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「校則なし。私服、ピアス、ヘアカラーもOK」…雑誌「egg」の編集長も務めた27歳のギャル校長が渋谷に高校を創設した“アゲアゲ”な理由

集英社オンライン / 2024年2月11日 11時1分

2023年4月、東京・原宿の東急プラザに「渋谷女子インターナショナルスクール(通称・シブジョ)」が開校した。都内の超一等地にある同校は、「渋谷から世界へ」をテーマにクリエイターを輩出する教育に取り組んでいる。しかしこの学校、夢をもって入学してきた生徒のほかにも、いわゆる”ふつうの学校に馴染めなかった子”も多いという。校長を務める赤荻瞳さん(27歳)自身も、高校を中退してギャルサーにのめり込み、ギャル雑誌『egg」の編集長を務めたという”異色の経歴”をもつ。なぜ27歳という若さで渋谷に学校をつくったのか?

今から約1年前の2023年4月、渋谷区のランドマーク的存在となっている「東急プラザ表参道原宿」で、第1期生の入学式が行なわれた「渋谷女子インターナショナルスクール(通称・シブジョ)」。



同校では「渋谷から世界へ」というテーマをかかげて、「起業家」「クリエイター」「グローバルインフルエンサー」の3つのカリキュラムに力を入れており、このジャンルで将来的に活躍できる人材を育てているという。

そんな、”シブジョ”に通う生徒たちのなかには、ふつうの学校に馴染めなかった子も多く在籍している。多種多様な生徒たちが集まる”シブジョ”を開校した理由について、同校の校長をつとめる赤荻瞳さん(27)に聞いた。

赤荻瞳さん

校則はありません

――「渋谷から世界へ」というテーマに込めた気持ちを聞かせて下さい。

昔は世界で活躍するとなると、「お金をためて荷物をたくさん持って飛行機に乗る」というイメージでした。でもいまはスマホひとつで海外に挑戦できる時代です。私を育ててくれた渋谷への愛と、「若い世代の子たちが世界で通用するような人材になってほしい」という願いから、「渋谷から世界へ」という目標を掲げています。(赤荻さん、以下同)

――具体的には、どのようなカリキュラムが?

学校としては通信制のサポート校というくくりになるので、高卒の資格は提携校のレポートを提出することで取得してもらいます。生徒さんには週に4回ほど、ここ(東急プラザ表参道原宿)の教室に通ってもらっています。

授業内容は「SNS」「英会話」「動画編集」などがメイン。学期ごとにカリキュラムは変わりますが、普通の高校では勉強できないようなスキルを習得し、社会に出たらすぐに活躍できる人材になってほしいと思っています。

教室にて

――そもそも、なぜ”シブジョ”を開校しようと?

今の子たちは、自分と同じような思いをもった子たちとつながれる場所が意外と少ないと思ったんです。

私自身は学生時代ギャルサーに所属し、10代のころから大人や同世代のいろいろな価値観の人たちと出会って成長できたと感じています。でも、いまは逆にSNSでの繋がりだけで終わってしまって、リアルにコミュニケーションを取れる場所が少ない。

「新しい環境でチャレンジしたい人たちや、今の環境に馴染めていない人にも楽しんで勉強できる居場所を」と思い、シブジョを立ち上げることにしました。

――”シブジョ”には、校則はあるのですか。

校則は今のところありません(笑)。学校の制服はありますが、私服でも登校可能です。ピアスもオッケーですし、7割くらいの子は髪の毛染めてますね。

――かなり自由な校風ですね。

基本的には「なにごとも自分たちで考えさせる」ということを意識しています。例えば、入学式も、登校した初日に「なんのために入学式をやるのか?」「どんな入学式にしたら、ご両親に感謝を伝えられるのか?」ということを生徒たちと話し合いました。

学校の行事は、先生の指示に従ってやるものだと思うのですが、「なぜやるのか?」ということを考えてほしくて、生徒たちと毎週ミーティングして、4月28日の「渋谷の日」に入学式をしました。

自身がドロップアウトしたからこそ

――”シブジョ”には、現在どんな生徒さんが通われていますか。

「将来SNSを仕事にしていきたい」とか「世界で活躍できるインフルエンサーになりたい」といった目標をもった生徒さんもいますが、そういう子だけではありません。通っていた高校でオシャレができなかったり、さまざまな理由で中学校にちゃんと通えていなかった子も多いし、いろいろな子がシブジョにはいますね。

――ご自身も高校を中退されています。

元ギャルだから勘違いされがちなのですが、私は倍率も偏差値も高い、さいたま市立大宮西高校に毎日10時間くらい勉強して死ぬ気で入ったんですよ。当時憧れながら読んでいた『egg』のイケてる高校ランキングで1位だったからですが、勉強もできて校則が緩いってカッコいいなと。

でもタイミング悪く私が入学した年から校則が厳しくなってしまい、髪も染められないし、ギャルの格好はできなくなりました。その後、高2の春休みに渋谷で「ギャルサーやらない?」とスカウトされまして。そこからのめり込んで、学校に通わなくなってしまい、退学してしまいました。

自由な髪型やメイクで登校する生徒たち

――そもそもギャルサーとは?

イベントサークルの一種なんですけど、べつにギャルばかりがいるわけではありません。男女200人ほどのメンバーで、ファッションショーやダンスなどのイベントを企画するんです。OBの先輩たちが手伝ってもくれるのですが、基本的に10代の子たちでひとつのイベントを作ることが主たる目的ですね。

もともとはヤンキーだったんだろうなって子もいましたけど、イベントを成立させるっていうことに対してはみんな真剣で。多くの人と関わって自分の知らない世界が広がっていく感覚にワクワクしてましたね。

――その後就職した広告代理店ではどんなお仕事を?


いわゆる広告代理店として、事業を企画していたのですが、とある仕事で、もともと『egg』を出版していた大洋図書さんの関係者さんと知り合いまして。その時に当時休刊していた『egg』がWEBで復活でするという話を聞いたのです。

もう衝動で、「絶対に私が復活させたいです!」と立候補して、21歳のときに『egg』の編集長になりました。

――高校をドロップアウトし、憧れの雑誌の編集長となり、現在は校長先生へ。そんな波乱万丈の人生を送っている赤荻さんだからこそ、同じような境遇の生徒さんを見ると、自分の過去と重ね合わせてしまう?

それはありますね。去年の春に転入してきてくれた子は、私とまったく同じパターンで、自由な校風だからと普通科の高校に入学したのに「全部ダメ」と言われたそうで。

ギャルにとって、髪を染められないとか、ピアスできないっていうのは生き様を否定されてるのと一緒なんですよ。

彼女も学校側と揉めちゃってシブジョに来てくれたんですけど、まるで過去の私を見ているかのようですね。そういう子たちが真っ直ぐ自分の将来を考えることを手助けするためにも、彼女たちが「何者かになる」お手伝いをさせていただいています。

後半では、伝説のギャル雑誌『egg』の編集長時代に彼女が感じた、若者たちを苦しめる同調圧力について聞く。


取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
撮影/松木宏祐

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