NEC、P&G…「すごい会議」を取り入れる世界的企業が問題にぶち当たると使う「奥義集団の型」とは
集英社オンライン / 2024年3月15日 8時1分
NEC、P&G、モルガン・スタンレー、アクセンチュアなど、世界中の元気な会社で採用されている「すごい会議」。これを日本に広めた大橋禅太郎氏はかつて、実際に「すごい会議」を経て会社を変革させた。今も色あせない当時のエピソードを『【新版】すごい会議 短期間で会社が劇的に変わる!』より一部抜粋、再編集してお届けする。
アメリカで「すごい会議」の提唱者であるハワード・ゴールドマン氏(以下、ハワード)に出会い、そのセッションを受けた大橋氏や経営メンバー。短期的かつ明確で、インパクトがある「戦略的フォーカス」を立て、組織として再スタートを切った。しかし早々に、さまざまな問題に当たることにーー。
ビジネスは必ず「問題」にぶちあたる
ハワードに導かれて始まった、この一見無茶な戦略的フォーカスを立てて組織として動き出すと何が起こるか?
組織によって反応はさまざまだが、唯一共通していることがある。
それは、「戦略的フォーカスを達成するのは簡単ではなく、達成の障害や問題となることが次々と起こる」ことである。
いままで解決できていなかった問題を解決しなければ、達成できない目標なので当たり前のことなのだが、多くの組織の場合、問題が起こると、「どうしていいのかわからない」僕の小学校四年生のときと同じ状態になってしまうことがよくある。
「がんばって」済む問題ではないのだ。 もちろん僕らの組織でもそれが起こっていた。
【会社的には起きていたこと】
①新製品の仕様が合意できない
②新製品リリースのために必要な資金が集められない
③新製品を試してみようというお客さんが集まらない
【技術部門的に起きていたこと】
④どう見ても開発の時間が足りない
⑤コーディングのスタイルが人によって違うので、人のプログラムを理解するのに時間がかかりすぎる
⑥現在開発したプログラムのバックアップをとってないので、万一なにかがおこったら一からやりなおしになる
⑦新設計のネットワークだとルーターのメモリーだけで200万円かかる
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ビジネスを日々進めていくうえで、確実に「問題」にぶちあたる。
それらの多くは解決策が見えない(または現在やっている行動がうまく成果に結びついていない)。そんなときは集団で問題にアプローチしてみる。
名付けて、「奥義集団の型」。
この型は動けば最もパワフルに成果に影響を与える。ただこれは、簡単な型ではないので、まずは自分自身でやってみて使えるようになったら、集団でやってみる。
集団で問題にアプローチする「奥義集団の型」
■ステップ1■
問題点または懸念→パワフルな質問で表現する
例:「どのようにすれば、目標を達成するために、日々の業務のパフォーマンスにブレークスルーをもたらせるか」
まずは問題を、「どのようにすれば○○できるだろうか?」のかたちにする。
この文章のつくり方しだいで答えの質が変わる。
ここでパワフルな質問文ができれば、この型は半分成功している。
■ステップ2■
現時点での状況→(データ/事実/何が起こったか?/何を感じとれるか、観察できるか?)
例:「私の主張では競合製品の価格のほうが安い」
「私の主張では納期が守られないことがある」
このステップでは問題の周りでどんな現状があるかを10分程度で15個ほど挙げる。
ここでのポイントは、現状に対するオピニオンが違っていても、それについてはディスカッションをしない。
そこで「『私の主張では......』で言う」というルールにすると、自分と違うオピニオンが出ても反発感が起こりにくい。
実はこのステップが終わった時点で、成功か失敗かは90%以上確定している。
このステップがうまくいっていると、解決策が勝手に出てくるのだ。
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■ステップ3■
提案、代替案、創造的な解決策、検討の可能性
例:「私の提案は......」
ステップ2がうまくいくと、とても不思議なことに解決策がいろいろ思い浮かぶ。そこで、このステップで、提案をシェアする。
ここでも同じように「私の提案......」で始めると、背反する意見や、違う意見での不必要なディスカッションが起こりにくい。
■ステップ4■
アクション――成功の定義が決まっているコミットメント(いつまで?質?量? 誰がどのようにして知るか?等)
例:「私はリクエストがあります(何々してもらえますか?)」
「私は約束します」
ステップ3ではいろいろとナイスなアイデアが出てくるのだが、要はアクションが起こされるかどうかである。
ステップ3の中のアイデアから、リーダーがやるものとやらないものを決めて、アクションを起こすのが適当な人に「XXさんYYまでにZZといったアクションを起こしてください」とリクエストをする。
リクエストされた当人はYESでもNOでも、またそれについて交渉してもかまわない。そこでYESが出ることによって、アクションが約束される。
文/大橋禅太郎 画像/shutterstock
『【新版】すごい会議 短期間で会社が劇的に変わる! 』(大和書房)
大橋禅太郎 (著)
![](https://assets.shueisha.online/image/-/2024/03/07133638166433/400/sugoi.jpg)
2024/1/20
1,760円
176ページ
978-4479798033
会社を劇的に変革する「すごい会議」とは
「すごい会議」のやり方で、あなたの会社は劇的に変わる!
ユダヤ人マネージメントコーチ・ハワード・ゴールドマンにより開発された「すごい会議」のやり方は、ヤフー!、アップル、NEC、Hewlett-Packard、アメリカン・エキスプレス、P&G、モルガン・スタンレー、アクセンチュアなど、世界中の元気な会社で採用されている。
「すごい会議」のやり方を読むと、
・会議での話し方、聞き方が変わる!
・問題の解決のしかたが変わる!
・意志決定の方法が明確になる!
・各自がなにをするのかがはっきりわかるようになる!
そして、会社全体が短期間に進化し、業績がアップする!!
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