大きな声で言えないのだけれど、クリスマスが苦手だ。その始まりは幼い頃に遡る。私は生まれて半年後からひどいアトピー性皮膚炎を患っていて、乳製品、肉類、甘いお菓子などを食べると湿疹が出てしまっていた。食べることが大好きで食い意地が張っていた私にとって、食べたいものを食べられないことは本当に悲しいことだった。
今でも目に焼き付いているのは、クリスマスシーズンにテレビをつけるとケンタッキーフライドチキンのCMが流れていて、子どもたちがおいしそうに鶏肉を頬張る姿。テレビに手を突っ込みたくなるくらい食べてみたいのに、私はこれを食べたら湿疹が出るのか…という切なさが胸いっぱいに広がった。いわずもがな、乳製品と砂糖たっぷりのクリスマスケーキも食べられない。食べられないものだらけのクリスマスは、食いしん坊の私にとってとっとと過ぎ去ってほしい期間になった。
大人になってからもその気持ちはあまり変わらず、クリスマスムードに対して疎外感を覚える。私はなぜこんなにもクリスマスが苦手なんだろう? と不思議に思う。そんなもやもやする気持ちを照らしてくれた2冊の本をご紹介したい。
1冊目は星野概念さんの『こころをそのまま感じられたら』だ。