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「日本は…絶望ですね」新成人が日本の政治経済に思うこと…「たぶん選挙には行かない」「物価上昇でコンビニでお菓子を買うのも躊躇する」「適度な政権交代は起きたほうがいい」

集英社オンライン / 2024年1月9日 14時1分

1月8日、全国各地で成人式が行われた。2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられたとはいえ、20歳を節目とする風潮は根強い。とりわけ、今年度20歳になる若者は、コロナ禍や物価上昇などさまざまな困難に直面し、“行政に振り回されている世代”といえる。そのぶん、政治経済への関心が高そうなイメージを受けるが、実際のところはどうなのか。東京・国分寺市の成人式で新成人たちに日本の展望について聞いた。(※国分寺市の成人の日の式典は今年度20歳になる人のみが対象)

物価上昇で苦しむ友達を見て

まず日本の経済状況についてどのように見ているのか。動物ケア関係の専門学校に通い、4月から就職するという女性は「ちょっと暗いですね」と回答。



「数年前から物価が上昇しているため、以前ほど気軽にコンビニでお菓子を買うとか、何かを消費することに躊躇するようになりました。また、周囲には奨学金を借りて学校に通っている人も結構いますが、物価上昇の影響によって、これまで以上に生活が大変そうにしている姿を見ると胸が苦しくなります」

自分自身だけではなく周囲の人も経済的な不安を感じている状況を口にして、「国民に寄り添う政治を期待しています」と続けた。

国分寺市の成人式「二十彩の集い」


物価上昇に不安を抱える若者は多い。都内の大学に通って教育分野を学んでいるという女性は「賃金が上がるペースよりも早く物価が上がっているため、やはり生活は苦しいです。私は学生をやりながらアルバイトをしていますが、私の世代ですでに働いている人は多いです。
こうした経済状況を考えると、すでに就職している人が豊かな生活を送れているのかが心配にもなるし、私自身も将来について不安になります」と実質賃金が上がっていない状況を不安視する。

経済的に不安定な現状を脱するために岸田内閣に望むことを聞くと、「政府が使っているお金を減らしてもいいのではないでしょうか。例えば、国会議員の給料を減らしたり、もしくはそもそもの数を減らしたりなど。その浮いた分を適切な政策に回してくれると生活は多少楽になると思います」と提案した。

適度な政権交代が必要

日本経済を「日本は…絶望ですね」と悲観視する、小売業で働く男性も賃上げについて言及する。

「私は現在働いているのですが、女性や障害者などに平等に賃金が支払われていない現状に違和感を覚えます。マジョリティでもマイノリティでもお金が適切に行き届いて生きていけるようにしてほしいです。

最近の岸田首相がお金に関して対応していることといえば、自民党内で起きた裏金問題ばかり。私たちの税金から給料をもらっているのだから、国民のほうをしっかり向いて、ちゃんと経済的に豊かになるように働いてほしいです」

写真/Shutterstock

自民党議員の裏金問題が物議をかもしているが、神奈川県の大学に通う男性も、そのことを問題視している。

「私自身、自民党が好きとか嫌いとかはありません。ただ、年末にかけて自民党議員の裏金疑惑がニュースで度々報じられていましたが、自民党に長らく権力が集中したことで起きたトラブルのように思います。適度な政権交代が起きることにより、権力の偏りも分散されてクリーンな政治ができるのではないでしょうか」

たぶん選挙には行かない

政府に対する思い思いの要望や不満を口にする若者が少なくない中、関心を持たない人もいる。都内の理系の大学に通っている男性は「政治には特に何も期待していません」とキッパリ。

政治をある意味“見限った”要因として、「国会答弁をニュース番組などで見ると、『その議論は私たちの生活を豊かにすることに直結するのかな?』『もっと話すべき議題があるのでは?』と疑問を覚えることは少なくなかったです。加えて、居眠りしている議員も珍しくなく、期待しようとは思えなくなりました」と説明。

ちなみに、来年には衆議院選挙が控えているが、「たぶん(選挙には)行かないと思います。各候補者や各政党もいろいろ政策やらマニフェストを掲げていますが、基本的には高齢者に向けたものが多いという印象です。もちろん、若者に向けた政策を打ち出している人もいるとは思いますが、『どういう政策を掲げているのかな?』と自分からチェックすることはおそらくしません」と話した。

また、短大に通っており4月からは保育士として働き始めるという女性も「保育士の給料を上げてほしいです」と政府に対する要求を口にしたものの、政治経済について聞くと「実はあまり関心がなくて」という。その理由として「難しい言葉が多すぎてついていけません。他にも、政治が変われば私たちの生活が変わるという実感もなく、議員の人たちが若者に向けて政治をやっているようにも思えないないからです」と回答した。

政治経済に興味関心のある人もいれば、そうではない人もいた。ただ、いろいろな若者に話しを聞くと、一貫して「政治の恩恵を感じられない」という認識を持っており、そのことが興味関心や期待感を失わせている要因であると感じた。“政治に無関心な若者”が叫ばれて久しいが、若者が“政治のおかげ”と感じる政治を実施できなければ、ますます若者は選挙から遠ざかるだろう。

取材・撮影・文/望月悠木

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