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実の母が父を射殺するという悲劇を生き抜いてきたシャーリーズ・セロン「カラオケでABBAを歌ってマイクを離さなかった」戸田奈津子が見た意外な素顔

集英社オンライン / 2023年12月30日 17時0分

「やっぱり彼の一本となるとタイタニックなのよね」アイドルイメージから脱却、悪役も演じたディカプリオの、社会現象となった出世作〉から続く

字幕翻訳の第一人者・戸田奈津子さんは、学生時代から熱心に劇場通いをしてきた生粋の映画好き。彼女が愛してきたスターや監督の見るべき1本を、長場雄さんの作品付きで紹介する。

芯の強い俳優

シャーリーズ・セロンの来日時には何度か通訳を担当して、一緒にカラオケも行きました。彼女、ABBAなんかを歌ってマイクを離さなかった!(笑) そのときはお母さんも一緒に来日していましたが、本当に仲がいい母娘でした。シャーリーズがまだ幼いころ、想像を絶する悲劇を体験したのは有名な話(酔って暴れた夫から娘のシャーリーズを守るため、母が父を射殺した事件)。



凄惨な過去を持ちつつも、シャーリーズはそんなことを微塵も感じさせないくらい、素顔は明るくて朗らかで、本当に飾り気のないいい人。裏返せば、とても芯の強い女性だということです。

美人女優として知られていますが、13キロ体重を増やして実在の殺人犯を演じた『モンスター』(2003)には本当に驚きました。ああいう汚れ役を演じる勇気のある女優さんです。

続いての代表作といえば『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)! 強くてかっこいフュリオサ役は本当に迫力がありました。派手なアクション映画ではあるけど、しっかりと人物が描かれているが魅力。さすが実力派のプロ、ジョージ・ミラー監督の作品でした。

『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)Mad Max:Fury Road 上映時間:2時間/オーストラリア

舞台は石油も水も尽きかけ、荒廃した世界。愛する家族を奪われ、本能だけで生きながらえている元警官マックス(トム・ハーディ)は、資源を独占し、恐怖と暴力で民衆を支配するジョーの軍団に捕らわれる。

そんな中、ジョーの右腕だった女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)が反旗を翻し、奴隷として捕らわれた美女たちを引き連れて自由への逃走を開始する。美術賞や衣装デザイン賞など、アカデミー賞で6部門を受賞したバイオレンスアクション。

シャーリーズ・セロン

1975年8月7日生まれ、南アフリカ出身。『2days トゥー・デイズ』(1996)で映画デビュー。『モンスター』(2003)で実在の連続殺人犯を演じ、アカデミー主演女優賞を受賞。

主な出演作は『サイダーハウス・ルール』(1999)『ライフ・イズ・コメディ!ピーター・セラーズの愛し方』(2004)『スタンドアップ』(2005)『イーオン・フラックス』(2005)『ハンコック』(2008)『あの日、欲望の大地で』(2008)『ヤング≒アダルト』(2011)『プロメテウス』(2012)『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015)『ワイルド・スピード』シリーズ、『スキャンダル』(2019)など。

語り/戸田奈津子 アートワーク/長場雄 文/松山梢

1982年の衝撃作『ブレードランナー』 戸田奈津子が86歳、リドリー・スコット監督の映像センスを垣間みた忘れられないインタビュー秘話〉へ続く

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