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サッカー日本代表アジアカップ敗退は誰のせい?…森保監督、板倉滉、伊東純也、鈴木彩艶、はたまた週刊誌報道…「戦犯探し」に果たして意味はあるのか

集英社オンライン / 2024年2月5日 17時1分

2月3日、サッカー日本代表はアジアカップ準々決勝でイラン代表と対戦して1−2で敗戦した。大会初戦までは10連勝と勢いに乗る日本代表だったが、本大会でベスト8敗退という結果の要因はどこにあったのか、SNS では早くも多くの議論を呼んでいる。

“アジアに敵なし”という夢から醒めた日本代表

森保ジャパンの2023年の年間戦績は8勝1敗1分と、かつてないほどの好成績で1年間を終えた。2022年のカタールW杯に続いて強豪・ドイツ代表に4−1と完勝するなど、「日本サッカー史上最強」とも称される充実した1年を過ごした日本代表には、今回のアジアカップでも3大会ぶり5度目の優勝という大きな期待がかかっていた。

しかし、いざ大会が始まってみるとグループステージ2戦目でイラク代表に1−2で敗れ、グループ2位で決勝トーナメント進出。グループステージではベトナムやインドネシアなど力の差のある対戦相手にもかかわらず、3試合で5失点。現在の日本代表は、もはや「アジアでは敵なし」というアジアカップ前の雰囲気からはほど遠い結果だった。



「日本代表は世界に向けて、次のステージに走り出した」

カタールW杯でドイツ、スペインといった世界トップクラスの強豪に競り勝ち、2023年の好調ぶりから日本代表の選手たちも、サッカー関係者も、ファンもそう信じてやまなかった。

それだけにアジアカップでの敗退はショックが大きい。

写真:AP/アフロ

日本代表はアジア他国とはもはや次元の違うサッカーをしていて、欧州や南米のサッカー強豪国とも堂々と自分たちのサッカーで渡り合える、次回のW杯では遂に初のベスト8進出、いやそれ以上の結果を残す……。そんな予感に包まれていた代表だったが、一気に夢から醒めた。

イラン代表との敗戦直後のインタビューで森保一監督は「私が交代カードをうまくきれなかったのが敗因」と自身の采配ミスを自戒している。イラン戦で決勝点を献上するミスをしたDF板倉滉や冨安健洋など、選手たちも試合後のそれぞれインタビューで自身の「責任」を口にした。

日本代表が敗戦するたびに、「誰の責任で負けたのか?」という戦犯探しが起きるが、では、今回のアジアカップの戦犯は誰なのか?

結局、誰の責任で負けたのか?

イラン戦の敗退直後からSNSでは、「日本代表の敗因」についてさまざまな投稿が飛び交っている。

指揮官である森保監督に向けての「#森保解任」というハッシュタグをはじめ、日本サッカー協会の田島幸三会長への批判は、もはや代表が敗戦したときの風物詩となっている。

今大会においては、大会通して本来のパフォーマンスを見せられず、イラン戦では決定的なミスをしたDF板倉。今大会でスタメンに抜擢された若手GKの鈴木彩艶。大会期間中にプライベートな問題で離脱した伊東純也。はたまた、その引き金となった事件を報じた週刊誌にまで批判の矛先が向くこともあった。

しかし、こうしたSNSでの戦犯探しをサッカーライターの清水英斗氏は「意味がない」と一刀両断する。

「この10年くらい日本代表が負けたときに起きるネット上での短絡的な罵詈雑言にはウンザリしています。言葉の選び方にリスペクトがなく、相手が人であることを想像していない。批判は構わないと思うけど、自分がスッとしたいだけの戦犯探しに意味はありません。仮に本当に特定の戦犯がいるなら、代表に呼ばれなくなるだけなので、そんな甘い世界ではない」

清水氏は敗戦を特定のだれかの責任にするほど簡単な問題ではないという。では、早々に敗退した今大会の日本代表で収穫はなかったのか。

「収穫といえるほど、まだ試合数を重ねてないですが、ゴールキーパーの鈴木彩艶はこれからの代表にとって楽しみな存在です。グループステージでは経験不足から不安定なパフォーマンスもありましたが、決勝トーナメントのイラン戦はそれより安定していました。ただ、彼のトライは途中で終わってしまったので、現状はダメとも良いとも言えない。

欲をいえば、準々決勝に勝ってあと2試合見たかった。彼のゴールキックの飛距離、競り合いの強さなどは間違いなく、日本史上最高の素材。W杯優勝チームのGKになり得る素材です。日本の目標から逆算すれば、ここでリスクを負って抜擢したのはむしろ当然だと思います」

写真:森田直樹/アフロスポーツ

今年、パリ五輪をひかえる日本代表の若き守護神を数少ない収穫とした。

「一昨年のカタールW杯や昨年の成績で森保監督の評価が急激に高まりましたが、もともと長所や短所は変わっていなかったですし、今大会でその評価も本来あるべきところに落ち着いたと思います。昨今は欧州の代表チームがそうであるように、日本も継続して一人の監督に任せている最中です。

1試合や1大会で解任、解任と叫んでいたら代表は強くならない。これから戦うW杯アジア最終予選でよっぽどのことがないかぎり、解任するべきではないと思いますが、ここからどう修正していくのかはしっかり見ていきたいと思います」

2026年のW杯まであと2年。日本代表の次戦は3月21日、W杯アジア2次予選で北朝鮮代表と対戦する。“アジアレベルでは頭ひとつ抜け出た実力”という夢から醒めた日本代表は一歩一歩地に足をつけて進むしかない。森保監督の手腕が試される。

文/集英社オンライン編集部

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