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「キーボードはトイレの便座より汚い?」実はトイレの400倍の細菌がいることも…年末までにやりたいパソコンキーボードのお手入れ法

集英社オンライン / 2023年12月13日 17時1分

ふだん何気なく使っている、パソコンのキーボード。人によっては毎日触れるものだが、どのくらいの頻度で掃除しているだろうか。うっかり手入れを怠っていると、皮脂汚れなどが溜まって不衛生な状態になったり、ホコリやゴミが内部に侵入してマシンの不調を起こしたりすることも……。年末の大掃除に向けて、改めてそのお手入れ方法をチェックしてみよう。

「キーボードはトイレの便座より汚い」って本当?

パソコンのキーボードは、トイレの便座よりも汚い––。ネットでは、そんな都市伝説のような話をよく見かけます。そもそも、この話は本当なのでしょうか。

その根拠を辿ってみると、米アリゾナ大学の微生物学者・Charles Gerba氏のレポートが源流になっているようです。筆者はこのレポートに直接辿り着くことはできませんでしたが、この研究結果を引用している記事は多数散見されました。



海外のニュース記事・ブログをいくつかチェックしてみたところ、このレポートに関して具体的に、「米国のオフィスにあるデスクトップPCのキーボードにある微生物の数を調べたところ、トイレの便座よりも最大400倍の微生物を確認できた」という旨を引用しています。

この情報をすべて鵜呑みにはできませんが、国内で実際に検査を試みた企業や個人ブログを確認したところ、「便座よりも細菌数が多かった」と主張している人もいれば、「キーボードにはほぼ細菌がいなかった」とするものもありました。検査結果は、条件やタイミングによって大きく変動するようです。

たとえば、キーボード自体に水分や栄養分があるわけではないので、ある程度清潔な状態を保てていれば、長時間に渡って大量の細菌が滞在することはないと考えられています。

一方で、お菓子をつまんだ手でキーボードに触れていたり、皮脂汚れが溜まっていたり、手洗いが不十分な状態でキーボードに触れたりしていた場合には、キーボード上の細菌は増えやすい状態になるとも指摘されています。

筆者が利用しているMacBookのキーボード。よく見ると、キーの隙間にも汚れが溜まっている

キーの表面には、皮脂汚れが目立つ

こうした情報を俯瞰していくと、「キーボードの表面は、トイレの便座より汚い」という話は、ある意味本当であり、同時にすべてのケースに当てはまるわけではないことがわかります。

どちらにせよ、汚れたキーボードをそのまま使い続けるのは、少々気持ちが悪いもの。年末に大掃除を予定している人も多いと思いますので、正しいキーボードのクリーニング方法をおさえておきましょう。

MacBookは「ワイプ+エアダスター」が正解

では、具体的にキーボードに対して、どのような手入れをするのがよいのでしょうか。

実は、キーボードはメーカーや製品によって使用されている材質が異なるため、一概に「この方法が正解」と断言することはできません。

たとえば、アルコールが含まれたクリーナーや無水エタノールを活用して拭き取ればよいかというと、そう単純でもありません。材質によってはアルコールが含まれたクリーナーを使うとコーティングが剥がれてしまったり、変色を起こしたりする可能性もあります。

大切なのは、自己判断をせず、なるべくメーカーが公式で発信している案内に従いながら、その範囲でケアを行うことです。

たとえば、ノート型PCとして人気のMacBookシリーズについては、Appleが公式サイトで「MacBookやMacBook Proのキーボードのお手入れ方法」を公開中。詳細な手順も含めて、クリーニング方法が以下のように解説されています。

1)Macノートブックを垂直に立てるのではなく、75 度に傾けて持ちます。
2)エアダスターでキーボード全体をスプレーするか、問題のあるキーだけをスプレーします。左から右に作業を進めてください。
3)Macノートブックを回転させて右に傾け、キーボードを左から右に再びスプレーします。
4)同じ作業を繰り返します。今度は、Macノートブックを左に傾けて行います。


(出典:Apple「MacBookやMacBook Proのキーボードのお手入れ方法」より)

MacBookシリーズのお手入れ方法(写真/apple.com)

またAppleは「Apple製品のお手入れ方法」というページで、「70%イソプロピルアルコール含有ワイプ、75%エチルアルコール含有ワイプ、クロロックス除菌ワイプを使い、通気性のない硬い表面、たとえばディスプレイやキーボードなどの外表面を優しく拭き取る分にはかまいません」と言及しています。

そのためMacBookシリーズの場合、アルコール類を含んだワイプ(拭き取り用の布やペーパー)を使ってキーボード面を優しく拭き取ってから、エアダスターを使ってホコリや粒子を取り除くのが安全な掃除方法だといえそうです。

サンワサプライが販売している充電式の電動エアダスター「CD-ADE7BK」。ブラシノズル付きで、風量を2段階で調整できる

卓上掃除機やクリーナーを駆使しよう

続いて、世界のパソコンシェアでNo.1のレノボが「パソコンのクリーニング」として公開しているサイトを見てみましょう。こちらも、エアダスターや掃除機、クリーナーの使用を薦めています。

エアダスターをキーボードに噴射したり、ブラシでホコリを掃き出したり、新聞紙を下にひいてキーボードを逆さに振るなどでホコリを出します。掃除機でもいいですが、キーが外れて、ホコリと一緒にキーも吸い取ってしまう場合もあるのでご注意ください。キーの部分は、柔らかい布やティッシュにクリーナーをつけて拭きましょう。

(出典:レノボ「パソコンのクリーニング」より)

サンワサプライが2023年9月に発売した「卓上バキュームクリーナー」。キーボードに使う掃除機としても使える

「NEC LAVIE」については、基本的にはレノボ同様、ダスターや掃除機の使用を薦めています。「OAティッシュ」とありますが、これはアルコールなどを染み込ませたクリーナー類のことです。

キーボードはダスターでホコリを払ったあと、パソコン掃除専用の小さなノズルの掃除機ですいとったり、「ダストブロワー」でホコリを飛ばします。キートップが汚れている場合はOAティッシュなどで拭き取ります。

(出典:NEC LAVIE「パソコンお役立ち講座」より)

エレコムのOAティッシュ「wipica(ワイピカ)」シリーズ。液晶画面用の製品も展開されている

最後に「VAIO」の例も見てみましょう。こちらでは、乾いた布でゴミを拭き取ったあと、乾いた布や精製水で湿らせた布で清掃する方法が推奨されています。

表面
ごみやほこりは乾いた布で軽くふき取ってください。
汚れや指紋などが落ちにくいときは、息をかけながら乾いた布で拭き取るか、精製水などで湿らせて硬く絞った布で軽く拭いたあと、さらに乾いた布で水気を拭き取ってください。

キーの側面
綿棒でごみやほこりをこすり取ってください。


(出典:VAIO「VAIOのお手入れ方法」より)

メーカー推奨以外の方法は自己責任で

繰り返しますが、キーボードの清掃方法については、ノートPCや単体のキーボード製品を問わず、メーカーが推奨している方法を試すことをおすすめします。

もし、推奨以外の方法を選択する場合には、故障の原因となる場合があるので、自身の判断と責任で行いましょう。

多くのメーカーが共通して推奨しているのは、エアダスターやキーボード用の掃除機を使った方法です。また、アルコール類の使用を問題ないとするメーカーでは、OAティッシュのようなクリーナーで表面を優しく拭くのもよいでしょう。

仕事やプライベートで、1年間使い倒したパソコンのキーボード。清らかな気持ちで新年を迎えるためにも、ぜひこのタイミングで掃除してみてください。

文/井上晃

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