デヴィッド・ボウイが初めて日本の地を踏んだのは、1973年4月5日のことだった。
前年にリリースしたアルバム『ジギー・スターダスト』は、全英チャート5位にまで登りつめてイギリスでの人気を不動のものにした。
コンセプチュアルなアルバムの内容は、架空のロック・スター、ジギーの栄枯盛衰を描くというもの。ボウイはツアーで自らジギーに扮してステージに上がり、多くの若者が感化されてそのファッションを真似した。
幼少期から日本の文化に強い興味を抱いて、芸術やファッションから強い影響を受けてきたボウイにとって、日本へ行くことは長年抱いてきた夢だった。