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Netflix大ヒットドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』 ーー今からだって余裕で間に合う超「魅力」解説!!

集英社オンライン / 2022年5月30日 17時1分

今や、全世界待望となったNetflixドラマシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン4(Vol.1)が、5月27日(金)にいよいよ配信スタート。だが、まだ本シリーズをご覧になったことがないという方、シーズン途中で一旦離れてしまったという方のために今からでも余裕で追いつける本シリーズの魅力について、しっかり解説しよう!

1983年のアメリカ合衆国・インディアナ州にある架空の街「ホーキンス」。
なにやら怪しげな研究施設のあるこの街の森で、ある日12歳のウィル・バイヤーズ(ノア・シュナップ)が突如失踪する。
ウィルの母ジョイス(ウィノナ・ライダー)、兄のジョナサン(チャーリー・ヒートン)、ホーキンス警察署長のジム・ホッパー(デヴィッド・ハーバー)、そしてウィルの友達マイク(フィン・ウルフハード)、ダスティン(ガテン・マタラッツォ)、ルーカス(カレブ・マクラフリン)らは、ウィルの行方を探すうちに奇妙な出来事「ストレンジャー・シングス」に遭遇。


その一方で、剃髪した謎の少女「イレブン」(ミリー・ボビー・ブラウン)と出会うことになるのだが…。

ウィルを必死で探す母ジョイスのもとに謎の電話がかかってくる…

ぶっちゃけ、この冒頭だけでご興味を持たれたという貴方は、今すぐNetflixのアプリケーションを開いた方が話が早い。間違いなくハマれること請け合いである。

「これから見る」「興味はあったけれど未見」という方のことが、ものすごく羨ましい…! 「シーズン4まで進んでしまった今から入るのはちょっと重い…」と鑑賞をためらっているそこのアナタ! アナタですよ!! ここから先は、そんなアナタにこそ読んでいただきたいのだ。

観始めたらもう止まらない! キング的「物語」としての魅力

スティーブン・キング原作、田舎町の少年たちのひと夏の冒険物語の名作『スタンド・バイ・ミー』(1986)

『スタンド・バイ・ミー』と非常によく似た構造をもつ『ストレンジャー・シングス』

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のストーリーを簡単に解説すると、アメリカの架空の田舎町に住む人々が超自然的な現象に巻き込まれ、4人の少年たちが中心となってその脅威に立ち向かっていくアドベンチャー。けれど、本シリーズをひとつのジャンルで括ることには非常に無理がある。ゾクゾクさせるホラーでもあり、陰謀渦巻くスリラーであり、超科学が錯綜するSFであり、前述のアドベンチャーであり……さらにラブストーリーとしての側面すら持っているからである。

この、ジャンルを飛び越えてくり広げられる物語形式の大家と言えば…映画化作品であれば『キャリー』(1976)『シャイニング』(1980)『ペット・セマタリー』(1989)『ミザリー』(1990)…近年では『ミスト』(2007)や『IT/“それ”が見えたら終わり。』(2017)『ドクター・スリープ』(2019)などなど、数多くの作品で、観客を恐怖のどん底に叩き落とす「モダンホラーの帝王」として君臨し続けるスティーヴン・キング。「え! ホラーの帝王? それじゃあ見られそうにないわ…」と敬遠気味なアナタも、例えば『スタンド・バイ・ミー』(1986)や『ショーシャンクの空に』(1994)『グリーンマイル』(1999)ならば鑑賞されたことがあるのではないだろうか? 超ド級のホラーから、少年たちのひと夏の冒険、無実の罪で投獄された男の脱獄劇、不思議な力を持つ大男の死刑囚と看守たちの交流といったヒューマン・ストーリーまで…これらを巧みに描き分けたキング的「物語」を一気に封じ込めたような魅力が、本シリーズにはギッシリとつまっているのだ。

少年少女が活躍する「ジュブナイル」ものとしての魅力

少年たちの絆と成長も、この物語の大きな魅力

本シリーズの中核を担う存在は、失踪した少年ウィルの友達、マイク、ダスティン、ルーカス。彼らはホーキンス中学校で無線クラブに通う12歳の少年たち。TRPG(テーブル・トーク・ロール・プレイング・ゲーム)「ダンジョンズ&ドラゴンズ」に夢中な彼らは、校内でもいわゆる「イケてない」側にいるのだが、彼らの子供ならではの想像力や行動力こそが、本シリーズでは重要な鍵を握っている。アナタがもしもまだティーンエイジャーで、彼らに少しでも共感するところがあったなら、本シリーズは少年たちがとんでもない事態に次々遭遇しながらも、固い友情で突破していく冒険活劇として、存分に楽しめるはず。このあたり、キングの作品でいえば、『スタンド・バイ・ミー』に該当する。たとえばゲーム『MOTHER』(1989)※の世界観が好きだ、というアナタならば間違いない。

※『MOTHER』
1989年に発売された任天堂のファミリーコンピュータ用ゲームソフト。ジャンルはRPG。
時代は1988年アメリカ。田舎町「マザーズデイ」が、突如怪現象に襲われる。不思議な力を得た「ぼく」は、この現象の謎を探るため冒険に旅立つ。

多感なティーンエイジャーを描いた青春モノとしての魅力

ウィルの兄ジョナサンとマイクの姉ナンシー。2人の関係性の変化にもドキドキ!!

失踪してしまうウィルを捜索する兄・ジョナサンは16歳。やや内向的だが、写真と音楽を愛するこの優しい兄は、父母の離婚以来、ウィルにとっての父親がわりで、人生のロールモデルとなった。ジョナサンが事件をきっかけに急接近することになるのが、マイクの姉・ナンシー(ナタリア・ダイヤー)。ナンシーは、一見すると恋に恋する16歳の少女だが、その内面には、両親の関係性に対する憂いがあり、完璧な結婚生活を夢見ている。そんな彼女が付き合っているのが、学校で「イケてる側」にいるスティーブ(ジョー・キーリー)。学校内の女子を取っ替え引っ替え…な、いわゆるモテ男だが、彼は母と離婚し離れて暮らす父親との関係に密かに悩む側面を持つ。少年たちよりも少しだけ大人な、お兄さんお姉さん世代は皆、完璧とはいえない家庭環境に対するコンプレックスを抱えながら、ウィルの捜索と自身の恋愛との間で揺れることとなるのだ。アナタがもしもティーンを対象とした青春ものがお好みであれば、ジョナサンやナンシーの関係にヤキモキしながら、スティーブの意外な一面をも目撃することになるだろう。

また少年たちの間にも、ひとりの女子が加わることになる。それが“イレブン”だ。ウィル捜索に奔走する彼らが、森の中で遭遇する、剃髪された謎の少女…しかも彼女の存在は、事件に関わるとんでもない秘密が隠されているのだが、それと同じくらい彼らにとって大きなできごとは、「男子グループの中に女子が入ってきてしまうこと」だったりする…いや、コレがボンクラ男子たちにとっては、結構な波紋を呼ぶ重大事件なのだ。

大人たちの側面から観る失踪事件と「親心」を描いた物語としての魅力

ウィルの母ジョイスを演じるのは、『シザー・ハンズ』のウィノナ・ライダー!!

大人たちもまた「未知の世界」に放り込まれる。中でも重要な存在がふたり。ひとり目は、ウィルの母・ジョイス。数年前に夫と離婚し、以来息子ふたりを女手ひとつで育て上げるため雑貨店で長時間働く彼女は、失踪したウィルを必死に探し始める。ウィルから(と思われる)謎の電話を受けてからの彼女の行動は、よそから見れば常軌を逸しているのだが、子を想う母の立場からすれば当然のことである。
時は1983年。ジョン・ゲイシー事件※が「ピエロ」を恐怖の対象に変えてから、それほどの時は経過しておらず、いくら平和そのものに見える田舎町とはいえ、息子が帰宅していないとなれば、事件性を疑わずにはいられないだろう。

そしてもうひとりがジム・ホッパー。ジョイスとは高校時代の同級生。大きな街で警察官となったが、ひとり娘を病で亡くし、以来離婚してホーキンスに帰郷し、警察署長となった彼は、大きな喪失感を抱えながら暮らすコワモテで孤独な男だ。街と比較すると、ホーキンスでは「事件」と呼べるような代物はほとんどない。そんな彼の人生が一変する「大事件」に巻き込まれていく。

本シリーズの素晴らしさは、単なるティーンのためのジュブナイルものにとどまらない側面からも、物語を描いている点にある。ありがちな「大人不在の世界」ではなく、「成熟しきっていない大人」の立場からも、物語を描いている。
ちなみに、往年のアイドル女優ウィノナが演じるジョイスには後に交際相手が登場することになるのだが、演じているのはなんとショーン・アスティン!! 『グーニーズ』(1985)の主人公・マイキーであり、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ3部作(2001~2003)のサムだ。こんなビッグ・サプライズも本作の魅力である。

シーズン2に登場し、ジョイスと恋仲になるボブを演じるのはあのショーン・アスティン

『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』(2003)
ショーン・アスティンはホビット族で、主人公フロドに仕える庭師のサムを演じた (写真左)

『グーニーズ』(1985)
主人公マイキーを演じたショーン・アスティン(右)

※ジョン・ゲイシー事件
ジョン・ウェイン・ゲイシーは、1972年~1978年の6年間で、33人もの青少年を惨殺。1994年5月9日に死刑が執行された。彼の表の顔は、社会的に成功を収め、地域活動にも熱心なビジネスマンであり、子どもを楽しませるためにピエロの仮装をすることもあった。その二面性から「殺人ピエロ(キラー・クラウン)」と恐れられ、『IT』に登場する「ペニーワイズ」をはじめとする多くのホラーキャラクターのモデルになったと言われている。(Vol.02につづく)

写真/AFLO

編集協力・キャラメル・ママ(渡邉ホマレ)

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