%の運動強度だと考えてください。
しかし、その運動時間をつくるのが難しい、という忙しい方も多いことでしょう。まして週に3回以上といわれると、ハードルが高く感じます。そこでおすすめするのが自転車を通勤や通学、買い物などに取り入れることです。
本書では自転車運動を生活のなかに取り入れることで、気持ちよく健康になる方法を紹介していきます。ただし、やはり運動強度を高めるための乗り方のコツがあります。そのさいのキーワードが「疲れない運動」です。疲労を感じないと運動した意味がないと考えがちですが、それは正しくありません。その理由をこの節で見ていくことにしましょう。
なぜ自転車なのでしょうか。