「天は人の上に人を造らず」といえば、福沢諭吉の『学問のすゝめ』にある一説としてあまりにも有名だ。この言葉は、人間の平等を説いたものだが、岡崎氏は同書から別の言葉を引用し、こう説明する。
「福沢諭吉の『学問のすゝめ』には『されば賢人と愚人との別は学ぶと学ばざるとによりて出来るものなり』とも書かれています。つまり人は生まれによって差はついていないけれども、学びによってその差が出るということ。だから我々は、学び続けなければならないんです」
では、転職を考えている人にとって今、学ぶべきことは何なのだろうか。
「まず転職において大事なのは、結果的に自分の価値や能力を高められるかどうか。そのうえで学ぶべきことは、大きく3つあると思っています。1つ目は、お金について勉強すること。
日本では今、年収1000万円ぐらいの方々の破産リスクがいちばん高いと言われています。なぜかというと、ある程度何でも買えてしまうから。ついついローンで欲しいものを買ってしまった結果、月々の支払が増える。でも今の世の中は不安定なので、会社が突然、潰れてもおかしくない。もしくはダウンサイジングで給料が少なくなり、結果的には支払えなくなって破産をする。現実的にそうしたことがあるわけです。
専門的な知識をつけなさいとまでは言いませんが、最低でも『今の収入と支出のバランス』や『将来必要なお金はどのくらいか』『ケガや病気などのリスクが発生したときに、どの程度お金があれば回避できるのか』などの対策は、きちんとしておく必要があるでしょう」