月額制のサブスクリプション・サービス(以下、サブスク)は、音楽・アニメ・ドラマ・映画・スポーツなど多岐にわたって私たちの暮らしを彩っている。だがサブスクの存在が大きくなるにつれて、利用者を悩ませる問題になってきているのが「やめにくさ」だ。
筆者はアップルユーザーのため、iPhone以外のスマホの仕様は把握していないが、アップルのアカウントに紐付けたサブスクリプションならば、スマホの設定アプリ内で簡単にやめることができる。
しかしそうでない場合、“やめさせない迷路”に迷い込まされることが確実に増えている。退会希望のページやクリック箇所が見つけにくかったり、わざと小さく隠されていたりする。それどころか「退会」という項目が設置されているほうがまれだ。
また、なんとか退会フォームにたどりついても、退会理由の選択をしないと先に進めなくなっていたり、ホームページだけでは手続きできず、電話やチャットを強制されたりもする。
電話では応対まで長く待たされ、あるいはナビダイヤルに従ってもオペレーターに繋がらない。やっと繋がって「やめたい」と申し出ても、「特別」と称する割引プランを提示されながら、のらりくらりと引き止められる。長々と続く電話の料金が自己負担になることも少なくない。
利用者がきっちりやめるためには、たらい回しや割引プラン提示などで揺らがない、意思の強さや根気強さが必要になる…というのは、異常な状態だ。