音楽系の専門学校在学中に路上ライブで音楽活動を開始。1200組が出場した関西のストリートミュージシャン向けのコンテストでグランプリを受賞するなど、アマチュア時代から注目を集めていた植村さんは2005年、22歳でメジャーデビューを果たす。しかし、ヒット作に恵まれることなく月日だけが流れていた。
「次のアルバムが売れなかったら契約切れ」
そんな崖っぷちの状態でリリースされたのが、『トイレの神様』が収録されたミニアルバム『わたしのかけらたち』だった。
「私的にはたとえ契約が切れても、バイトしながら歌を続けるつもりでした。でも、メジャー最後の1枚として、それまで作っていた夢や恋愛の歌ではなく、私にしか作れない歌を作ろうと考えました。
複雑な家庭環境で育った私は祖母と暮らした日々に大きな影響を受けていたので、その経験を歌にしようと……」