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『13歳のハローワーク』から約20年。既存の仕事の50%がなくなる時代の最新「子ども向け職業図鑑」5選

集英社オンライン / 2022年6月13日 17時1分

ケーキ屋さん、警察官、看護師……そんな「子どもの将来なりたい職業」の定番が、数十年後にはなくなっているかもしれない。では、子どもたちが将来就く可能性のある職業はいったい何? 昨今注目されているキャリア教育にもつながる、最新の「子ども向け職業図鑑」をリサーチした。

意外と堅実?な、現代の子どもたちの将来の夢

本題に入る前に、まずは現在の子どもたちが、将来就きたい仕事のランキングから見てみましょう。

小学6年生の子どもが将来就きたい職業株式会社クラレ・2021年7月調査

男子
1位 スポーツ選手
2位 研究者
3位 教員
4位 YouTuber,ゲームクリエイター,会社員

女子
1位 看護師
2位 教員
3位 保育士
4位 漫画家orイラストレーター、パティシエorパン屋



YouTuberはここ10年ほどで生まれた職種であるものの、そのほかに関しては親世代である大人でも夢見た職種がズラリと並んでいます。

また、意外にも現実的、堅実な夢をもつ子どもが多いことに、安心感を抱いた大人も多いかもしれません。だけどちょっと待ってください。それって本当に「安心」なのでしょうか?

「20年後に既存の職業の50%がなくなる」は大げさではない

2014年、イギリスのオクスフォード大学から、「AIやロボットの台頭によって、20年後までに既存の職業の50%がなくなる」という研究結果が発表されました。

「20年後までに50%も? そんなバカな……」と思いそうになりますが、ここ数年だけで見ても、コロナ禍におけるリモートワークの普及も重なり、毎日通勤しなくてよくなったり、子どもたちの勉強道具が鉛筆と紙からタブレットやPCになったりと、生活に変化が起きています。

日常生活に変化が起きているということは、その生活に必要な職業も変わっているということ。つまり、大人が現在知っている知識や職種だけで子どもに将来を考えさせるのは、とても危ういのです。

今や、キャリア教育は小学校から行われています。

「学校でやっているなら、家庭ではそこまで……」と思うかもしれませんが、家でも将来の仕事や目標について話題にし、子どもが日常的に自分の将来について考えられるようにすることは、日々の勉強のモチベーションにもつながります。

そんな、家庭でも将来の夢や生き方について話すときに役に立つのが子ども向けの職業図鑑。
児童書の中でも人気ジャンルの一つであり、毎年数多くの職業図鑑が発売されています。たくさんあるからこそ、子どもの発達段階や興味によってぴったりなものを選んであげたいですよね。では、ここ最近では、どんな職業図鑑があるのでしょうか。

最新の子ども向け職業図鑑5選

時代の流れに伴い、子ども向け職業図鑑のトレンド傾向も少しずつ変わっています。

2004年に発売されてミリオンセラーとなった『13歳のハローワーク』(幻冬社)のような、“いろんな職種イッキ見せ”系よりも、「働くってなんだろう」「なぜ働くのか」「何をして働きたいか」など、“働くこと自体を考えさせる”系が増えています。

ここでは、現在発売されている人気の職業図鑑の中から5冊をご紹介。子どもの年齢や興味に応じて気になるものがあれば、ぜひチェックしてみてください。

1.宇宙人とみつける仕事図鑑(文響社)

宇宙人とみつける仕事図鑑(文響社) 2,948円(税込)

いきなり宇宙人とはトンチキな……と思ってしまいそうですが、50年前の人からすれば、今ある仕事も十分にトンチキに見えるでしょう。

この本は物語形式になっており、「将来の夢」の作文が書けずに悩む主人公が、突然現れた宇宙人と共にやりたいことを探すストーリーです。

街にはどんな仕事があるかという視点で職業が紹介されていたり、2040年にはどんな仕事があるかという予想が紹介されていたりと、子どもが「仕事」や「働くこと」に対してワクワクできる構成になっています。

2.大人は知らない 今ない仕事図鑑100(講談社)

大人は知らない 今ない仕事図鑑100(講談社)1,485円(税込)

本書における「今ない仕事」とは、「今後新たに生まれるかもしれない職種」のこと。

「海の洗濯ゲーマー」「発電DJ」など、現在の感覚では非現実的な職種名が並んでいますが、説明を読むと、すべて環境課題など、今盛り上がりつつある業界に通じています。

従来の仕事図鑑のように「この仕事をしたいかどうか」で捉えるのではなく、「こんな仕事が生まれるかもしれないなら、こんなことも仕事になるかも」と、視点を増やすヒントになる一冊です。

3.リアルな給料も知りたい「決定版 日本の給料&職業図鑑」(宝島社)

リアルな給料も知りたい「決定版 日本の給料&職業図鑑」(宝島社)1,650円

精神科医は月給94万円、宇宙飛行士は月給34万円、駅長は月給40万円などと、RPG風のイラストや世界観で、現実の給料や生涯賃金を突きつけてくる、大人にはちょっと耳(目?)が痛い1冊。

将来の夢や目標は人それぞれですが、中には「お金持ちになりたい」という夢を持つ子どももいるでしょう。

そうしたとき、「どんな仕事が稼げるのか」「稼いでいる人は何をしているのか」ということを知るには、本書は少し厳しいくらいにためになるはず。

4.るるぶKids 何になりたい?未来をみつける おしごと大図鑑(JTBパブリッシング)

るるぶKids 何になりたい?未来をみつける おしごと大図鑑(JTBパブリッシング)1,540円(税込)

就学前の子どもなど、低年齢の時期から読ませるならこちら。

既存の職種を中心に紹介するオーソドックスな内容が中心であるものの、「仕事って何?」「大人になると働くのはどうして?」という、子どもならではの素朴な疑問にも向き合っています。

「何をしたいか」は、「現状、何があるのか」を知らないと考えることができません。おうちキャリア教育デビュー本として読んでみては?

5.未来を考える「5分でわかる10年後の自分 2030年のハローワーク」(KADOKAWA)

未来を考える「5分でわかる10年後の自分 2030年のハローワーク」(KADOKAWA)1,320円(税込)

5人の登場人物を中心に据え、しっかりとした物語に沿って、働くことについて考える仕様になっているのがこちら。

「働く」ということが、だんだんリアルになる中学生にも、十分に読み応えがある1冊です。

未来の仕事を知って、これをやりたいと思うだけではなく、「この仕事に就くには、今何をするべきか」という視点を与えてくれるのも本書の特長です。

子どもに問う、どう生きたいのか?

キャリア教育の観点からみても、既存の職業の中から「何になりたい?」と考えるのではなく、「将来どのような人間になり、社会の中で何をしていたい?」と大枠で捉えることはとても重要です。

今の世の中は、「そのためには、今何をするべきだろう」というところまで考えることが、小学生の時点から求められています。

家庭で子どもの将来の夢について話すときに、親世代の価値観や、今ある職業だけにとらわれない視点をもつためにも、今回紹介した本をぜひ参考にしてみてください。

【参考URL】
小学6年生の「将来就きたい職業」、親の「将来就かせたい職業」(株式会社クラレ)
https://www.kuraray.co.jp/enquete/2021_s6

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