監督自身、「3時間、内臓の海を泳ぎまわってください」と説明している本作は、母親の子宮から生まれてくるボーの主観ショットから始まる。
ホラーなのか、コメディなのか、心理劇なのか、特定のジャンルには収まり切れない不思議な作品だが、今回は、この『ボーはおそれている』を、“毒母”の束縛から逃れようともがく主人公というテーマでとらえたい。
主演は、アカデミー主演男優賞に輝いた『ジョーカー』(2019)以来、『カモン カモン』(2021)、『ナポレオン』(2023)と一作ごとにその動向が注目されているホアキン・フェニックス。