――昨今の男性の美髪ニーズの高まりには、なにかきっかけや事情があるのでしょうか。
個々のご意見として、「上司がフケをそっとはらってくれたのを機に」「爽やかさは髪から、と妻に言われた」「美髪になった友人の姿を見て」など身近な人の影響という方、「就活時に手入れをしたらきれいになったから続けている」「仕事でイベントがある」とビジネスシーンがきっかけと話す方、「40歳を過ぎてバサバサ感がおさまらない」「抜け毛、やせ毛が大変」「くせ毛がひどくなった」と悩みを改善したい方など、多様です。それぞれのきっかけによって、ヘアケアの目的も明確になります。
ただし、ヘアケアを始めた皆さんが一様におっしゃることがあります。それは、「ちょっと髪に気を配っただけで質感が変わった」「シャンプーをていねいにしてみたら急にきれいになった」ということです。以前は「ただ適当に洗っていただけ」だそうで、そういう方こそ、少しのセルフケアで見違えるように整っていかれます。
――では、美髪とはどういう状態をいうのでしょうか。
主に、毛髪にツヤがあり、指通りがよくサラサラしていて、ハリやコシがある様子を美髪と呼んでいます。見た目に整っていてきれいだということです。ただし、毛髪の美しさをキープする条件は、何よりもまずは根元の頭皮を清潔に保ち、皮脂や汗、フケ、かゆみなどのトラブルがないことです。毛髪の土壌である頭皮の状態がもっとも重要なポイントで、これは老若男女を問わず同じです。
――その条件は、先ほどの男性の悩みとも一致しますね。
そうです。男性からの相談で多いのは毛髪の見た目よりも、「頭がべたべたする」「フケが多い」「におう」「汗が多い」「かゆい」という頭皮のトラブルと、「抜け毛」「細毛」です。次に、見た目に関する、「バサバサ、ボサボサがひどい」「ハリ、コシがない」「スタイルをどうしていいかわからない」「スタイルが決まらない」が続きます。
――そのような男性の頭皮のトラブルはどうして起こるのでしょうか。
主な原因は、「皮脂の分泌量が多い」「汗を放置」「髪が短いので、汚れやシャンプー剤によるダメージが直接影響する」「雑な洗髪法」「紫外線」などです。それに、こうしたことを「放置」することがもっともよくないと痛感しています。抜け毛や細毛の場合はホルモンの影響が大きいのですが、頭皮トラブルもその一因になります。