【2023漫画記事 8位】「いきなり出くわしたらヒトとは比べものにならない力で殺される」狩りバカが過ぎた一人のクマ撃ち女性の奮闘【漫画あり】
集英社オンライン / 2023年12月24日 11時1分
2023年度(1月~12月)に反響の大きかった漫画記事ベスト10をお届けする。第8位は、漫画『クマ撃ちの女』の作者・安島薮太さんが自身の作品について語った記事だった(初公開日:2023年11月9日)。日本全国でクマの出没が頻発している。今年度のクマによる被害総数は10月末時点で過去最多の180人と、各地でクマへの対策が求められている。そんななか、Webマンガサイト「くらげバンチ」で連載中の『クマ撃ちの女』(新潮社)が話題だ。エゾヒグマの狩猟を描いた同作の漫画家・安島薮太さんに話を聞いた。(全4回の1回目)
2023年度(1月~12月)に反響の大きかった漫画記事ベスト10をお届けする。第8位に選ばれたのは、漫画『クマ撃ちの女』の作者・安島薮太さんに自身の作品について語ってもらった記事だ。(初公開日:2023年11月9日。記事は公開日の状況。ご注意ください)
伝説のクマ撃ちハンターがきっかけのひとつ
――安島先生は、なぜ狩猟をテーマに漫画を描こうと思ったのでしょうか。
実は、最初は釣り漫画を描くつもりでした。でも正直面白いネームが描けなくて(笑)。そんな中で当時の担当編集と打ち合わせに行ったら、急に言葉遊びが始まったんです。釣り、海、漁師…猟師! 山のほうの猟師はどう?と。
――と言っても、ある程度知識や興味がないと難しいテーマですよね。
新人だったので、とりあえず挑戦するしかなかったというのが本音です(笑)。でも生まれが愛知の山奥なので、気づけば地元に残った弟が農家になって狩猟免許を取得していたりして。意外とハンターの存在って身近にあったんですよ。漫画のネタにする発想はなかったけど。
――なるほど。気付かぬところで、先生のルーツが背中を押したのかもしれませんね。
そうかもしれません。あと、ちょうどそのころ久保俊治さんという伝説のクマ撃ちが話題になっていたんです。テレビのドキュメンタリー番組にも取り上げられていたり。だから、まったく興味がなかったというわけでもありません。ちなみに、ハンターの中でもクマ撃ちをテーマにしたのは久保さんの影響が大きいです。
――クマにもいくつか種類があると思いますが、エゾヒグマを中心に置いたのはなぜですか?
それもやはり、久保さんの影響です。僕が描きたかった「リアリティのある現代の冒険活劇」に、クマ撃ちというのはすごくハマると確信しました。これは面白いものが描けそうだと。
――主人公の小坂チアキは女性ですが、実際に女性のハンターさんもいるのでしょうか。
いますよ。数は男性のほうが多いですけどね。女性を主人公にしたのは、男性を主人公にすると僕自身により過ぎてしまうからです。
――第2話では、シカを解体して調理するシーンを描いていますよね。ただ、テーマ的にありそうな“命をいただく”といった仰々しい描写がないのは印象的でした。
僕自身が唯物論的な考え方を持っているからですかね。命をいただくってのは、本当にもう前提の前提、常識の話で、描きたいのはそこから先のこと。取材に協力してくださったハンターさんにも、同じような考え方の人は多いです。
生活の中に当たり前に命のやり取りがあるので、クマがいて悪さをしている、じゃあ撃つよね、撃ったら食べるよね、とすごくシンプルです。リアリティを描きたいという考え方に則ると、それを無視してまで“ありそう”なことは描けません。描きたくないですしね。
【漫画】「クマ撃ちの女」第1・2話を読む(漫画を読むをクリック)
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/11/02043517617729/800/1-1.jpg)
取材・文/鳥山徳斗
『クマ撃ちの女』(新潮社)
安島薮太
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/10/30093019191724/400/syoei.jpg)
2019年7月9日
704円(税込)
192ページ
978-4107721952
小坂チアキ、職業・兼業猟師。
彼女が狙うのは、“日本最強生物"エゾヒグマ――! !
北海道を舞台に描かれる、命がけの狩猟劇! !
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