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小学生の14万4188票が選んだ、おもしろくて大好きな本は? 「ページをめくるたびにワクワク」「想像するだけで楽しい」…「みんなが“どれにしよっかな”って考えた時間があるのがすごくいいなって」〈アンバサダー/又吉直樹〉

集英社オンライン / 2024年2月11日 11時22分

子どもたちが本と出会う機会を作り、本をもっと身近に感じてもらおうと、2018年から2年ごとに開催されている『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』。このたび、第4回目のベスト10が決定した。アンバサダーを務める又吉直樹氏や受賞作家らを招いて、2月10日に城西国際大学東京紀尾井町キャンパスで行なわれた結果発表会の様子とベスト10に選ばれた本を紹介する。

子どもたちがベスト10作家たちを表彰! 又吉直樹も登場

2018年5月5日、“こどもの日”にスタートした『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』は、全国の小学生が「今まで読んだ中で1番好きな本」を投票するイベントだ。

第4回となる今回は、なんと14万4188票もの投票が集まった。コロナ禍を経て、ようやくたくさんの人が集まっての発表会が開催できることに、事務局長の岡本大(だい)氏は「たくさんの小学生に来場してもらい、結果発表をわかちあえることが楽しみでうれしい。1人でも多くの子どもたちに、新しい本と出会う喜びを届けたい」と語った。



発表会会場には、第1回からアンバサダーを務めるお笑い芸人で作家の又吉直樹氏も登壇。「あのころより、ボクも少しだけ大きくなったんですけど…」と小ボケをはさみつつ、賞状を受賞作家に渡すという大役を担う“こどもプレゼンター”たちには「緊張すると思いますけど、会場に来れただけでも大成功。絶対うまくいきますし、うまくいかなかったらいかなかったのでおもしろいので大丈夫です。どっちみち失敗はないので、安心して」とエールを送った。

表彰式にはアンバサダーを務める作家・お笑い芸人の又吉直樹氏が登場

10位から順に次々と結果が発表されると、会場に集まった親子たちからは「お〜!」「あぁ〜!」と感動や共感の声が上がったり、「わ〜!」と祝福する大きな拍手が起こったりと、たくさんのリアクションで大盛り上がり。

各作品、ステージ上にて“こどもプレゼンター”から作家本人や担当編集に賞状が授与され、投票理由や受賞の感想が述べられた。自分たちが読んでいる本の著者に会えるという貴重な機会とあって、子どもたちは少し緊張した様子だったが、カメラにはピースをしながらにっこり笑顔を向けていた。

こどもプレゼンターが作家さんへ賞状を渡す

アンバサダーの又吉さんは「みんなが選んだ本だけあって、いろんな感覚を刺激してくれる本がそろったなと思います。みんなが(投票する際に)“どれにしよっかな”って考えた時間があると思うと、本にちゃんと向き合ってることがすごくいいなと思います」「ほかの人が1位に選んでる本を、“まだ読んでないから自分も読んでみよう”って思えると、どんどん自分の感覚が広がっていっておもしろいんじゃないでしょうか」などとコメント。

最後は「みんなもすごかった! (会場中に)届く声で(感想を)言えて」と、小さなプレゼンターたちを温かくねぎらった。

全国の小学生が選んだ「いちばんおもしろい」ベスト10(1〜3位)

ここからは、今回の『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』で選ばれた本を、こどもプレゼンターの感想と作者たちの受賞コメントとともに紹介していく。

第1位『りんごかもしれない』
作/ヨシタケシンスケ(2013年 ブロンズ新社)

テーブルの上にりんごがおいてあった。でも、もしかしたら、これはりんごじゃないかもしれない。「かんがえる」ことを果てしなく楽しめる、発想絵本。ヨシタケ氏のデビュー作であり、『“こどもの本”総選挙』では4回連続トップ10入りの人気作。

<こどもプレゼンターの選んだ理由>
男の子のいろんな発想がでてきてすごくおもしろかったし、こんな発想もあるんだなと自分にアイデアをくれるから、とても好きです。(2年生・女の子)

<作者受賞コメント>
40歳になったときに初めて「絵本を描いてみませんか」と言われ、できると思ってなかったけどまさか本になった。それを、10年経ってもずっと読み続けて、おもしろがり続けてもらえることに、僕自身ビックリしながら感謝しています。これからみなさんが大きくなるまでの間、先のことを考えるときに「かもしれない」って言葉を上手に使いながら、楽しく過ごしていってもらえたらうれしいです。(ヨシタケシンスケ氏)

第2位『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』
監修/今泉忠明(2016年 高橋書店)

生き物の「ざんねん」な一面に光をあてた、はじめての本。紫外線を浴びると光るサソリや、敵に襲われると死んだふりをするオポッサムなど、ふしぎな生き物を122種紹介。シリーズ累計455万部突破のベストセラー。第1回、第2回にて1位連覇を達成。

<こどもプレゼンターの選んだ理由>
生き物たちのざんねんなところがおもしろいからです。(2年生・女の子)

<作者受賞コメント>
今の時代はメールとかばかりで文字を書かなくなったけど、子どもたちが一生懸命手紙を書いてくれることにビックリしています。『ざんねんないきもの事典』を読んで、ファンレターを書いてくれることで文字を書くことや読むことを勉強してくれるのがとってもうれしいです。(今泉忠明氏)

第3位『大ピンチずかん』
作/鈴木のりたけ(2022年 小学館)

子どもたちの身の回りに起きるさまざまな大ピンチを紹介する一冊。前もってどんなピンチがあるかを知っておけば、ピンチがおきても怖くないかも!? ユーモアあふれるイラストも魅力。『2023年いちばん売れた児童書』にも輝き、今回は初めてのランクイン。

<こどもプレゼンターの選んだ理由>
これから自分にピンチがおきたときに、どうすればいいか予習できるのがいいところです。(2年生・男の子)

<作者受賞コメント>
順位つけるのって、緊張したりしてボクも嫌なんですけど、順位をつけることで友だち同士で、本について語るきっかけにもなると思います。本はひとりで読むだけじゃなくて、人やモノとつながったりする、生きる楽しみだと思います。それに応えられるような本をこれからも作っていきたいです。(鈴木のりたけ氏)

全国の小学生が選んだ「いちばんおもしろい」ベスト10(4〜7位)

第4位『あるかしら書店』
作/ヨシタケシンスケ(2017年 ポプラ社)

「こんな本、あったらいいな」が詰まった、最高に楽しい妄想書店をテーマにした作品。月明かりの下でしか読めない「月光本」、ふたつの本を合わせて初めて読むことができる「2人で読む本」など、読んだらきっと「本ってやっぱりいいよねぇ」と言いたくなるエピソードが満載。

<こどもプレゼンターの選んだ理由>
どんなおもしろい本が出てくるか、ページをめくるたびにワクワクします。世界一周読書の旅に行ってみたいなと思いました。(4年生・女の子)

<作者受賞コメント>
僕もすごく本が好きで、あんな本あったらいいなとか、いろいろ思いながら作った本です。みなさんがこれからもいろんな本を読んで、“こんな本があったらいいのに”と、いつか本を作る側になってくれたらうれしいです。(ヨシタケシンスケ氏)

第5位『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』
作/廣嶋玲子 画/jyajya(2013年 偕成社)

幸運な人だけがたどりつける、ふしぎな駄菓子屋が舞台の物語。女主人・紅子がすすめる駄菓子は、どれもその人にぴったりのもの。でも、食べ方や使い方をまちがえると……。駄菓子がお客さんの運命を翻弄する、ドキドキ感が魅力の作品。

<こどもプレゼンターの選んだ理由>
いろいろな駄菓子が出てきておもしろいし、漢字の勉強にもなるし、想像して楽しいからです。(4年生・男の子)

<作者受賞コメント>
またまた選んでいただいて、感謝感激です。この賞に選ばれることほどうれしいことはありません。これからも“銭天堂”を読むと楽しんでもらえるよう、ますますがんばりたい。どうぞみなさま、よろしくお願いするでござんす。(廣嶋玲子氏)

第6位『パンどろぼう』
作/柴田ケイコ(2020年 KADOKAWA)

おいしいパンを探し求める大泥棒・パンどろぼうが大活躍する絵本シリーズの第1巻。お茶目でどこか憎めないパンどろぼうが、今日も事件を巻き起こす! 大人から子どもにまで愛されるパンどろぼうの正体と意外なストーリー展開に、ハマる小学生が続出中。

<こどもプレゼンターの選んだ理由>
パンが好きなパンどろぼうが、パン職人になったのはすごいなと思いました。(2年生・女の子)

<作者受賞コメント>
パンどろぼうは、ちょっとドジでまぬけだけど、好きなことには一筋です。実は私もそんな人間です。自分を投影したようなこのパンどろぼうが、愛され、親しまれて、とても幸せです。小学生のみなさんも自分の魅力的な部分を知り、大事にし、成長していってほしいです。(柴田ケイコ氏)

第7位『四つ子ぐらし① ひみつの姉妹生活、スタート!』
作/ひのひまり 絵/佐倉おりこ(2018年 KADOKAWA)

ひとりぼっちだと思っていた主人公は、じつは四つ子だった…!? それぞれ別の場所で孤独に育った4人がひとつ屋根の下で暮らすことになったけど、四つ子だけの生活は大混乱! キュートな姉妹生活が大人気。昨年11月には、シリーズ16作目を刊行。

<こどもプレゼンターの選んだ理由>
4人で家事をするとき、部活をするとき、友だちと遊ぶときなど、いろいろな場面があっておもしろいからです。(4年生・女の子)

<作者受賞コメント>
読者のみなさんにも、四つ子ぐらしを読んで、ドキドキ・ワクワクするような気持ちになってもらえたらとてもうれしいです。私も作者ではありますが、読者のみなさんといっしょに、ドキドキ・ワクワクしながら執筆を続けたいです。(ひのひまり氏)

全国の小学生が選んだ「いちばんおもしろい」ベスト10(8〜10位)

第8位『ドラゴン最強王図鑑』
監修/健部伸明 イラスト/なんばきび、七海ルシア(2022年 Gakken)

“最強王図鑑シリーズ”の一冊。ありとあらゆるドラゴンが一堂に集結し、最も強いドラゴンをトーナメント形式で決定する。手足・翼の有無や、善・悪、火・水・風…など、さまざまな属性のドラゴンたちが、それぞれの戦い方で迫力の対戦を繰り広げる。

<こどもプレゼンターの選んだ理由>
レヴィアタンの戦うシーンが、カッコいいからです。(1年生・男の子)

<作者受賞コメント>
どっちが勝つかを話していくうちにケンカになってしまうため、学校に持って行くのを禁止されていることが多い本。ただ、みんなでケンカするまで話せる本ってなかなかないと思うので、うれしい。今後も、子どもたちが大好きすぎて親御さんたちや先生たちを困らせるような本を作っていきたいです。(Gakken編集担当)

第9位『ほねほねザウルス ティラノ・ベビーのぼうけん』
原案・監修/カバヤ食品株式会社 作・絵/ぐるーぷ・アンモナイツ(2008年 岩崎書店)

大人気の玩具菓子「ほねほねザウルス」が読み物に。主人公のティラノサウルスのベビーが、親友のトリケラトプスのトップス、ステゴサウルスのゴッちゃんといっしょに、冒険の旅へ。謎解き、敵との戦いなど、わくわくするストーリーに、迷路やクイズが盛りだくさん。

<こどもプレゼンターの選んだ理由>
トップスがなにも知らないのがおもしろいのと、いっぱい仲間ができるからです。(1年生・男の子)

<作者受賞コメント>
前回(第3回)と同じ9位に、前回以上の喜びを感じております。前回はたまたま選ばれただけかもしれないという思いがありましたが、今回また選ばれたことで、それが払拭され、大きな自信になりました。(大崎悌造氏)

第10位『100かいだてのいえ』
作/いわいとしお(2008年 偕成社)

いわいとしお氏によるロングセラーシリーズの第1巻。主人公・トチくんのもとに届いた手紙をきっかけに訪ねることになった家は、なんと100階建て。縦開きで大迫力のイラストを楽しみながら、主人公と一緒にてっぺんを目指していく、ワクワクドキドキの絵本。

<こどもプレゼンターの選んだ理由>
100かいだてのいえから見る星はきれいだと思いました。(1年生・女の子)

<作者受賞コメント>
今、シリーズで6冊出てるんですけど、まさか何冊も描くとは思っていませんでした。それを描けたのも、読んでくれる子どもたちの大きな応援があったからこそ。小学生のみんなが選んでくれる賞ということで、これ以上うれしいことはないです。(いわいとしお氏)

大人気絵本作家の新刊は、働いて生きていくことについて考える本

ここまでで紹介した第4回「小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙」で、1位『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)、4位『あるかしら書店』(ポプラ社)に選ばれた、ヨシタケシンスケさんの新刊『おしごとそうだんセンター』が2024年2月26日(月)に発売される。

今回の内容は、地球に不時着して仕事を探しはじめた宇宙人が、おしごとそうだんセンターの係のお姉さんと一緒に、働いて生きていくことについて考える、ヨシタケ版ハローワークストーリーとなっている。

『おしごとそうだんセンター』の内容をチラ見せ

「はたらくってどういうこと?」
「自分に向いているしごとってどうやって見つける?」
「やりたい仕事をするためにはどうすればいい?」

など、子どもにとっても大人にとっても悩ましい仕事にまつわる「?」の数々に、ヨシタケさんのユーモアと哲学がどんな回答を導き出すのか。子どもに本を読んでほしいパパママも一緒に是非とも読んでみてほしい一冊だ。

『おしごとそうだんセンター』(株式会社集英社)

著者:ヨシタケシンスケ

2024年2月26日(月)

1,760円(10%税込)

A5判ハードカバー オールカラー

ISBN:

978-4-08-771858-4

「しごと」ってなんだろう?
地球に不時着した宇宙人がやってきたのは、ちょっと風変わりな職業相談所。
宇宙人は相談所のスタッフと一緒に、この星で生きていくこと、働くことの意味について考えはじめる。
誰もが避けて通れない「仕事」の意味を問い直し、明日をちょっと明るくする、
すべての子どもと大人のためのヨシタケシンスケ版“ハローワーク”ストーリー!

取材・文/二ッ屋絢子 イベント写真/恵原祐二 第4回『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』ベスト10書影画像提供/こどもの本総選挙事務局

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