『リクルートブライダル総研』の「婚活実態調査2023」によると、恋愛もしくは結婚意向があって恋人のいない20~40代独身者における婚活サービス利用者のうち、恋人ができた割合は49.5%で過去最高を記録した。
お見合い中に「ラブホ」発言、通算46回目のお見合いで相手が激怒して退席、映えを意識して二重整形…アフターコロナの婚活事情
集英社オンライン / 2024年2月11日 13時1分
コロナ禍が収束を迎えつつあり、婚活市場が活況となっている。しかし、その内情はコロナ禍前と比べると大きく変化したという。
やっぱり誰かとつながっていたい
また、2022年の婚姻者のうち、婚活サービスを通じて結婚した人の割合は15.4%。こちらもコロナ禍の真っただ中にあった2021年に次いで2番目に高い数字となっている。
コロナ禍では、長期にわたる在宅勤務や飲食店の来店自粛など、人とのつながりに大きな変化がある中で交友関係が希薄となり、日常の孤独感や不安を相談できる相手もおらず、精神的につらい時間を経験した独身男女が増加した。そうしたことから、人生のパートナーの重要性を感じて、結婚願望が高まった結果、婚活サービスの利用者が増えたことの一因となっている。
そんななか、2月4日に放送された『ザ・ノンフィクション 結婚したい彼と彼女の場合〜令和の婚活漂流記2024〜』《前編》(フジテレビ系)が話題となった。
素朴で優しい雰囲気ながら恋愛経験がなく、通算46回のお見合いを重ねるものの緊張でうまく話せず、相手を怒らせてしまう、実家で母と二人暮らしの進藤さん(仮名・29歳)。
全身脱毛するなど自分磨きを怠らず、人柄もいいのだが、肝心のお見合いの場で「ラブホ」と失言したり、自分の話ばかりして「スナックでのトーク」と言われてしまったバツイチの内田さん(55歳)。
自身のお見合い写真の映りに「雰囲気が暗い」と感じ、まぶたを二重に整形して写真を再撮影して婚活に励む、ゆかさん(仮名・28歳)。
それぞれ結婚を目標に婚活に励む3人の男女にスポットを当てたドキュメンタリー番組。東京・青山の結婚相談所「マリーミー」で婚活アドバイザーを務める、植草美幸さんによる直接指導で奮闘する姿を追った番組に、放送直後からSNSでは「気持ちわかる」や「地獄のような空気」など、さまざまな感想が寄せられていた。
コロナ禍を経て、婚活に励む人の性質は大きく変わったというが、婚活をとりまく状況はいったいどう変わったのだろうか。
婚活での出会いも「タイパ」重視に
その実情について結婚相談所イノセント代表で婚活アドバイザーの坂田啓太さんに聞いた。
「対人関係にストレスを感じる人は増えた印象があります。初対面の出会いやいろんな人とのコミュニケーションの場が減った影響なのかもしれませんが、自分の友達や学校・会社での交友関係にはない相手との会話がスムーズにできなかったり、過度にストレスを感じたり、コミュニケーション力が落ちている印象があります」
また、コロナ禍以降の婚活の特徴として効率的な出会い、いわゆる「タイパ」を求める人が多くなったと坂田さんはいう。
「マッチングアプリでたくさん連絡を重ねて何人も会って、自分が求める条件に合う人を見極めるというよりは、効率よく、いい出会いを探している人が結婚相談所に来る方には多いかもしれません。特に20代の方々には、自分より上の世代がアプリの出会いでいろんな失敗をしたり、成就しなかった経験を知っていたりするからか、出会いに慎重で、マッチングアプリの利用経験はなく、初めての婚活が結婚相談所という方が非常に増えています。
またコロナ禍以降、婚活をする人で是が非でも結婚したいという方はあまり多くない印象です。社会全体の中で『結婚』の価値が下がっていると思います。『子どもは作りません』とはっきり明示する女性も増えました」
結婚そのもののプライオリティが低くなりつつある日本社会の中で、『ザ・ノンフィクション』に登場したようなパワフルに婚活に励む男女は以前ほど多くないという。だが、通算46回もお見合いをしたり、全身脱毛したり、二重整形したり、葛藤しながらも婚活に励む彼らがいることも紛れもない現実である。自分と向き合って婚活に奮闘する彼らに幸せが訪れることを願いたい。
文/集英社オンライン編集部
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