よく食べこぼす、最近あまり食べ物の味がしない、滑舌が悪くなった…思い当たる人は「口だけ老人」になっている? 健康を損ねる可能性もある「口の老化」とは
集英社オンライン / 2024年1月7日 9時1分
最近どうも滑舌が悪い、食べていると疲れる、食べこぼしが多いのは、口の老化が始まっているのかもしれない。口の老化のチェックの仕方について、照山裕子氏著、監修來村昌紀氏の『食事でムセる かみ切れない 口臭が気になる人のための口の強化書』(アスコム)より一部抜粋・再構成してお届けする。
あなたの口、老化していませんか?
「最近足腰が弱ってきた……」「人の名前を覚えられなくなった。脳が衰えたかな……」
このような趣旨の話を耳にしたり、ご自身で実感されたりする人は、意外と多いのではないでしょうか。
でも、「最近、口が弱ってきた(衰えてきた)」という言葉はあまり聞きませんよね?
ただ、気づきにくいだけで、口だって年齢とともに老化していきます。
加齢によって、心身の機能が老化して弱っていくことを「フレイル(虚弱)」といいます。
年をとって体力が低下する、足腰が弱くなっている、そういった体の変化のことです。
その最大の要因は、筋肉が落ちていくことが挙げられます。
筋肉が落ちると、動かなくなり、エネルギー消費量も減り、動かないからおなかも減らないので食べられずに、十分な栄養が摂取できないという悪循環に陥ってしまいます。
関係ないようにみえて、筋肉の低下は「口の老化」が大きくかかわっています。
口が衰え、「噛む力」や舌の動きが悪くなると、はじめにの冒頭でも述べたように、食べるのを避けるようになるなどして、栄養摂取の面で支障をきたします。
加えて、滑舌が悪くなり、人との交流を避けるようになります。
その結果、家に閉じこもりがちな生活をおくるようになり、筋肉(力)の低下につながり、さらに外に出なくなることで、生きがいまでも失ってしまうという負の連鎖を招く可能性があるのです。
驚くことに、体のなかでもっとも老化が早いのが口だといわれています。
「口の老化」のことを「オーラルフレイル」というのですが、公益社団法人日本歯科医師会「歯科診療所におけるオーラルフレイル対応マニュアル2019年版」によると、オーラルフレイルの人が2年以内に身体的フレイルを発症する確率は、約2.4倍だとあります。
ですから、足腰が弱った、衰えたと感じる人は、すでに、口が衰えている可能性があるのです。口の衰えからくる症状のひとつである「食事でムセる、かみ切れない、口臭が気になる」ほかにも、
・よく食べこぼす
・食事をしていると疲れる
・最近あまり食べ物の味がしない
・滑舌が悪くなった
といった症状がある人は、特に注意が必要です。
たとえ年齢が若くても、「口だけ老人」になっている可能性があるからです。「口の老化」によって衰えるのが、「噛む力」です。
そこで、「口の老化」を測るためにも、いまの自分の「噛む力」を簡単にチェックしてみましょう。
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グミを飲み込むまでの回数で分かる噛む力の衰え
好きなグミをひと粒口に入れて飲み込むまでに、何回噛んでいますか?
いかがでしょうか?「20回ほどかな」という人もいれば、「いや、40回は噛んでいるよ」という人もいるでしょう。もしかしたら、10回ほど噛んだら、もう飲み込んでいる人もいるかもしれません。
グミのかたさにもよりますが、平均的には、ひと粒につき30回ほど噛んでいるとされています。
この数字から、もしあなたがグミひと粒につき30回より少ない回数で噛んで飲み込んでいれば、それは「あまり噛むことができていない」というひとつの目安になります。
自分が食べたり飲み込んだりする早さは、ふだんあまり意識しないものです。
そのため、自分ではなかなか気づきにくいのですが、グミをひと粒噛むのが30回以下の人は、ふだんの食事も十分に噛まないまま飲み込んでしまっているかもしれません。
そうして、知らないうちに体に負担をかけている可能性が高いといえます。
歩かなければ足腰の筋力が落ちてしまうのと同じです。
よく噛んでいないということは、あまり口の筋肉を動かしていないわけです。
それは、口の筋力が衰えてしまうことにつながります。
つまり、グミをひと粒30回よりも少なく噛んでいる人は、「噛む力が弱っている可能性が高い」といえるのです。
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照山裕子
監修/來村昌紀
『食事でムセる かみ切れない 口臭が気になる人のための口の強化書』(アスコム)
照山 裕子 (著), 來村 昌紀 (監修)
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2023/12/25054332824281/400/4535_001.jpg)
2023/5/27
1,430円
単行本: 192ページ
4776212609
ほとんどの栄養は、口から体に入っていきます。口が老いるとその栄養がうまく取れなくなり、全身の衰えへとつながっていきます。
「すべての老化は、口からはじまる」といわれているのは、そのためです。
口が衰えているかどうか、それはいつまでも若々しく健康な人生を過ごせるかどうかを決める、重要な分かれ道なのです。
だからこそ、試してもらいたいのが、本書で提案する1日2回の「かみかみリズム体操」。
みんなが大好きな、ある食べ物を使ったカンタン体操!楽しく、おいしく、口の老化を予防できます。考案したのは、『毒出しうがい』がベストセラーとなった歯学博士の照山裕子先生。口の老化を防ぐだけでなく、ストレス解消、やる気もアップ!心の若返りも期待できる方法です。
食事中によくムセる、肉やゴボウなどの繊維質の野菜がかみ切れない、口臭が気になる食欲がわかない、食べているとなんだか疲れる、胃もたれする、口が乾く、滑舌が悪くなった という口の衰えを実感している人はもちろんのこと、いつまでも健康で元気に暮らしたいという人はぜひ試してみてください!
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