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職場で「上司ガチャにハズれた」と感じる人は8割超。「上司と相性が悪い」と感じたときにすべきこととは「上司は部下を理解してくれるは幻想」

集英社オンライン / 2023年12月15日 12時1分

職場で自分と合わない上司のもとで働くことになり、悩んでいる人は少なくないはずだ。どんな上司の下につくか、いわゆる「上司ガチャ」は、自分が成長するうえで非常に大切なファクターである。もし「上司と相性が悪くて、仕事が憂鬱」と感じたときに、どのように行動すればよいのか。『上司ガチャ』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部抜粋・再構成してお届けする。

「上司ガチャ」は、運で決まるものではない。

本書のテーマは、タイトルのとおり「上司ガチャ」だ。私の会社の新卒社員が何気なく使ったこの言葉に興味を引かれ、この本のタイトルに使わせてもらうことにした。

「ガチャ」とはご存じのとおり、一般に「ガチャガチャ」と呼ばれるカプセルトイや、ゲームのアイテムのような、中身がランダムで決まる商品のことだ。ガチャの中身は自分で選べないし、欲しいものとは違う景品が入っていたからといって、そう簡単にやり直すことはできない。



社会に出た、いまであれば「大人買い」もできるだろうが、子どもの頃はガチャガチャの前で「何が出るだろう」とワクワクしたり、狙っていた景品を引き当てられずガッカリしたりした経験は、みなさんにも覚えがあることと思う。

「上司ガチャ」とは、配属や配置転換、異動などに伴い、特定の上司のもとにつくことを指し、最近よく聞かれるようになった言葉である。「当たり」と感じることもあれば、その逆もあるのがガチャの常。会社という組織に属している限り、上司ガチャを引く機会は何度も訪れることとなる。

その多くは、入社面接や配属のタイミングだろう。所属部署のトップや人事部の担当者が、「この人は、あの人に合いそうだな」「この人のキャラクターは、あのチームに必要だ」などと考えながら上司と部下の組み合わせを検討していくが、一般的なガチャと同様、上司ガチャも一見ほぼランダムのように見える。

部下の立場から上司を選ぶことはできないし、ハズレだったからと言ってやり直す、要は「別の人に代えてほしい」なんて言えるわけもない。これが世間一般の常識だ。

けれど、私は声を大にして伝えたい。

上司ガチャは、決して運だけで決まるものではないし、一生懸命努力すれば、自らの手で上司を選べるようになる。

そしてハズレを引いてしまったとしても、それなりの対応策があり、どの上司につくかによって成長スピードは大きく変わってくる。

本章では、これらの点について具体的に話していこうと思う。

上司ガチャにハズレたら、多くの人たちは「あきらめる」

そもそも、世の中の人は上司に対してどう思っているのだろうか?

10代から60代の働く男女500人を対象にした株式会社ビズヒッツによる「嫌いな上司に関する意識調査」によれば、「職場に嫌いな上司はいるか」という質問に対し、「はい」と回答した人は73.2%(500人中366人)。全体の7割以上の人が、職場に嫌いな上司がいるという。さらに、「上司が理由で会社を辞めたいと思ったことがあるか」という質問に対しては、65%が「ある」と回答。上司との関係性次第で、後ろ向きな退職や転職も起こり得るほど、部下にとって上司の存在は大きいものだということがうかがえる。

この調査では、「職場に嫌いな上司がいる」と答えた366人に、「上司のどんなところが嫌いか」を尋ねているが、結果は次のとおりだ。

1位……相手によって態度を変える
2位……仕事を押しつける/仕事をしない
3位……高圧的/偉そう
4位……気分屋
5位……自分がすべて正しいと思っている

こんな上司の下で働かざるを得ないとなれば、「上司ガチャにハズレた」と嘆きたくなるのは当然だと思う。

また、正社員として働いている452人を対象にした株式会社アッテルによる「上司ガチャの実態調査」(2022年)によれば、「現在もしくは過去に正社員として勤めた企業において『上司ガチャ』に恵まれたと感じたことはあるか」という質問に対し、「ある」と回答した人が70.8%にのぼった。一方、「『上司ガチャ』にはずれたと感じたことはあるか」という質問には、81%が「ある」と回答。上司ガチャで当たりを引いたことがある人よりも、ハズレを引いた経験のある人のほうが10%も高いという結果になっている。

この調査では、「恵まれたと感じた上司」と「はずれたと感じた上司」それぞれの特徴を聞いている。

「恵まれたと感じた上司」の特徴トップ3
1位……コミュニケーションが取りやすい(42.9%)
2位……人として尊敬できる(38.5%)
3位……面倒見が良い(38.3%)

「はずれたと感じた上司」の特徴トップ3
1位……指示が分かりにくく一貫性がない(48.5%)
2位……高圧的な態度を取る(47.8%)
3位……すぐに怒るなど感情的になりやすい(44.7%)

この調査にはまだ続きがある。「上司ガチャ」でハズレを引いたと感じたことのある人に、「『上司ガチャ』にはずれたと感じたとき、どのように行動したか」と尋ねたところ、一番多かった回答は「諦めて上司に合わせた」(46.2%)。およそ半数が、自分のイライラやモヤモヤ、ガッカリ感を押し殺しながら、ハズレ上司に調子を合わせているわけだ。次に多かった回答は「転職・独立した」(25.4%)。いずれにせよ、上司に何か働きかけるのではなく、自分のほうで対処する人が多いことがわかる。

ほかにも、「上司との相性が仕事のパフォーマンスに影響したことはあるか」とも質問しているが、最も多かった回答は「かなりある」で50.9%。続いて「ややある」が41.8%と、「かなりある」と「ややある」を合わせて9割以上の人が「上司との相性が仕事のパフォーマンスに影響する」と感じていることがわかる。「あまりない」は5.1%、「ほぼない」は1.3%、「わからない」は0.9%と、上司との相性に関係なく働ける人は、ごく少数派なのだ。

おそらく多くの人がこれまでの経験から感じているように、上司との相性は仕事の成果に大きく影響する、といえる。

「上司は部下を理解してくれるもの」は、幻想

「上司と相性が悪くてうまくいかない」
「上司が無能すぎる、もっと優秀な人のもとで仕事がしたい」
「上司が自分のことをわかってくれない」

――これらは私が新入社員の頃、実際に感じていたことだ。私は自分の実力に自信を持つスーパーポジティブなタイプだったが、前項で述べたように、人によっては、「上司と合わなくてつらい」ことが原因で自信をなくしたり、退職を考えたりしている人もいるだろう。

特に若いときは、上司の存在はとても大きい。上司のちょっとした言動により、気持ちや成果は大きく左右されてしまう。上司ガチャでハズレを引いたと感じている人の多くは、「上司なのだから、部下である自分の強みを深く理解して、適切に引き出してほしい」と思っているのだろう。だからこそ、「どうして自分のことをわかってくれないのか」などとモヤモヤしているのではないだろうか。

正直なところ、私もかつては同じように考えていた。けれど、いま振り返ってわかることがある。

それは、「自分の強みを理解して活かしてほしい」と上司に期待しているのであれば、それは決して叶わない、ということだ。

身もフタもないことを言うが、たいていの上司は、部下の強みを深く理解し、適切に引き出せる力なんて持っていない。そもそも上司は忙しく、一人ひとりの部下に目を向ける余裕もない。

だからこそ必要となるのは、「自分のことを理解させる努力」ではなく、「上司の強みを自分から理解して、そこに自分を合わせにいく努力」だと、いまの私は考えている。つまりは、部下のほうが上司をリードするわけだ。

「自分のことをわかってもらう」よりも、このほうがずっと効率的かつ生産的であり、結果としてはるかにたやすく能力を開花させることができるのではないだろうか?

ひと口に上司と言っても、いろいろなタイプの人がいる。もしも「上司と相性が悪い」「上司と合わない」と考えているのであれば、まずは自分の上司がどんなタイプでどんな人間なのか、その上司を冷静に観察してみることをおすすめしたい。上司の強みと弱みを深く理解すれば、上司の強みの活かし方がわかるし、部下として弱みを補完してあげることもできる。

「自分の強みを理解してくれ」「自分を活かしてくれ」という受け身の姿勢は捨てて、積極的に上司を利用するという姿勢にシフトチェンジするのだ。

そもそも、黙っていても自分の強みを理解して活かしてくれる上司なんてまずいない。上司は、上司としての自分自身の評価につながることしかしないものだからだ。

だから部下としてはまず、上司に貢献するという姿勢が必要だ。「私の強みを理解して、活かしてほしい」ではなくて、「上司に貢献したい」と考えて行動できるようになってほしい。

こう言うと「どうして部下である自分が、そこまでしなければいけないのか」という声も出るかもしれない。

だが、これも残酷な事実だが、よっぽど優秀な上司でない限り、そこまで上司に期待するだけムダなのだ。

上司ガチャ 20代の年収と成長の伸びしろは上司との向き合い方が9割

藤﨑友輔

2023年10月3日

1848円(税込)

四六判/208ページ
発行:クロスメディア・パブリッシング

ISBN:

978-4-295-40875-8

上司ガチャの勝率は自分で高められる!

「上司と相性が悪くて、仕事が憂鬱」
「同期のあの人みたいに、もっと優秀な上司に指導してもらいたかった」
「上司に叱られてばかりでつらい、早く配置換えしてほしい」
「上司が無関心で、ほぼ放置。こんな調子じゃなければ、もっと成長できるのに……」

このように、自分と合わない上司や無能な上司に悩んでいる人は、きっと少なくないでしょう。
新卒であれ、中途採用であれ、入社先あるいは異動先でそんな上司に出会ったのなら、どんなにやる気に燃えていたところで、それが実を結ぶわけがありません。

しかし、上司ガチャは運だけが左右するものでは決してないのです。
実は、自分の意志や姿勢次第で、いくらでも自力でガチャを回すことができるものです。
だからこそ私たちは、自力で「理想の上司=自分を成長させてくれる最強の上司」に出会うことができると断言します。
そして、「最速で成長したいなら、最強の上司に出会う必要がある」ということを理解する必要があります。

本書は、どうしても前向きな気持ちになれない、あるいは、うまくいかずにくすぶっている人へ向けて、上司ガチャを攻略するための考え方とアクションを具体的に解説した書籍であり、かつては何者でもなかった著者から悩めるあなたに贈る、1冊のエールです。

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