――『バイオーム』のオファーを受けた率直な感想は?
最初に朗読劇と聞いて台本を読ませていただいたんです。上田(久美子)先生がお書きになった物語はものすごくて、「本当にこれ、朗読なの……?」っていう感じ。まだ稽古が始まっていないので、どうなるのか僕にも想像がつかないです。朗読劇は一度経験したことがあるのですが、それは無観客で収録したもの(『劇場の灯を消すな! Bunkamuraシアターコクーン編 松尾スズキプレゼンツ アクリル演劇祭』で、井上ひさしの『十二人の手紙』より『泥と雪』を朗読した)。大竹しのぶさんと手紙のやり取りを朗読する内容で、稽古も場当たりで一度読んだくらいでした。その時は瞬間的に出る感情を表現する楽しさがありましたが、今回は本当にどうなるか……。
――スペクタクルリーディングという名前がついていますが。
まだ何がスペクタクルなのかわからないのですが、演出の一色(隆司)さんのお話をお聞きすると、カーテンに映像を映したり、舞台機構も使うそう。朗読劇に馴染みがない方も楽しめるような、摩訶不思議な舞台になりそうです。
――声だけで表現する難しさは?
やっぱり体と共に表現するものよりも、声だけで情報を伝えなければいけないので、その部分はしっかり意識しながら演じなければと思います。ただ、このメンバー(花總まり、古川雄大、野添義弘、安藤聖、成河、麻実れい)が揃っていて体を使わないのはもったいないとも感じるので、そこは見てからのお楽しみになるかと思います。「朗読劇だと思って行ったら、すごいものを見た!」みたいになればいいですね。