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「ゲイだけど女性と結婚したい」という男性が求める恋愛関係やセックスのない「友情結婚」とは? 専門の結婚相談所やマッチングアプリも登場

集英社オンライン / 2024年2月14日 17時1分

「友情結婚」という結婚の形をご存知だろうか? 友情結婚は、恋愛感情や性的なつながりを持たない結婚の形として、近年注目されつつある。今回は、年間1000人以上の男女の恋愛サポートを行なう恋愛・婚活コンサルタントの田中亜依氏が、友情結婚に向けて婚活しているというゲイの男性に話を聞いてみた。

友情結婚を望む理由はさまざま

「友情結婚」は、恋愛感情や性的関係を抜きにして婚姻関係を結ぶ新しい結婚の形だ。

アラフォーのゲイ男性である、たくさん(X:@kdl564)は、同性ではなく異性との友情結婚を望んでおり、いままさに婚活の真っ最中とのこと。

ゲイやレズビアンといった同性に対して恋愛感情を持つ方の結婚の形として、まず思い浮かべるのは「同性婚」だろう。同性婚は、現状日本では法的には認められていないものの、多くの自治体でパートナーシップ制度が施行されるなど、取り巻く現状は変化しつつある。


たとえば東京都渋谷区では、「渋谷区男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」に基づき、パートナーシップ証明の取り組みを行っている

一方で、たくさんはなぜ恋愛対象である同性との結婚ではなく、異性と友情結婚をしたいと思うようになったのだろうか。

「私はゲイですが、同性婚をしたいと思ったことはなく、昔から『結婚するなら女性としたい』と思っていました。ゲイやレズビアンの中にも、異性婚を望む人の割合は一定数います。

なぜ恋愛対象である男性ではなくて女性なのかという点で、理解し難いと思われる方もいるかもしれません。私の場合、これまでも好きになるのはストレートの男性の方ばかりで、ゲイの男性に対して恋愛感情を持ったことがないんです。それに、私はごく親しい友人にしかゲイであることをカミングアウトしていません。だから、同性婚が自分の望む結婚の形ではないと思うのかもしれませんね」(たくさん)

友情結婚を望む人の背景にはそれぞれの思いや経験がある。では、そもそもなぜ結婚をしたいと思うのだろうか。男女ともに生涯未婚率は増加しており、結婚しないという選択肢もあるだろう。

「一番の理由は、支え合えるパートナーがほしいから。それに加えて、やはり世間体もありますね。今では独身に対する世間の目は変わってきていると思いますが、私の会社では独身というだけで下に見られてしまうんですよ。結婚していない人は、何か問題があるからだという空気感があって…。それから両親からのプレッシャー、一生独りで生きていくことへの不安などもあります」(たくさん)

「友情結婚の婚活」ならではの難しさ

たくさんは結婚相談所に登録したり、マッチングアプリを使ったりして、地道に婚活中だ。今では友情結婚を専門とした結婚相談所もあり、恋愛感情や性的関係を抜きとした出会いの手段はいくつかあるようだ。

「友情結婚の結婚相談所では、紹介してもらった方に何人かお会いしました。最初はホテルのラウンジなどきちんとした場所でお会いして、また会いたいと思ったら連絡先を交換する……という流れで、一般的な結婚相談所と変わらないと思います。

また、自分のプロフィールに年齢や身長、年収などの項目のほかに、同居を希望するか、子どもを望むかどうかといった項目もあります。友情結婚は性的なつながりのないものなので、子どもを望む場合は体外受精などの手段を採ることになります」(たくさん)

友情結婚を専門にした結婚相談所やマッチングアプリも登場している。写真は日本初の友情結婚専門の結婚相談所「カラーズ」

婚活には悩みがつきものだが、友情結婚ならではの婚活の難しさはあるのだろうか。

「恋愛結婚だと、相手に興味があって、もっと相手のことを知りたくて、自分のことも知ってほしいと思うじゃないですか。好きだから相手に好かれたくて、優しい言葉をかけたり、贈り物をしたりする。

でも、私の場合は異性に対して恋愛感情がなく、その過程がないので、お互いの興味を持続させながら信頼関係を築いていくのが難しいと感じます。友情結婚という目的は共通していますが、人間愛のようなもので信頼関係を築くのって、思っていたより難しいですね」(たくさん)

「新しい結婚観」として広まる可能性も

友情結婚では恋愛感情や性的欲求が排除されているからこそ、相手への尊敬や人としての興味がより必要になるのかもしれない。

ただ、肉体関係を含まず、人としての信頼関係によって結ばれる結婚だからこそ、安心できるという人もいるだろう。実際、友情結婚を求める人の中には、他者に対して恋愛感情や性的欲求を抱かない人、肉体的なつながりを求めない人も多い。

また、筆者は婚活コンサルタントとしてさまざまな婚活の悩みを聞いているが、男性不信の女性に出会うことが少なくない。

男性に対して不信感や苦手意識があるけど、結婚はしなくてはならないものという強迫観念のような思いを抱えて婚活している方が一定数いる。今回実際に友情結婚を望む方の話を聞き、人として信頼関係を築く友情結婚なら、男性不信に陥っている方としてはむしろハードルが低くなるかもしれないと感じた。

友情結婚は今後、マイノリティの選択肢としてだけでなく、新しい結婚観として広まっていく可能性は大いにあるだろう。

インタビュー・文/田中亜依

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