2023年。阪神タイガースは日本一になった。
終わってみれば2位の広島に11.5ゲーム差をつける圧勝。新聞テレビ雑誌あらゆるメディアは黄色に染まり、そのなかで監督の岡田は連日のように「名将」と大絶賛された。
岡田とは孫ほどに年の違う選手の起用論、育成論が分析され、岡田の口癖であり「優勝」の隠語を意味する「アレ」は「A.R.E.」というチームスローガンになり、年末恒例の新語・流行語大賞にもなった。経済効果は969億円。改めてタイガースの持つ圧倒的な力を見せつけられた。
書籍『虎の血』では、1955年シーズンにわずか33試合で“解任”された、阪神タイガース第8代監督・岸一郎を通じて「なぜタイガースが優勝できないのか」という議題を取材してきた。オーナーと本社、球団の力関係。