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【令和の成人式の変遷】 “成人式”発祥の地・埼玉県蕨市では参加率が上昇傾向…新成人たちの関心があるニュース第1位とは?

集英社オンライン / 2024年1月9日 8時1分

今年は1月8日が「成人の日」となり、日本各地で記念行事が実施された。2024年の「二十歳の集い」はどうだったのか。“成人式”発祥の地である埼玉県蕨市の様子と合わせて、参加世代の関心ごとや、近年の傾向などをお届けする。

2024年に20歳になる世代の特徴

まず前提をおさらいしておくと、2022年4月1日に「民法の一部を改正する法律」が施行されたことで、民法が定める成年年齢が18歳に引き下げられた。

一方で成人式の対象になる年齢は、多くの自治体で20歳のままとなっている。この背景には18歳が進学・就職を控えているタイミングであり、飲酒や喫煙が認められる年齢も20歳のままであることが関係している。



こうした事情を反映し、ここ数年では「成人式」や「新成人のつどい」といった呼び方ではなく、「二十歳の集い(はたちのつどい)」や「二十歳を祝う会」「二十歳の輝き式典」のような名称を使うことが一般的となっている。

さて、2024年1月の二十歳の集い(旧成人式)の対象になるのは、2003年(平成15年)4月2日~2004年(平成16年)4月1日に生まれた方々。この世代は、どんなことに関心を持っているのだろうか。

株式会社マクロミルが2024年1月5日に公開したインターネット調査の結果(対象者500名)によると、本世代の関心ごとや利用しているサービスの特徴には、以下のようなトピックがあることがわかっている。

■2024年のトピックス

1. 関心がある政治・経済・社会のニュース、第1位は「少子化対策」43.0%で年々増加
2. 「ワーキングホリデー」への関心が急上昇、一方で「海外旅行」は低下。円安が影響か
3. 配信動画がさらに人気上昇。利用率は「YouTube」が85.4%で圧倒的、「TikTok」は53.0%で、4年で4.3倍に。新登場SNSの「BeReal」「Threads」が、「Facebook」を超える
4. ニュースソースとして”信頼できる情報源”の第1位は「テレビ」で54.4%、根強い支持
5. 「AI」に“期待”が57.0%、一方で「AIが、自分の仕事を奪う」と“懸念”も51.8%
6. 新成人の価値観、第1位は「自分らしさを大切にする」で半数超、「Z世代とまとめられる風潮」には肯定・否定ともに約3割で意見が分かれる
7. 就きたい職業の第1位は「会社員」、上位に「クリエーター(ゲームやデザイン、音楽)」、「起業家」がランクイン
8. 活躍を期待する2024年新成人ランキング 1位は「張本智和(卓球選手)」、2位「ラウール(Snow Man)」、3位「鍵山優真(フィギュアスケート選手)」

(引用:「【1/8 成人の日】 新成人500名に調査(マクロミル調べ)「Z世代とまとめられる風潮」には肯定・否定ともに約3割/「ワーホリ」への関心が急上昇」)

上記でも挙げられているとおり、新成人たちが関心を持つ政治・経済・社会のニュースとしては、「少子化対策」が年々上昇しており、2024年は43.0%でトップに。また自身の価値観としては、「自分らしさ(他者は他者、自分は自分)を大切にする」が51.0%で、それ以降は「仕事よりプライベートを重視する」(42.8%)、「推し活にお金をかける」(32.8%)、「多様性を重んじる」(31.2%)が続いている。

関心がある政治・経済・社会のニュース(出典:マクロミル調べ)

新成人の価値観(出典:マクロミル調べ)

“成人式”の出席率は、近年上昇傾向

次に、ここ数年で「二十歳の集い(旧成人式)」の出席率はどのように変化してきたのだろうか。

まず、ゼネラルリサーチが2019年に20〜50代の男女1507人を対象に行った「成人式に関する意識調査」では、「成人式に出席した」という回答は全体の「63%」を占めたとされている。またこのデータを当時の20代に限定した場合、その比率は「74.8%」に上り、30〜50代よりも高い参加率になっていることがわかる。

一方で直近1〜2年のデータを見ると、たとえば2022年1月7日にLINEが発表した報告によると、LINEアンケートモニターの中で1万744名を対象にした調査として、2022年の成人式の参加予定率が「55%」だったと記されている。

さらにOurPhotoが2023年12月に行ったインターネット調査「成人式最新実態調査2023」(対象者416名)によると、「成人式を迎えるにあたって実施したイベント」において「地元の式典への参加」と回答した新成人は「50%」に留まったとされている。

成人式を迎えるにあたって実施したイベント(出典:OurPhoto「成人式最新実態調査2023」)

もちろん、それぞれ別個の調査であり、リサーチ手法による差も影響している可能性は大いにあるので、具体的な増減の幅を追うことは意味がないだろう。一方で、コロナ禍で一度参加意欲が減退し、その後2022年から出席意欲が回復したという傾向はあっても不思議ではない。

そこで、特定の自治体に焦点を当て、ここ数年での参加率の変化を確認してみよう。せっかくなので、成人式発祥の地・埼玉県蕨(わらび)市に聞いてみた。

成人式発祥の地・蕨市「参加率は上昇傾向」

“成人式”の発祥は、終戦の翌年である1946年(昭和21年)に現在の埼玉県蕨市にて開催された「青年祭」において、その幕開けとして行われた「成年式(せいねんしき)」だとされている。

全国に先駆けて行われたこの催しに対し、国や他県が関心を集め、1948年(昭和23年)に国民の祝日として「成人の日」が制定。以降、全国各地で新成人を祝う式典が行われるようになったそうだ。なお、蕨市では現在においても「成年式」の名称がそのまま使われている。

成年式の会場である蕨市民会館

市制施行20周年と成人の日制定30周年を記念して建立された「成年式発祥の地記念像」

蕨市教育委員会の担当者に昨今の式典参加率について聞いてみると、「2020年の第74回は52.7%、2021年の第75回は41.0%(コロナ禍のため10月開催)、2022年の第76回は62.7%、2023年の第77回は66.7%と、近年の参加率は上昇傾向にあります」と回答。なお、2024年1月8日に開催された第78回は参加者395名(対象者660名)で出席率59.8%となったものの、地元の新成人が集まり大きな賑わいを見せていた。

そもそも、2021年にはコロナ禍の影響で成人式が取りやめになった地域もあった。2022年以降の出席率が伸びた背景としては、こうしたコロナ禍で抑圧された環境が緩和されたことに加え、成人年齢引き下げというトピックが間近に迫ったことによる話題性の上昇などがあったのかもしれない。

2024年1月8日に行われた第78回蕨市成年式の様子

最後に式典に参加した蕨市の新成人に話を聞いてみると、「コロナ禍で学生生活に制限があったので、こうして皆で参加できてうれしい」「自立したつもりでいたけど、親が着付けを手伝ってくれて、改めて感謝の気持ちが湧いた」「蕨市は成年式発祥の地なので、ずっと参加したいと思っていた」といった声をはじめ、「久しぶりに地元の友だちと集まれてうれしい」「最初は迷ったけど、友人が行くと言ったので参加した」と、旧友との再会を喜ぶ声が多く聞こえてきた。

文/井上晃

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