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M-1決勝進出・競争率は、史上最難関0.1%! 準決勝の激闘にみた“漫才の競技化”の到達点、“初づくしの決勝戦”で台風の目となるコンビは…

集英社オンライン / 2023年12月11日 17時31分

12月7日、漫才頂上決戦「M-1グランプリ2023」の準決勝が行われた。エントリー組数は史上最多の8540組。そのなかで、準決勝に進出できたのはわずか31組である。エントリー総数の割合にして0.37%。この数字だけでいかに激戦なのかがわかるはずだ。

甲子園出場校3486、M-1出場組8540組

決勝戦進出を決めたのは真空ジェシカ、令和ロマン、ダンビラムーチョ、くらげ、モグライダー、ヤーレンズ、マユリカ、さや香、カベポスターの9組。このうち、決勝経験者は真空ジェシカ、モグライダー、さや香、カベポスターの4組で、残り5組は初進出だ。そして、決勝進出できる最後のひと組は、決勝当日12月24日(日)15時より行われる敗者復活戦で選出される。



2023年の夏の全国高校野球選手権(甲子園)の出場校は全国3486校。一方、M-1グランプリ2023のエントリー組数は8540組で、準決勝に進出したのはわずか31組。戦いの熾烈さを同じものさしで比較はできないが、M-1グランプリで準決勝にたどり着くまでのハードルの高さを感じてほしい。さらに、決勝進出を決めた9組は0.1%の上位層ということになる。

決勝進出者発表会見でも各コンビのボケ合戦が繰り広げられ、決戦前の前哨戦という雰囲気

なお準決勝を戦ったのは、真空ジェシカ(プロダクション人力舎)、フースーヤ、ヘンダーソン、ママタルト(サンミュージックプロダクション)、 ぎょうぶ、オズワルド、豪快キャプテン、バッテリィズ、エバース、令和ロマン、シシガシラ、ダンビラムーチョ、くらげ、ナイチンゲールダンス、ななまがり、モグライダー(マセキ芸能社)、きしたかの(マセキ芸能社)、ヤーレンズ(ケイダッシュステージ)、マユリカ、鬼としみちゃむ、さや香、トム・ブラウン(ケイダッシュステージ)、ダイタク、カベポスター、ロングコートダディ、華山、ドーナツ・ピーナツ、20世紀、ニッポンの社長、スタミナパン(SMA)に、ワイルドカード枠で選出されたダブルヒガシを含めた計31組。※エントリー順、()内は所属事務所、表記なしは吉本興業所属

準決勝進出のラストイヤーコンビは2組のみ

3時間超に及んだ準決勝は、ベストアマチュア賞のナユタが披露した「M-1グランプリ」を題材にしたネタで幕を切った。M-1グランプリの話題で笑いをとる…すなわち、同大会が国民的行事として認知されていることが前提となる漫才だ。M-1における漫才が競技化されているといわれて久しいが、準決勝すべてのネタを見て改めて2023年大会は競技性がいっそう研ぎ澄まされ、その到達点となる年であると確信した。

準決勝でネタを披露したコンビはいずれもスピード感にあふれ、よどみないボケとツッコミの応酬が印象的だった。それでいて既視感のあるネタはあまりない。各組が独自性を磨き、この大会を目標として“賭けてきた”時間の長さが感じられる。1組たりとも会場のボルテージを下げることはなく、タイムオーバーはおろか制限時間間近を知らせるアラームが鳴ることもなかった。

圧倒的なボケ数で観客を一気に引き込んだ真空ジェシカ。3年連続のファイナリストとなった

完璧に息のあった歌ネタを披露したダンビラムーチョ。決勝でも歌ネタを披露すると宣言した

出場組の若返りも見られた。「結成15年以内」という出場資格が設けられているため当然ラストイヤーを迎える組もいるのだが、準決勝に残っていたラストイヤー組はヘンダーソンとななまがりの2組のみ。結成10年以内が19組と過半数以上を占め、ぎょうぶ、豪快キャプテン、令和ロマン、シシガシラ、くらげ、と結成5年以内の組の活躍も目立った。

2021年大会以来の決勝進出を決めたモグライダー。2009年結成のため、来年がラストイヤーとなる

結成5年目の若手コンビ、令和ロマン。松井ケムリ(写真右)は29歳と、決勝進出者の中でもっとも若い

むしろ緊張感があったのは客席のほうだ。M-1グランプリがお笑い芸人の人生を変えることが事実になった今だからこそ、期待とともに不安に似た雰囲気が漂っていた。約800人収容のNEW PIER HALL。舞台中央に屹立するサンパチマイクはどこか神聖で、会場内では写真を撮ろうと観客が長蛇の列を作り、開演直前までそれが途切れることはなかった。

記者会見では緊張を口にしたカベポスターの二人。一方、自分たちなりの漫才ができたと自信をのぞかせた

決勝進出者の中で「ファンの数も衣装の費用も一番少ない」と自虐した、くらげ。結成5年で決勝の舞台にたどり着いた実力派

台風の目となるコンビは…

今年の決勝戦には、いくつかの“初めて”が存在する。まず、同日に行われる敗者復活戦のフォーマットが大きく変更された。従来のフォーマットは、準決勝で敗れた全組が改めてネタを披露し、それに対して視聴者が投票。最多得票の組が復活するというものだった。

しかし今回は、準決勝で敗れた21組が7組ずつA、B、Cの3ブロックに分かれ、各ブロックでタイマン形式で勝者1組を決める(審査は会場の中からランダムで選ばれた500名の観客が行う)。そして各ブロックの勝者3組から、M-1決勝経験者である芸人審査員の投票によって“最強の1組”が選出される仕組みだ。

ともすると“人気投票”とも思われがちだった方式が変更され、より一層苛烈を極める戦いになるだろう。なお、例年屋外で行われていた敗者復活戦だが、今回は屋内で行われることになった(新宿住友ビル三角広場)。これも初のことである。

昨年、一昨年と2年連続で敗者復活戦を経験しているマユリカは初の決勝に臨む

昨年の敗者復活戦を経験したヤーレンズ。一昨年まで5年連続準々決勝敗退など悔しい思いを重ねてきた注目コンビ…今大会の台風の目となるか

また、今年は昨年よりも決勝・初進出組が1組多い。さらに、決勝経験者の中でも最終決戦に進出したことのある組は、さや香だけだ。残り8組が初の“2本目”への挑戦となる。ここにも競技化の確立の影響を感じられる。参加者全体のレベルが跳ね上がったことで、準々決勝、準決勝に強豪がうごめいているわけだ。

2022年大会の決勝の審査員・山田邦子さんが話した「その日一番おもしろかった組を選びたい」という言葉が思い出される。当然のように全組がおもしろい。だからこそ“その日、その瞬間”にフォーカスが当たるのだ。なかでも、昨年の敗者復活戦を経験したヤーレンズに注目したい。一昨年まで5年連続準々決勝敗退など悔しい思いを重ねてきたコンビなだけに、今大会の台風の目となる可能性がある。

昨年は2度目の決勝進出で準優勝となったさや香。今大会も優勝候補と目される

「M-1グランプリ2023」(ABCテレビ・テレビ朝日)の決勝戦は、12月24日(日)18時30分から放送される。また、敗者復活戦は同日15時から放送スタートだ。今年のクリスマスイブは、7時間ぶっとおしで笑いを堪能するM-1グランプリ一色の1日になるに違いない。

取材・文/関口大起 写真/M-1グランプリ事務局

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