結論から言うと、昨今叫ばれている「医師不足」への認識の差異は、その需要と供給をミクロで見るか、マクロで見るかの違いだ。シンプルだからこそ、難しい問題といえる。
まず前提として、今の日本においては、人口が減り続ける一方、医師は増え続けている。マクロで見れば、いずれ必ず医師の需給は均衡に達し、やがて医師が余る世の中がやってくることは自明だ。
しかし、ミクロで見た場合、たとえば地方では、あるいは産科や小児科といった診療科では、まだまだ医師の不足感が強い。つまり、「不足ではなく、偏在している」という考え方もできるのだ。