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渋谷のハプニングバー摘発から一か月。現場に居合わせた常連女性の消えない「ハプバロス」

集英社オンライン / 2022年6月6日 18時1分

5月8日に「日本最大級」をうたう渋谷のハプニングバーが摘発され、一か月が経った。オープンから15年間も営業を続けていた老舗中の老舗だけに、常連客からは突然の閉鎖を惜しむ声も聞こえてくる。そんな中、7年間もこの店に通いつめ、摘発時も店内にいたという常連女性(35歳)が、今の思いを告白した。

楽しくて気持ちいいことができる場所

5月8日に「日本最大級」をうたう渋谷のハプニングバー『Sleeping Beauty~眠れる森の美女~(通称SB)』が摘発され、一か月が経った。

その場で“行為”に及んでいた男女の客が公然猥褻の現行犯で、また、経営者と店員が公然猥褻幇助の疑いで逮捕されたこの事件。当時、Twitterのトレンドワードに「ハプニングバー」があがるなど、大きな話題となった。



ハプニングバーというと“アブノーマルな素人が集う場所”とのイメージもあるが、都内の一般企業で働く、ハプバー歴7年の坂田ゆうこさん(仮名、35歳)は「私にとって『SB』は楽しくてあったかくて、人に大切にされている感覚を得られる、かけがえのない場所だった」と話す。

目鼻立ちの整った清楚系美人の坂田さんは、自分のことを「セックスが好きってこと以外は何の特徴もない、コミュニケーション能力低めのOL」と自嘲する。

「地方出身で就職と同時に上京。そこからずっと昼職です。彼氏いない歴は7年で、友達も少ないので時間を持て余すんですよ。もともとセックスは好きなので、誘われて嫌じゃなければわりと簡単にしてしまうタイプで(苦笑)。

10年くらい前から、マッチングアプリで男性と出会ってはセックスするってことを繰り返してました。中には付き合いたいなあって思う人もいたけど、どうしてもそれ以上の関係になれない人が多かったですね」

坂田さん(仮名、35歳)。昼は一般企業で働き、7年間、週末はほぼ毎週のように「SB」に通っていたという

彼女が初めてハプニングバーを訪れたのは7年前。マッチングアプリで出会った男性に誘われて、ノリで「SB」に行ったのだとか。

「スタッフさんもみんな真面目で良い人で、最初はただ飲んで、楽しい時間を過ごす場所でした。女性にとって嫌なことを無理やりされる場所じゃなかったし、なんなら“あの人としたい”って思う男性がいたら、スタッフさんも話に加わってくれて、なんとなーく盛り上げてくれるんです。万が一、強引な人が現れたら、スタッフさんが守ってくれました。

それでお互いが嫌でなければセックスまでできる場だったので、私にとっては楽しくて気持ちいいことができる、居心地が良すぎる空間でした。だからこそ7年も通っちゃって婚期が遅れたんですが(笑)」

ハプバー通いに一抹のうしろめたさを感じながらも、居心地のよさと、「開業から15年間、一度も摘発されずに営業を続けていた『SB』ならば大丈夫だろう」との安心感から、彼女はいつしか常連客となっていた。

摘発時はノーブラにシャツ1枚

その後、週末は毎週のように「SB」に通うようになった坂田さんだが、実は5月8日の摘発時、彼女はちょうどその現場に居合わせていたという。

「当日は店で不定期的に行われるイベント日で、水鉄砲にローションを入れて、それを撃ち合って遊べる日でした。イベントもひとしきり盛り上がって、みんな疲れ果ててシャワーでも浴びようか……ってタイミングで警察が押し寄せてきたのです。

私はその時、ノーブラにシャツ1枚だったから“捕まる、もうダメだ”って思いました。会社もきっとクビになるだろうし、顔から血の気が引いて、頭の中が真っ白になりました。

でもだんだんと、あんなにお客に対して良くしてくれた店長もスタッフも逮捕されて、店も営業終了になったら、ここでは遊べないのか……という寂しさや喪失感に襲われました」

その後、警察の取り調べを受け、店を出たのは午前2時近く。知り合いの常連客たちと「またいつか会えるといいね」といって別れたという。

「“またいつか会えるといいね”と言ったのには理由があって、SBでは表立っての個人同士の連絡先の交換が禁じられていたんです。だから私はそこで関係した男性と連絡交換をしたこともなければ、外で会ったこともありません。みんなこうした規律を守る真面目なお客さんばかりでしたよ」

摘発された東京・渋谷のハプニングバー「SB」

客だけでなく店長をはじめとしたスタッフも、真面目な人たちばかりだったという。

「店長はみんなから“りきさん”って呼ばれて親しまれていました。イベントの時は誰もが知るロックバラードを、シラフなのに感情込めてど真面目にパンイチで独唱して、みんな大爆笑でした(笑)。

日頃から『ここは女性優位だから。女性の意見が尊重される場所だから』って私たちを守ってくれたし、一方でセックスした後、疲れて寝落ちしたりすると『ここは寝る所じゃないよ』と、厳しく注意もしてくれて。

エロが好きな人が集まる場所だからこそ、締めるところは締めるというか、規律を大事にする人でしたね。そんな店長だったから、スタッフも常連客も、まともな人が多かったんだと思います。店内でのマスク着用も律儀に守られており、みんな半裸なのにマスクだけはしっかりしていましたから」

ハプバーは「駆け込み寺」だった

「SB」が摘発されてから、坂田さんの心には大きな穴がぽっかりと空いたままの状態だという。

「ハプバー通いしていることは、会社の同僚はもちろん、友達にも言ってないんです。都会の一人暮らしはやっぱり寂しいし、なんとなく嫌なことがあると、駆け込み寺的に行ってたのが『SB』でした。

名前はもちろん、どこに住んでいて、どんな仕事をしているかも知らない。だけど何年も付き合いのある常連客たちと、他愛のないお喋りをすることが息抜きでした。飲んでワイワイして本当に楽しかった。

それに、いいなって感じた男性と流れでセックスすることになると、みんな『キスとかハグは大丈夫?』って、最初に聞いてからしてくれて、なんなら彼氏以上に“大切にされた”感じがあった。『SB』でした人とは2回目はなくて、そんな一期一会も私にとっては心地よかったですね」

「SB」摘発後、心には大きな穴がぽっかりと空いたままだという坂田さん

摘発から約1ヶ月。勾留されていた店長は、顔出し写真とともに『皆さんにご迷惑をおかけしました』とのメッセージを自身のTwitterにあげ、釈放されたことを報告した。

「なんて男らしい人なんだって思いました。またどこかでお店をすることがあるなら、ぜひ、再会したいと思ってます」

そう話す彼女は今もまだ、「SB」の代わりとなる居場所を見つけられていないという。

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