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パパ活女子、ギャラ飲み女子の「無申告」はなぜバレる?百戦錬磨の税理士も二の足を踏む、特殊な経費事情〈夜職の確定申告〉

集英社オンライン / 2024年2月20日 19時1分

現代の女性が男性から「お小遣い=報酬」をもらう稼業の代表格といえば、パパ活女子とギャラ飲み女子だろう。だが、「男性から女性への援助」という点で共通するものの、実態は大きく異なる彼女たちの納税事情とは? 夜職の案件を取り扱う税理士法人松本と紐解いていく。(全4回の2回目)

パパ活女子の無申告がバレたワケ

パパ活は、一般的に若い女性(パパ活女子)が年上の男性(パパ、オジ)と擬似的な男女交際、一回限りの愛人関係などを結んで金銭的な援助を受ける活動である。かつて援助交際と呼ばれた現象と似ているが、学費や生活費の一部を賄うなど、必要に迫られて活動している女性も多く、社会問題となっている。

一方、ギャラ飲みは、専門のマッチングサービスに登録している女性がギャラ飲みを運営している会社からの紹介によって、男性と飲食などをした対価として、男性からお金を受けとる活動である。通常、女性は飲み会に同席して会話などのサービスを提供するだけで、性行為などは含まれない。気軽な印象があり、このギャラ飲みをアルバイトや副業として収入を得ている女性も多い。



では、そもそも、パパ活女子、ギャラ飲み女子は確定申告しているのだろうか? 風俗業・キャバクラ・ホストクラブなど夜職の案件を取り扱う税理士法人松本に見解を聞いた。

「ギャラ飲み女子は報酬が振り込みですが、正直、パパ活女子は現金受領のケースが多いため、無申告の方が多いのが現状です。ただし、足がつかないわけではありません。『パパ活女子への支払いをパパ側が経費で計上し、その支払先がパパ活女子になっていたために無申告が発覚した』という事例もありました。

皆さんの記憶に新しいのは、複数の男性から金銭をだましとったとして昨年8月に逮捕された『頂き女子りりちゃん』ではないでしょうか。りりちゃんは銀行口座に多額のお金を入れていましたよね。

税務署は本人の許可を得なくとも、銀行口座の入出金情報やクレジットカード利用情報などを確認することができるので、そう簡単には隠し通せないんです」

※写真はイメージです(Shutterstockより)

ところで、パパ活で得た報酬にかかるのは、所得税なのか? それとも贈与税なのか? 例えば、パパとゴルフに行く際のウェア代、ヘアセット代、交通費などは経費として計上できるのだろうか? 税理士法人松本の見解は以下のとおり。

「プレゼントの場合は、基本的には贈与税の対象になるケースが多いと思いますが、デートのお手当などは所得税の対象となるため、一概には言い切れません」

例えば、複数のパパがいたり、明確な契約があったりするなど、第三者から見ても明らかに「何かしらの見返りを約束し、対価を得ることを目的としたもの」であった場合、所得税が課されるケースもある。単に金額の大小ではなく、そういった視点から判断されるのだ。

ギャラ飲みは足がつきやすい?

一方、ギャラ飲みは、男女ともにマッチングサービスを使うことが多いため、金のやりとりは管理サイトを経由して行うケースが多い。男性が管理サイトに金を支払い、その後、管理サイトが女性に金を振り込むというシステムができあがっているのだ。

管理サイトを通しているため、現金受領が横行しているパパ活とは違い、金銭の動いた記録が残りやすく、証明しやすい。さらに、銀行口座を登録している場合、税務署は入出金情報を確認できるため、反面調査(対象者本人ではなく、取引先など関係各所に実施される税務調査)がやりやすくなる。

実際、2022年には、3年間で約4000万円の所得を得ていたギャラ飲み女子が申告漏れを指摘され、約1100万円の追徴課税を受けた。その後、ギャラ飲みのマッチングサービスを運営している会社にも税務調査が入る事態になり、大きなニュースとなった。

財務省・国税庁

税理士法人松本がギャラ飲み女子の納税事情を明かす。

「当社にも多くのギャラ飲み女子の方から問い合わせがあり、確定申告の依頼を受けています。ギャラ飲み女子は報酬が振り込みで支払われるため、足がつきやすい。申告漏れしていた場合、あとで大変な目にあいますよ」

ギャラ飲みに向かうタクシー代は経費になる?

では、マッチングサービスのサイトを通さず、個人的なつながりでギャラ飲みをしているのであれば、税務署にバレることなく、納税を回避できるのだろうか? 実際のところ、決してそんなことはなく、まったく予想外のところから露見することもある。

ギャラ飲み女子の中には、インフルエンサーとして活動していたり、そういった願望を抱えていたりする人も多いが、SNSで豪華な生活をアピールしすぎた結果、第三者から通報を受けて税務調査が行なわれ、脱税が発覚するケースもある。ギャラ飲み女子に“嫉妬”した身内から、税務署に密告されるパターンも多いようだ。

また、ギャラ飲み女子が確定申告する場合、経費とするにはグレーなものが多く、百戦錬磨の税理士であっても二の足を踏むという。税理士法人松本が明かす。

「そもそも経費の定義がかなり曖昧です。飲み会に向かうためのタクシー代は経費として計上できる可能性が高いですが、例えば、自分をよく見せるためのSNS投稿を広告宣伝費扱いにできるかというと微妙です。SNSへの投稿は私欲が混じっていると判断されやすいと思います。

もちろん、だからといって申告しないのは当然NG。無申告の場合、申告漏れを指摘されると、本税に加えて加算税や延滞税が課されるリスクがあることを覚えておいてほしいです」

取材・文/丸山ゴンザレス 取材協力/税理士法人松本

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