経費削減と消費動向の変化をつかんだ巧みな戦略が奏功しているが、ライバルの「すかいらーく」が値下げに動くなど、収益力を取り戻したファミリーレストラン業界は競争が激しくなっている。
サイゼリヤは2022年8月期に4億2200万円、2023年8月期に72億2200万円の営業利益を出したが、国内事業部門は赤字だった。中国事業のほうが好調で、国内の赤字を埋め合わせていたのだ。国内事業を黒字化した意味は大きい。収益性の向上が期待できるからだ。
サイゼリヤは2024年8月期に売上高を2110億円、営業利益を131億円と予想している。営業利益率は6.2%だ。2019年8月期は6.1%だった。わずかだが、コロナ前よりも稼ぐ力は高まる見込みだ。2023年9-11月の営業利益率は6.6%で、通期予想を上回ってスタートしている。