上司ガチャで「ハズレを引いてしまった」…直属の上司が自分の理想でなかったときの対応策「輝けない場所でいつまでもくすぶっている必要はない」
集英社オンライン / 2023年12月17日 18時1分
「上司ガチャ」にハズレてしまったときの辛さはなかなかのものだ。相手の本質を懸命に見たうえでも「やっぱり嫌だ」「これ以上一緒にいたくない」と感じてしまう人も多いだろう。その場合は、どんな対策を講じればいいのか。『上司ガチャ』(クロスメディア・パブリッシング)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
上司ガチャで「ハズレを引いてしまった」と思ったら。
ビジネスにおいて成長し、自分の価値を高めていくには、最強の上司に出会う必要がある。たとえ大した実力や才能を持っていなくても、すばらしい学歴がなくても、いい上司に出会ってしまえば成長は約束されたようなものだが、いくら手を尽くしても運に恵まれないことはある。
そこで、ハズレを引いてしまったときの対応策について考えてみよう。
①相手の本質をもう一度見直す
上司のことを「ハズレだ」と嘆く人は、上司の真の姿や資質がきちんと見えていない可能性もあるというのは、既出のとおりである。もしかしたら、あなたが見ているのは、上司のうわべだけだったり、単なる一面だったりするかもしれない。「顔も見たくない」という状態であっても、あえて距離を詰めて、相手の本質を見抜く努力をしてほしい。
私自身を振り返っても、上司の悪いところばかりが目についてしまい、相手を尊敬できず、うまくいかないことが多かった。当然ながら、相手の悪いところを探すような人間関係はうまくいかない。やはり恋愛と同じで、できる限り相手のいいところを探すようにしてほしい。
とはいえ、特に新卒3年目までは、上司をビジネス的な基準でジャッジして相手の素敵なところに注目するというのは、なかなか難しい。自分自身の社会経験が未熟で相手のビジネス能力を測るモノサシを持っていないからだ。
上司がクレーム対応の達人だったり、他部署との交渉で矢面に立って部下のことを守ってくれたりする人であっても、新人のときにはなかなか気づけないものだと思う。
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理想の上司を見極めるための10のチェックリスト
そこで、相手の本質を見抜くために、自分の上司の「いいところ」と「悪いところ」を全部書き出してみるのが有効となる。また、上司が嫌いなら、どこが嫌いかを言語化してみるのもいい。「なんとなく嫌い」で終わらせずに、明確に言葉にしてみると、自分の好みや価値観をつかむヒントになる。
なお、この見極めは決して性急に行ってはならない。少なくとも1カ月以上は観察期間が必要だ。その1カ月間は、積極的に上司のそばに身を置いたり、自ら上司と関わったりしてほしい。
また、いきなり上司にぐいぐい迫っていくと、相手は一歩引いてしまう恐れがある。だから、緩急をつけてテストすることをおすすめしたい。「こちらがこう出れば、相手はこう対応した」「別のアプローチをしてみたら、相手はこう反応した」というふうに、少しずつこちらの出方を変えて、相手のリアクションをチェックする。
部下だからといって上司を見定めてはならないなんて決まりは、まったくない。受け身ではなく、自ら動くこと。ここで、上司のどこを見ていいかわからない人のために、10のチェックリストを紹介しよう。ぜひ参考にしてほしい。
(1) 目を合わせていつもより元気に挨拶をしてみると、どういう反応をするか?
(2) 誰に対しても態度を変えず、同じスタンスかどうか。加えて、上にも下にも一貫した話の内容になっているかどうか?
(3) 自分の社歴やポジションに甘んじて、マウントをとってきたりしてこないか?
(4) 質問や悩みを相談したときに、その場しのぎの回答ではなく、根本的な問題解決ができるような回答かどうか?
(5) 上司のキャリアプランについての質問をしたときに明確な答えが返ってくるかどうか?
(6)会社の3ヵ年計画を尋ねたときに、答えられるかどうか?
(7) 1週間毎日朝イチで出社し、最後まで残って仕事をしたときに、どんな反応をするか?
(8)軽い差し入れを手渡すと、どういう反応をするか?
(9)ランチや飲み会に誘うと、どういう反応をするか?
(10)「チームで週に一度会議をしましょう」と提案すると、どんな反応をするか?
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輝けない場所でいつまでもくすぶっている必要はない
②どうしても希望が持てなければ、別の道を探す
前項のアドバイスを実践して相手の本質を見ると、次の3つの選択肢が出てくると思う。
(1)相手を受け入れられるような気がしてきた
(2)フラットな気持ちになった
(3)相手がますます嫌になった
もし(1)相手を受け入れられるような気がしてきたのなら、真摯に上司と向き合った結果であり、とてもすばらしいことだ。引き続き丁寧なコミュニケーションを積み上げ、信頼関係を築いていってほしい。
(2)フラットな気持ちになった人は、もう少し様子見をしよう。引き続き本質に目を向けながら、自分の成長を第一に考えて行動を続ける。そのうちに、気持ちが変わる日がくるかもしれない。
問題は、(3)相手がますます嫌になった人だ。相手の本質を見て「やっぱり嫌だ」「これ以上一緒にいたくない」と思うなら、無理をする必要はない。
心身の健康を害してしまっては元も子もない。
それでは、そんなときにどう対応するか。まずは社内で異動が可能かを確認してほしい。直属の上司が「どうしても無理」な対象なのであれば、別部署の人間に相談をしてみる。そういった状況をつくることが難しい場合は、先輩や同期に軽く相談をするのもいいだろう。
もし、あなたが属する企業が大規模なら、異動で問題が解決する可能性はかなり高い。新しい居場所で成長し続けたほうが賢明である。一方、属する企業が中小規模であれば、「別の上司」という選択肢が用意されていないかもしれない。冷静にまわりを見渡して離脱という判断を下すなら、思い切って抜け出せばいい。社内で自分より立場のある人間を3人思い浮かべ、そのうちの誰にもなりたくないと思うのであれば、その組織からは脱出するのが正解だろう。組織はそんなに簡単には変わらないからだ。
自分の健康と成長を第一に考えれば、どう行動すべきかは見えてくる。適材適所という言葉があるとおり、いまの場所ではうまくいかなくても、他の場所に行けばもっと活躍できる可能性は大いにある。
輝けない場所でいつまでもくすぶっている必要はないのだ。
上司ガチャ 20代の年収と成長の伸びしろは上司との向き合い方が9割
藤﨑友輔
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/12/05040807516948/400/book.jpg)
2023年10月3日
1848円(税込)
四六判/208ページ
発行:クロスメディア・パブリッシング
978-4-295-40875-8
上司ガチャの勝率は自分で高められる!
「上司と相性が悪くて、仕事が憂鬱」
「同期のあの人みたいに、もっと優秀な上司に指導してもらいたかった」
「上司に叱られてばかりでつらい、早く配置換えしてほしい」
「上司が無関心で、ほぼ放置。こんな調子じゃなければ、もっと成長できるのに……」
このように、自分と合わない上司や無能な上司に悩んでいる人は、きっと少なくないでしょう。
新卒であれ、中途採用であれ、入社先あるいは異動先でそんな上司に出会ったのなら、どんなにやる気に燃えていたところで、それが実を結ぶわけがありません。
しかし、上司ガチャは運だけが左右するものでは決してないのです。
実は、自分の意志や姿勢次第で、いくらでも自力でガチャを回すことができるものです。
だからこそ私たちは、自力で「理想の上司=自分を成長させてくれる最強の上司」に出会うことができると断言します。
そして、「最速で成長したいなら、最強の上司に出会う必要がある」ということを理解する必要があります。
本書は、どうしても前向きな気持ちになれない、あるいは、うまくいかずにくすぶっている人へ向けて、上司ガチャを攻略するための考え方とアクションを具体的に解説した書籍であり、かつては何者でもなかった著者から悩めるあなたに贈る、1冊のエールです。
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