1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ
  4. ライフ総合

最新"狙い目"私立3校。「東京都高校授業料無償化」で神奈川・千葉・埼玉の“進学コスパ最強”私立を視野に入れるべき根拠

集英社オンライン / 2023年12月9日 9時1分

学歴研究家「じゅそうけん」として活動する伊藤滉一郎氏が、入学偏差値と進学実績を鑑みたうえでの“コスパのよさ”を考慮、神奈川・埼玉・千葉で狙っていきたい“お買い得”な私立高校を紹介する。

東京一極集中が加速するなら、あえて逆張りも

「東京都高校授業料無償化」というビッグニュースが飛び込んできました。

これは、私立を含む都内のすべての高校の授業料を来年度から実質無償にするというもので、世帯年収910万円未満が対象だった現行の所得制限を撤廃するかたちになりました。これにより、中学受験市場や私立高校受験市場に大きな影響が及ぶものとみられています。

これまで私立校が敬遠される最大の理由は「高額な学費」でした。

私立中高一貫校に中学から通う場合、学費は6年間で500万円が相場です。地価や物価の上昇が止まらない首都圏において、これだけの金額を捻出するのはなかなか大変なことであり、「なんとしても公立に行ってほしい」という方針のご家庭も少なくありません。



そこで今回の改革です。

私立中高一貫校に6年間通っても、トータルでかかる学費はこれまでの半額程度。これは、首都圏のご家庭が中学受験や私立高校受験に一気に参入しやすくなったことを意味します。

最難関校の人気は変わらないはずですが、中堅以下の学校の倍率が上がるのではないかと個人的には予想しています。特に施設が充実している私立高校などは、今後人気校になっていくのではないでしょうか。

仮にこの動きが東京のみに留まるのだとしたら、都内の高校に人気が集中することになり、逆に近隣の神奈川・埼玉・千葉の私立進学校がこれまでよりも“お買い得”になるかもしれません。

そこで、これから特に“狙い目”になりそうな私立進学校を、この3県から1校ずつピックアップしてみました。

早慶合格者100名超の“お買い得”校

山手学院高校HP

「山手学院高校」(神奈川県)

神奈川県横浜市に所在する共学の中高一貫校。

中高一貫校ながら高校受験で生徒を広く募集しており、偏差値の高い学生も数多く入学します。

また、中学・高校受験の難易度に対して進学実績がよく、“お買い得”校としても知られています。

特に早稲田大学・慶應義塾大学受験に強く、100名を超える早慶合格者を輩出する年も珍しくありません。2023年は、一橋大5名、東工大5名、横浜国立大17名、早稲田大61名、慶應義塾大62名といった、学区1〜2番手の公立進学校クラスの実績を残しています。

前身が英語塾であることが関係しているのか、建学の精神のひとつに「国際交流」を掲げており、国際的に活躍できる人材を育てることを目標としているのも特徴です。

それゆえ、中学3年生でオーストラリア、高校2年生で北米、とそれぞれ現地でのホームステイを兼ねた修学旅行を実施しています。

公立王国・埼玉の希少な私立実力校

大宮開成高校HP

「大宮開成高校」(埼玉県)

発展を続けるさいたま新都心を望む住宅街に位置する、共学の私立高校。

今、もっとも勢いに乗っている学校のひとつです。

2023年は東大をはじめとする旧帝大に24名、早慶に133名の合格者を輩出しており、公立王国の埼玉県では数少ない私立の実力校です。

入学時の難易度に対して進学実績がいいのは、学校側の手厚い学習サポートによるものだと考えられます。先生と生徒の距離が近く、廊下の共有スペースでは先生がいつでも質問に答えてくれる体制が構築されているそうです。

施設に目を向けてみても、公立校では見られない充実した教育環境が整っています。校地面積はなんと6万㎡で、東京ドームを超える広さを誇り、サッカーコートが2面とれるグラウンドや、14棟の充実した施設も敷地内に揃っています。

内部進学10%程度の“実質”進学校

専修大学松戸高校HP

「専修大学松戸高校」(千葉県)

千葉県松戸市に所在する共学の中高一貫校。「専松(せんまつ)」の愛称で親しまれています。

中学受験での募集人数は約150人ですが、高校受験では約250人を募集しており、高校受験組のほうがマジョリティとなっています。

専修大学の付属校ではあるものの、例年、そのままエスカレーター式で内部進学するのは学年の10%程度。そのほかの90%程度は外部の大学を受験しており、実質的には進学校です。

2023年の大学合格実績に目を向けてみると、東大をはじめとする国公立大に45名、早慶に40名、MARCH(明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学)に267名など、中堅校にしては大変レバレッジの高い進学実績を残しています。

全面人工芝の校庭や3面完備されたテニスコートなど、施設も非常に充実しています。

中学の卒業旅行はアメリカ・ネブラスカ州に2週間赴き、高校でも希望者はアメリカ・ニュージーランド・マレーシア・ベトナムへの海外研修プログラムに参加することが可能です。

“楽”な進学ルートに惑わされる受験生も増えてしまう?

今回の選出基準には、立地や設備などに加え、入学偏差値と進学実績でみた“コスパのよさ”も考慮に入れましたが、いかがでしたでしょうか?

じゅそうけんオススメの3校をぜひ視野に入れていただけたら幸いです。

ただ、今回の改革によって、中下位クラスの私立高校普通科への単願志望者が増え、受験勉強を途中で放棄する事態が発生する懸念もあります(単願だと年内に合格が決まるため)。

専門学科が充実している学校よりも中途半端な普通科が選ばれる傾向が強まりそうなので、長い目で見るとかなり危険な進路選択をする受験生が増えてしまうかもしれません。

これからの時代、手に職をつけた専門的人材が必要とされることは明らかであり、安易に進学するルートはかなり危険だと個人的には思います。

目の前の“楽な進学ルート”に惑わされず、お子さんの将来のキャリアまでしっかり見据えた学校選びをされることを願っています。

文/伊藤滉一郎

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください