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住宅街に溶け込む最先端セレクトショップ店長に聞く、「クラフトスニーカー」の魅力

集英社オンライン / 2022年6月1日 16時1分

清澄白河の住宅街で営業しているクラフトスニーカーショップ「L&HARMONY」。なぜ住宅街の真ん中でショップを開いたのか。「クラフトスニーカー」の魅力とは? 店長の角さんに話を聞いた。

東京深川、清澄白河駅から10分ほどの住宅街を歩いていると、突然おしゃれで開放的なアパレルショップが現れる。看板を見ると「L&HARMONY」というお店らしい。
中を覗くと大量のスニーカー。聞くと、クラフトスニーカーを中心としたセレクトショップだという。

なぜこのような場所でショップを開いたのか、「クラフトスニーカー」とはどんなものなのか? 店長の角さんにお話をうかがった。

小規模で勝負するためにスニーカーへ特化

L&HARMONYの創業は2015年、EC中心のセレクトショップとしてスタート。何度かのポップアップ出店を経て、2018年6月に第1号店としてこの清澄白河店をオープンした。
いまではスニーカーが店内のほとんどを占めるが、店舗オープンからしばらくは自社ブランドのアパレルを中心に様々なアイテムを置いていたという。

「ぼくらのような中小規模の業態では、何でも置いてある状態を目指すと、何のお店かよく分からずボンヤリした印象を持たれてしまう。店舗オープンからしばらくして、何かに特化しないと生き残れないな、ということに気づいたんです」

当時扱っていた商品の中でも、とあるスニーカーの売上が好調だったところから、「大手チェーン店ではなかなか見ないような、少量生産のスニーカーに特化していったら面白いのではないか」と思い至り、そこからスニーカーの取り扱いを強化していったそうだ。
この作戦は成功し、現在はレアなスニーカーが集まるショップとして一定の知名度を獲得している。決してアクセスが良い立地とは言えないのに、連日お客さんで賑わっているという。

クラフトスニーカーの魅力

L&HARMONYにはたくさんのスニーカーが並んでいるが、NIKEやadidas、New Balanceのような誰もが知っている大手ブランドの商品は扱っていない。
大量生産ではない、クラフトマンシップ、職人技を感じられるようなスニーカーたちを「クラフトスニーカー」としてセレクトしているのだ。

「ファッションアイテムとしては、疲れにくい・壊れにくいといった機能性の高さと高いデザイン性を備えつつ、人と被りにくいというのが大きな魅力ですね」

クラフトスニーカーのブランドには、軍用の靴を製造していた工場が始めたファクトリーブランドなど、実用性重視のものづくりが原点となっているところが多い。そのため、歩きやすさ・耐久性・防水性などの機能が優れているのだ。

少量生産だからこそできる製法を取り入れているブランドも多い。例えばスロバキアのNOVESTAや久留米のMOONSTARで使われている「ヴァルカナイズ製法」は、手作業が多く生産効率は落ちてしまう一方で、ソールを非常にしなやか、かつ壊れにくいものに仕上げることができるという。

ヴァルカナイズ製法が使われているMOONSTARのALWEATHER

もう一つクラフトスニーカーに共通する特徴として、ロゴやブランド名を全面に押し出さない、シンプルな見た目の「引き算のデザイン」が挙げられる。

「目立つロゴがなくデザインもシンプルなため、通勤用に買われていく方も多くいます。女性のハイヒール離れが進んでいますが、その移行先としてもよく選ばれますね」

「人」を大事に、日常に寄り添う

なぜ1店舗目の場所として清澄白河の住宅街を選んだのだろうか。

「清澄白河駅近くのカフェ(iki Espresso)併設のスペースで何度かポップアップをやらせてもらったのがきっかけです。近隣のお客様からの反応が良かったのと、ブルーボトルコーヒー1号店のオープンをきっかけにエリア全体がどんどん変化している真っ只中で魅力的だった、というのも大きな理由です」

「繁華街ではなく住宅街という立地のおかげで、日常に寄り添うショップになれる、というのがこのエリアの魅力の一つだと思っています。2号店は渋谷のミヤシタパークに入っているんですが、そういった立地だと『お店に行くぞ』とある程度、気合を入れて行くことになります。対してこの清澄白河本店は近くのスーパーで夕飯の食材を買った帰りとか、休日の近所のお散歩とか、日常の延長で肩肘張らずに寄ってもらえる場所なんですね。ネギの入ったビニール袋をぶら下げておしゃれな靴を買いに行く、ってなかなかない体験だと思いますし、このアンバランスさは大事にしていきたいです」

店舗を運営する上で一番大事にしているのは「人」だ、と角さん。目の前の売上よりも、お客さんとの信頼関係を築くことを最優先にしているという。

「アパレルで接客されるのは苦手だっていう方も多いと思うんですけど、少しでも『接客を受けてよかった』と思ってもらえるよう、ひとりひとりのお客さんをしっかり見て丁寧なアプローチを心がけています」

いまイチ押しのスニーカーは?

最後にイチ押しのスニーカーを教えてもらった。

「一番はNOVESTAのMARATHONですね。柔らかい色味とシンプルなデザインでコーディネートしやすいのと、機能的で非常に疲れにくいのが魅力で、これはめちゃくちゃ売れてます」

NOVESTAのMARATHON

「それから宣伝になっちゃうんですけど、この5月から『yomiya 宵宮』という自社ブランドの展開も開始しました。こちらもオススメしていきたいと思っています」

5/21に発売開始したばかりの新商品、yomiyaのbasketとslip-on

撮影 / 小宮麻吏奈

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