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上司は年上だから無条件にエライのか。「上司ガチャ」のハズレをアタリにするためにいちばん必要な分析とは

集英社オンライン / 2023年12月15日 12時1分

「上司ガチャにハズレた」という人でも、自分の行動しだいではハズレをアタリにすることができる。そのために必要なのは、まずは自己分析をしたうえで、「理想の上司像」をしっかりと固めることだ。『上司ガチャ』(クロスメディア・パブリっシング)より、一部抜粋・再構成してお届けする。

#1

「上司だから」という思い込みを捨てよ。

私は、会社のルールや一般的な常識にあまり縛られない、むしろそれらを壊すタイプだった。自分が中心だと考えて、自分のやりやすいように、快適になるように動いてきた。

くどいようだが、こういう奴は会社などの組織においてはかなり厄介な存在である。けれど、別に私に悪気があったわけではなく、「組織に搾取されないようにしたい」と思えば思うほど、自然とそうなっただけだった。組織の中で何かを我慢しすぎたり、自分の気持ちを押し殺して誰かに合わせたりするのが嫌だった。自分が主体になりたい、むしろ搾取する側に回りたい、という気持ちがあった。



おそらく、多くの組織において「自分が中心」の振る舞いを邪魔してくるのが、上司だと思う。たいていの人は上司の存在が枷となり、自分らしく行動することをあきらめてしまう。そこで大切なのが、上司を敬いすぎないようにすることだ。

上司といっても同じ人間で、たかだか数年、社会人経験が多いだけの人である。年齢や相手の属性に惑わされてはならない。もちろん、相手をストレートに見つめた結果、その人がすばらしく尊敬できる人であればそれなりの扱いをすべきだと思う。これは年下や部下であっても同様で、敬うべき人(=成長意欲のある人)は敬う、敬うべきでない人(=現状維持だけを目指している、成長意欲のない人)は敬わない。シンプルな行動原則である。

いまは、「年上だから無条件に偉い」という時代ではない。ビジネスの世界で最も大切なのは、成果である。だからこそ、成果を出さないままただ単に年上というだけで偉そうにしたり、その立場にあぐらをかいたりしている人間の発言権は、徐々に減少していくだろう。

前述のとおり、本書のタイトルにある「上司ガチャ」とは、私の会社の新卒社員が使っていた言葉から拝借した。社長が新卒社員の使った言葉を本のタイトルに取り入れるということに違和感を覚える人もいるかもしれない。しかし、ビジネスは実力の世界だ。年下でも、経験が浅くても、その人の言動がすばらしいと思えば素直に取り入れる、私はその姿勢を大切にしたい。

会社は学校ではなく、ビジネススキルを高めて、結果を出していく場所だ。「自分の上司だから」「年上だから」というだけの存在に自分の伸びしろを決められる必要はない。

成果を上げることを目指した結果、それまでの会社のあり方を壊してもいい。少なくとも、私はそう考えている。

上司ガチャは、自分でレアリティを高められる。

ガチャには「レアリティ」という概念がある。簡単に言えば「レア度」のことだ。SSR(スペシャルスーパーレア)やSR(スーパーレア)などといったランクづけがあり、誰もがよりレアな景品を求めてガチャを回す。

上司ガチャにも、レアリティという概念は通用する。自分にフィットした「理想の上司」が「レアリティの高い上司」というわけだ。とにかく仕事ができる上司、優しい上司、自分の話を親身になって聞いてくれる上司……人によりその定義は異なるが、一般的には、仕事ができる上司も、優しい上司も、自分の話を親身になって聞いてくれる上司も、引き当てるのは難しい。だからこそ、そうした上司はSSR上司だといえる。

上司ガチャのレアリティは、自分で高めることができると私は思う。そのためには、まずは自己分析することが重要となる。

たとえば、みなさんは次の5つのうち、どれに共感するだろうか?

(1)ワークライフバランスを重視して、ほどほどの働き方をしたい
(2)忙しくてもいいから、とにかく稼げる仕事をしたい
(3)ビジネススキルを高めて、どこでも通用する人材になりたい
(4)営業力を磨き、カリスマ営業になりたい
(5)仕事は可能な限り抑えて、人生を謳歌したい

どれを好むかで「理想の上司像」は大きく変わる。ざっくり言うと、次のようになるだろう。

「自分が、上司に何を求めているか」を知ること

(1)ワークライフバランスを重視して、ほどほどの働き方をしたい人
→ワークライフバランスを重視している上司

(2)忙しくてもいいから、とにかく稼げる仕事をしたい人
→厳しいノルマを課し、稼ぐための道を示してくれる上司

(3)ビジネススキルを高めて、どこでも通用する人材になりたい人
→とにかく仕事ができて、部下の成長のために時間を割いてくれる上司

(4)営業力を磨き、カリスマ営業になりたい人
→カリスマ営業として活躍している上司

(5)仕事は可能な限り抑えて、人生を謳歌したい人
→ビジネスライクに「仕事仲間」として接してくれる上司


もちろん、すべての人がこの5タイプに分類されるわけではない。(2)(3)のハイブリッドという人もいるだろうし、この5タイプにまったく当てはまらない人もいると思う。

けれど、基本的な考え方は同じだ。「自分は何を理想としているのか」「その理想を叶えるためには、どのような上司が適しているのか」を考えてみてほしい。

自己分析をした後、「社内でどの人間が自分にとってのSSR上司なのか」と考えてみる。同期や同僚に「あの人ってどんな人?」と探りを入れてみるのもいい。これは先に述べた「上司のデータ収集」で、そうして自己分析→情報収集を徹底的に行うことで、ガチャで当たりを引ける可能性はおのずと上がる。

「上司ガチャにハズレた」という人は、そもそも自分の理想が見えていないことも多いだろう。だから、ハズレたと感じていても実は自分にぴったりの上司だった、ということも往々にしてある。私もたくさんの上司に出会い、「相性が合わない」と噛みつき、「ハズレだ」と思ってしまった経験もあるが、相手のことをちゃんと知ろうという意識があれば、違った関係性を築くことができただろう、といまは思う。

「自分が、上司に何を求めているか」を知ること。ひいては、自分が何を重視していて、何を成し遂げたいか、上司と出会ってどう成長したいのかを理解すること。こうして漠然と描いている「理想の上司」の具体性を突き詰めていけば、意外と、既に周囲に「理想の上司」がいた、ということもあるかもしれない。

上司ガチャ 20代の年収と成長の伸びしろは上司との向き合い方が9割

藤﨑友輔

2023年10月3日

1848円(税込)

四六判/208ページ
発行:クロスメディア・パブリッシング

ISBN:

978-4-295-40875-8

上司ガチャの勝率は自分で高められる!

「上司と相性が悪くて、仕事が憂鬱」
「同期のあの人みたいに、もっと優秀な上司に指導してもらいたかった」
「上司に叱られてばかりでつらい、早く配置換えしてほしい」
「上司が無関心で、ほぼ放置。こんな調子じゃなければ、もっと成長できるのに……」

このように、自分と合わない上司や無能な上司に悩んでいる人は、きっと少なくないでしょう。
新卒であれ、中途採用であれ、入社先あるいは異動先でそんな上司に出会ったのなら、どんなにやる気に燃えていたところで、それが実を結ぶわけがありません。

しかし、上司ガチャは運だけが左右するものでは決してないのです。
実は、自分の意志や姿勢次第で、いくらでも自力でガチャを回すことができるものです。
だからこそ私たちは、自力で「理想の上司=自分を成長させてくれる最強の上司」に出会うことができると断言します。
そして、「最速で成長したいなら、最強の上司に出会う必要がある」ということを理解する必要があります。

本書は、どうしても前向きな気持ちになれない、あるいは、うまくいかずにくすぶっている人へ向けて、上司ガチャを攻略するための考え方とアクションを具体的に解説した書籍であり、かつては何者でもなかった著者から悩めるあなたに贈る、1冊のエールです。

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