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昨日まで聞こえていたのに、急に片方の耳が聞こえなくなった! 多くの芸能人も悩む 「突発性難聴」にならないための5つの生活習慣

集英社オンライン / 2024年2月22日 12時1分

先日、人気お笑いコンビ・シソンヌの長谷川忍さん、NHK紅白歌合戦にも出場したバンド「Mrs. GREEN APPLE」のボーカル大森元貴さんが、立て続けに突発性難聴であることを発表した。突然、耳が聞こえなくなる「突発性難聴」とはどんな病気なのか、その原因や治療法について、きたにし耳鼻咽喉科の院長、北西剛先生が解説する。

昨日までは平気だったのに、突然、片方の耳が聞こえなくなる

突発性難聴はその名の通り、左右どちらかの耳(両方ということもあります)が突然聞こえなくなる疾患です。

幅広い年代で起こりますが、特に40歳~60歳の世代に多く見られます。前日までは聞こえていたのに、朝、テレビや電話の音が急に聞こえなくなって初めて症状に気が付くという場合が多いようです。



また、耳が聞こえなくなる症状に前後して、耳が詰まった感じがする、耳鳴りがひどい、めまいや吐き気などを伴うケースもあります。

そもそも耳は、外耳・中耳・内耳の3つの構造できています。音は外耳から入り、中耳にある鼓膜を振動させます。その振動は耳小骨の振動となり、内耳にある蝸牛(かぎゅう)に伝わります。蝸牛にあるリンパ液、有毛細胞が電気信号に変換され、脳神経を経て脳に音として認識させることで、私たちは音を聞くことができるのです。

難聴は、この音が伝わる経路のどこかで障害が起こることで、耳が聞こえなくなる症状です。

突発性難聴の場合、内耳にある蝸牛の障害によって起こる感音難聴に区分されています。そのため、突発性難聴の原因は音を感じ取って脳に伝える役割をしている有毛細胞が、なんらかの原因で傷つき、壊れてしまう、もしくはウイルス感染や有毛細胞に血液を送っているときに生じる循環障害によって起こるという説があります。いずれにしても、はっきりした原因はいまだ明らかになっていません。

ですが発症前に、仕事や家事などによる過労や寝不足、周囲とのトラブル、ストレスを抱えていたケースが多く見られます。耳はストレス、環境変化などに弱く、影響を受けやすい器官なのです。

いずれもはっきりしたエビデンスはありませんが、近年のストレス社会、電磁波環境の悪化、就寝前にスマホを見ることで交感神経の刺激が強まり、睡眠負債に陥ったり、体が適応できないほどに激変する気候変動・気圧変動などが主な要因となっていると思われます。

さらにストレスや不規則な生活によって血液循環や免疫力が低下することも、難聴の引き金となっているとも言われていて、誰にでも起こり得る可能性がある疾患と言えます。

治療は早ければ早いほどいい

少しでも難聴の症状がある場合、早めに耳鼻科を受診するようにしましょう。

耳垢がつまっている、加齢にともなう難聴、騒音にともなう難聴、聴神経の腫瘍など、いろいろなケースがあるので、適切な検査、診断が必要になります。
耳鼻科では、まず耳の中をみて、耳垢がつまっていないか、滲出性中耳炎がないかを確認します。そういった病気がない場合、引き続き聴力検査を行ないます。
聴力検査で難聴、特に「感音難聴」という聴力の神経が悪くなっている難聴の症状が見られた場合には、突発性難聴の可能性があります。ただし、以前から聞こえが悪かったのか、急に悪くなったのか、その経過によって診断が変わる場合もあります。

治療には通例、ステロイド剤、循環改善剤の点滴や内服薬を用いることが多いです。
ステロイドは1~2週間かけて徐々に減量していく漸減(ぜんげん)療法が一般的です。また、施設によっては、高気圧酸素療法、鼓室内ステロイド剤療法などを行う場合もあります。適切に治療した場合、30~40%の確率で完治し、50%はなんらかの改善が見られます。しかしながら、さまざまな治療を行なっても改善が見られない場合もあります。

治療開始が遅れると効果に影響を及ぼす可能性があるので、早めに受診し、医師に相談しましょう。

急激な気圧の変化に注意を

また、投薬による治療以外にも、生活リズムを整えて、安静に過ごすことも大切です。難聴の悩みのある人は、以下のことに注意して過ごしましょう。

1 耳への負担を軽減
大音量で音楽を長時間聴かないようにする。 飛行機に乗る、高地にドライブにいく、列車でトンネルを通るなど、急激な気圧変化にさらされる状況に注意する。

2 ストレス対策をする
本を読む、ゆったりとした音楽を聴く、リッラクスできる香りをかぐ、同じ姿勢ばかりにならない、自然に触れる、マインドフルネスやアーシングをするなど自分がリラックスできるようにする。

3 食習慣に気をつける
<おすすめの食材、栄養素>
・抗酸化、ストレス対策として :ビタミンC 、パプリカ・芽キャベツ・レモン・ゴーヤ
・聴覚に関係するミネラル補給として
亜鉛なら →牡蠣・きなこ・のり・ソラマメ・ごま
マグネシウムなら →玄米・大豆・わかめ・ほうれん草・アーモンド
・神経栄養として:ビタミンB群(特にビタミンB12) さんま・牡蠣・あさり

4 睡眠時間、睡眠のリズム(早寝早起き)を大切にする
睡眠の3大要素、「長さ、リズム、質」を改善する。睡眠時無呼吸症候群なども注意するように。
特に寝室環境は、しっかりと暗い部屋で寝る、寝床周辺にスマホや電子機器を置かないようにする。また、室温温度差を作らないように。特に冬季は室温を常に18℃以上を保つよう心がける。

5 体を動かす
少しでもいいので、運動習慣をつけるようにするとストレス対策にも。

突発性難聴は同じ耳には再発しないとされています。もし難聴を繰り返すようであれば、メニエール病や聴神経腫瘍など、他の病気の可能性もあります。

また、同じ難聴でも「急性低音障害型難聴」という疾患があります。単純にいうと、突発性難聴よりも、難聴の程度が軽く、低音を中心に難聴をきたす疾患です。

めまいを伴う代表的な病気であるメニエール病も、同様の低音の難聴をきたします。
突発性難聴では、ほとんどの方が難聴・聞こえが悪くなったことを自覚できると思いますが、低音障害型難聴は、難聴という病名ながら意外に症状を自覚しない方も多くいます。「耳鳴りがする」「耳がつまった感じがする」「音が耳に響く」という訴えで当院に来院されることもしばしばあります。

診断を確定させるためにも、こうした症状が気になったときは、できるだけ早期に耳鼻咽喉科を受診しましょう。

取材・文/百田なつき

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