あるX(旧Twitter)ユーザーがTOEICで高得点を取るための勉強方法について解説したポストが、1.3万以上の“いいね”を獲得して話題になっていた。そのなかに英単語を「大量に書いて覚えるやり方は効率が悪すぎます」という興味深い一文も。
授業時間に書かされる、宿題でノートに書き取る、試験対策でなんとなく繰り返し書く――といった方法で、英単語の書き取りを学生時代に経験した人は多いことだろう。
なかには「単語を書き取るだけで意味はあるの?」と首をかしげたり、それこそ効率が悪いと思ったりする人がいてもおかしくはない。とはいえ、英単語を書いて覚えるという勉強方法自体は、いまだに学校教育に残っている。
森博英氏は学術的な根拠はないと前置きしたうえで、この信仰が誕生した背景について次のように考察する。
「学校の筆記テストの影響が大きいのではないでしょうか。中高の筆記テストでは、英単語の書き取りはもちろん、英作文や英会話の穴埋め、和訳、英訳問題が課せられることが多い。
TOEICの筆記試験や大学共通テストの試験はマーク式ですが、学校の英語試験では記述式のテストが多数を占めています。ですからテストをこなすために、『単語を書いて覚えるのは当たり前』という考え方が根付いたと考えられます」(森氏、以下同)