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【年間電気代が25%ダウン】暖房の4つの節電ポイント「風向きを下に」「こまめなオンオフは控える」「湿度を保つ」あとひとつマメにやりたいことは?

集英社オンライン / 2024年1月27日 13時1分

暖冬とはいえ、やはり寒さをしのぐためにエアコン暖房は欠かせない。昨年よりは電気代の高騰は落ち着いているものの、光熱費は家計支出に依然、大きな影響を及ぼしている。エアコンで効率よく部屋を暖めて節電するにはどうしたらいいのか? ダイキン工業株式会社コーポレートコミュニケーション室 広報グループ重政周之さんに訊いた。

冷房より暖房のほうが電気代は高い

一般的に冷房より暖房のほうが電気代は高くなると言われているが、なぜなのだろうか?

「エアコン暖房は、屋外の空気中の熱を室内に運び込んで部屋を暖めています。まず室外機が外の空気を吸い込み、空気中にある熱を熱交換器で集めます。集めた熱は室内機と室外機をつなぐパイプの中に流れている『冷媒』という物質が受け取り、室内機へ運びます。室内機の中にも熱交換器があり、そこで熱をおろし、温風として室内に吹き出しながら部屋を暖かくしています。



この冷媒を循環させているのが“エアコンの心臓” とも言える『圧縮機』です。圧縮機は、エアコンの消費電力の大部分を占める部品で、その割合は80%です。エアコンの電力のほとんどはこの圧縮機が使っています。

そのため、例えば夏は外気温32℃で設定温度27℃にするとその差は5℃ですが、冬は外気温温7℃、設定温度20℃にするだけでも、その差は13℃にもなります。外気温と設定温度の差が冬のほうが大きくなるため、それだけ圧縮機にかかる負担が増し、消費する電力量が大きくなり、冬のほうが電気代がかかるのです」(重政さん、以下同)

節電ポイント1:風向きを下にして床付近から暖める

このように消費電力が大きくなる冬場は、効率的に部屋を暖めるにはどうしたらいいのだろうか?
節電のポイントを挙げてもらった。

「節電の工夫のひとつとして、風向を下向きに設定することをおすすめします。
暖かい空気は天井付近に、冷たい空気は部屋の下にたまりやすいという性質があります。
夏は風向きを水平にして、空気のムラを抑えたほうが節電につながりますが、冬は下向きにして床付近から暖めることで節電につながります。足元が寒いとつい設定温度を上げてしまいがちですが、必要以上に設定温度を上げてしまうと、そのぶん無駄な電力を消費してしまいます。冬も夏と同じように、温度ムラを抑えることが大切です。

風向を下向きにしても足元が肌寒い場合は、温度ムラが抑えられていない可能性があります。そうした際には、天井に溜まった暖かい空気が足元に降りてきやすいよう、空気清浄機やサーキュレーターを活用して室内の空気を攪拌してみてください。空気清浄機やサーキュレーターは、エアコンの向かい側に壁を背にして置くのがおすすめです。

また、風向きを下方向にするとで、体に直接風が当たりにくくなり、ある程度の乾燥対策にもなると思います」

画像提供:ダイキン工業株式会社

節電ポイント2:湿度を上げて体感温度を上げる

エアコンの設定温度は消費電力に大きく関わり、暖房の設定温度を1℃下げると約10%の電気代の節約になるとされている。環境省は暖房時の目安の室温として20℃を推奨しているが、室温が20℃程度になるようなエアコンの設定温度は、住まいの環境やその日の気温などによって異なるので、無理のない設定温度でエアコン運転するのがポイントだ。

「冬、エアコン暖房は室温が20℃程度になるような設定温度での運転を意識していただけたらと思います。ですが、同じ室温でも湿度の違いで体感温度が変わります。そのため、温度だけではなく湿度も意識してみてください。節電を意識して加湿する場合、洗濯物を部屋干ししたり、あまり消費電力量が多くない加湿機能付き空気清浄機を使ったりするのも工夫のひとつです。

それから、ある程度の電力が必要になる場合もありますが、加湿器や、加湿機能が付いたエアコンを使って加湿する方法もあります。室内の湿度を保つことで、設定温度を必要以上に上げなくても暖かさを感じることができます。

空気清浄機は、部屋の温度ムラの抑制に役立ちます。加湿空気清浄機を使うと、加湿しながら温度ムラも抑制できるので、一石二鳥です。

一般的に、湿度は40%を下回るとウイルスが活発化し、60%を超えるとカビやダニが繁殖しやすいと言われているので、部屋の中の温度は20℃以上、湿度は40~60%に保つのがおすすめです。

また、加湿器や加湿空気清浄機は窓の近くに置くと結露しやすいので、窓から離れた場所に設置しましょう」

節電ポイント3:こまめなスイッチオン・オフは控える

「部屋が暖かくなったらエアコンを止め、寒くなったら再びスイッチを入れるという使い方をする人もおられるかもしれませんが、こまめにスイッチオン・オフを繰り返して温度調節を行うと、節電のつもりがかえって電気の無駄使いになる場合があります。部屋にいるときはスイッチの入切を控え、自動運転にしてエアコンの温度調節機能に任せるのがおすすめです。

また、30分くらいの外出なら、つけっぱなしにしたほうが無駄な電力消費を抑えやすくなります」

節電ポイント4:室外機の周りは何も置かない、フィルターの掃除は2週間に1度する

「暖房効率を落とさないように室外機の周りには障害物を置かないようにしましょう。エアコンは、室外機で吸い込んだ空気中から熱を集めて、それを室内に送り込むことで部屋を暖かくしています。

室外機の吸込口や吹出口の付近に観葉植物や段ボールなどを置いてふさいでしまうと、空気の流れが妨げられて効率的に熱を集められなくなってしまいます。また、室外機が吹き出す熱が奪われて冷たくなった空気が、室外機の後ろに回りこんでしまうこともあり、そうした場合も熱を集めづらくなってしまいます。

室内機の中にあるフィルターの掃除も大切です。一年間フィルターを掃除しないと、約25%も電気代が無駄になってしまうと言われています。
エアコン内部のフィルターにゴミやほこりがついて目詰まりしてしまうと、吸い込める空気の量が少なくなって暖める力も弱くなるため、部屋を暖めるのに時間がかかり、そのぶん多くの電気代がかかってしまいます。

2週間に1度を目安に、フィルターについたほこりを取ったり、水洗いしたりするのがおすすめです」

エアコンの電気代は、適切な温度と湿度設定といった暖房効率を上げる工夫により節約できる。節電のポイントを押さえて、賢くエアコンを使うようにしよう。

取材・文/百田なつき

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