二日酔いのメカニズムはまだ分かっていないが、アルコール依存症の「禁断症状のミニ版」ともいえる症状が起きているという説がある。そう聞くと、二度と二日酔いにはなりたくないと切に願う。
もちろん、飲み過ぎるから二日酔いになるということは十分に理解している。二日酔いにならないためには、飲み過ぎなければいいだけのことだ。だが、それができないときもある。同じ量を飲んでも、体調のせいなのか二日酔いになったりならなかったりする。二日酔いになるメカニズムは、さまざまな要因が複雑に絡んでくるものなのだろう。
そもそも、二日酔いになるギリギリまで飲もうとするのがいけないのである。なるべく余裕をもって杯を置けばいいだけのことだ。もう若くないのだから、サッと切り上げてお開きにすれば、二日酔いになる確率はグッと減るだろう。
だが、それを頭では理解していても、できないのが酒飲みの性だ。ここはひとつ、恥を忍んで、先ほど「二日酔い=禁断症状のミニ版」という説を教えてくれた久里浜医療センター名誉院長・樋口進さんに、二日酔いになりにくい飲み方について聞いてみよう。
「よく分かっていらっしゃると思いますが、大前提として飲み過ぎは禁物。二日酔いの詳しいメカニズムはまだ未解明ですが、『飲み過ぎ』によって起こることは間違いありません。基本は、酒量を抑えることです」(樋口さん)
このように前置きしつつ、樋口さんは、酒の種類によって二日酔いの度合いが変わってくることがある、と教えてくれた。
例えば、色がついている酒とそうでない酒、そして醸造酒と蒸留酒によって、二日酔いのなりやすさが違う傾向があるそうだ。
酒の色については、「ウイスキーとジンを、同じアルコールの濃度・量を飲んだ場合、ウイスキーのほうが二日酔いが起こりやすいという報告があります。また、赤ワインと白ワインを比較すると、赤ワインのほうが二日酔いになりやすいという報告があります」(樋口さん)
確かに、赤ワインのほうが白ワインよりも二日酔いになりやすいというのは、個人的な経験からも納得のいくところだ。だが、なぜなのだろうか。