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「ひと目で義理とわかるチョコ」から「あげる楽しさをすべての人に」…もうすぐ発売30周年・累計17億本超えのブラックサンダーとバレンタインのいい関係

集英社オンライン / 2024年2月12日 12時1分

おいしさイナズマ級でおなじみのチョコレート菓子「ブラックサンダー」。有楽製菓株式会社が販売する、2024年の9月に30周年を迎えるロングセラー商品だ。今や国民的人気菓子となり、さまざまな種類が発売されているが、特に人気のフレーバーや残念ながらあまり売れなかったものなど、同社の広報担当に直撃した。

実は販売してすぐ終売に追い込まれた

コンビニなどで売られている「ブラックサンダー」の2022年までの出荷本数は、累計17億本を突破し、まごうことなき国民的人気菓子である。その生誕は遡ること1994年。

それまで同社は軽い食感のチョコレート菓子「チョコナッツスリー」が主力商品だったが、より食べ応えがあるザクザクした食感を目指して、子ども向けの新商品としてブラックサンダーが開発された。



クッキーベースでボリュームがあり、ココアのほろ苦さとチョコレートの甘みがマッチした味わいが特徴。ネーミングも、見た目のチョコの「ブラック」に子どもたちが大好きな戦隊ヒーローを連想する「サンダー」を組み合わせて考えられたが、発売当初これがほとんど売れなかったという。

1994年発売当初のブラックサンダーのパッケージ

「原料にこだわっていたため、30円で販売しましたが、当時の子どもの駄菓子としては高価だったようです。パッケージも『BLACK THUNDER』と英字表記になっていて、子どもには読みにくかったかなと…。売れ行きが悪く、1995年にはいったん販売を終了することになりました」(有楽製菓株式会社 広報担当、以下同)

しかし、商品に惚れ込んでおり、可能性を捨てきれなかった九州エリアの営業担当者の熱意により、1996年から九州エリア限定で再販売することに。

すると大学生協を中心に徐々に売れ始めたのだ。

「子どもにとって30円は高いけど、大学生にとっては買いやすく、食べ応えがある、なによりコスパが高い商品という認識が広まり、注目されるようになりました。これをきっかけにコンビニでの販売に力を入れ、2005年には再度全国展開させました。

その前の2003年には課題だったパッケージの表記をカタカナに変更したことも、人気が出始めたきっかけだったと思います」

現在のパッケージ

2008年に体操の内村航平選手がいつも現地に持っていくお菓子として名前を上げ、メディアにも取り上げられ話題となったこともある。

そして2009年には出荷本数が1億本を突破したという。販売翌年の終売から見事に復活したブラックサンダー、2011年には愛知県豊橋市に新工場を竣工、増産体制を整え、現在に至るまでさまざまな商品を送り出しているのだ。

「ブラックサンダー国民投票」とは

同社は、コンビニ向け、スーパー向けなど年間で30種類ほどのブラックサンダーの商品企画を展開している。

次々に新たな味が発売されているが、どんなフレーバーが人気なのだろうか?

そこで、2023年の9月に同社の公式Xで実施されたのが「ブラックサンダー国民投票2023」。食べたいフレーバーをリプライ形式で投票してもらい人気商品を決定した選挙だ。今回はそのランキングをもとに人気商品を紹介する。

1位 ブラックサンダー

やはり王道に代わるものはなし! 不動の人気を誇る看板商品。コンビニでもスーパーでもどこでも手に入りやすいのが特徴。ザクザクした食べ応えのある食感は大人から子どもまで大人気。

2位 ブラックサンダー 至福のバター

2020年9月に発売されたこちらが2位にランクイン。特製バタークッキーと焦がしバターを溶かし入れたチョコレートを組み合わせ、リッチな味わいを堪能できる商品だ。

シリーズの中でもプレミアム商品の位置づけで、64円(税込)と高め設定ながら、2位にランクイン。「自分へのご褒美に」「幸せをかじっている気分」などプレミアム感を楽しんでいるコメントが多かったという。

3位 柿の種サンダー

こちらは100円ショップ限定の商品だが、3位にランクイン。「おつまみ感覚で食べられる」「常備しておきたい」という声が多く、人気が高い。

「販売チャネルは限られているのに、根強い人気です。3つで100円という価格設定もポイントなのかもしれませんね」

ちなみに、同社は北海道限定の「白いブラックサンダー」沖縄限定の「沖縄ブラックサンダー」など地域限定商品にも力を入れている。

「中でも北海道限定の『白いブラックサンダー』は発売して10年を超え、ようやくお土産品としても定着してきて、人気商品になっています」

逆に発売はしたものの、人気がなくて終売になったフレーバーも気になるところ。残念ながらそれらについても聞いてみた。

安心してください、おいしいですョ!

「そうですね。『コーンポタージュサンダー』ってご存知でしたか? ちょうど、ブラックサンダー至福のバターの同じ時期に発売したんです。至福のバターは、おいしさを追求して開発した商品だったので、何か遊び心のある商品を発売しようと企画しました。駄菓子でコーンポタージュ味のスナックは人気ですし、コーンとチョコの相性は悪くないので、おいしさには自信があったんですが……」

販売してみると、コーンポタージュとチョコの組み合わせのおいしさを消費者にしっかり訴求できず、手に取ってもらえなかったようだ。

クセになる甘じょっぱさが特徴だったそうだが…

「商品には、ブラックサンダーの『おいしさイナズマ級』のように、いつもキャッチコピーをつけています。コーンポタージュサンダーには『安心してください、おいしいですョ!』とつけたんですが、手に取っていただくまで、なかなかハードルが高かったようで、売上も悪く、残念ながら終売しました」

もう一つは「芋けんぴサンダー」。

この商品は、売れ行きはよかったが、原料のさつまいもに病気が蔓延してしまった時期が重なり、泣く泣く終売したという。

冬の新定番として定着させたかったが、原料の問題で終売に


「お客様には好評でしたが、原料の問題で終売になってしまいました。今でも復活してほしいというお声をいただく商品の一つです」

「イモーショナルなおいしさ!」というキャッチコピーも印象的だ。

バレンタインデーは
ブラックサンダーで気軽に楽しんでほしい

ところでブラックサンダーは、2013 年から「一目で義理とわかるチョコ」というセンセーショナルなキャッチコピーを掲げてきたが、女性から男性に渡すことが当たり前だと思われていたバレンタイン文化も10 年を経て変遷。ブラックサンダーも2024年は「あげる楽しさ」に改めて着目、今年は「自由なバレンタイン」をテーマにしている。

「『あげる楽しさをすべての人に。』をコンセプトに、ブラックサンダーが考える自由なバレンタインを提案しています。ブラックサンダーは35円なので、もっと気軽に、みんなで楽しんでもらうバレンタインになればと思っています。

コンビニを利用する30〜40代の男性によく売れているというデータはあるのですが、ご家庭用などにミニタイプのブラックサンダーが複数入ったファミリーパックなども販売しています。30周年を迎える今後も一人で楽しむお菓子としてだけでなく、ご家庭や職場でも楽しんでいただけるように、幅広い世代に商品を広めていきたいと思います」

何より安いことも魅力的なブラックサンダー、30年の歴史に思いを馳せながら、今年はバレンタインデーのちょっとしたギフトに選んでみてはいかがだろうか?

取材・文/百田なつき

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