NEC、日立製作所、パナソニックホールディングスなど、昨年から週休3日制の導入を打ち出す企業が増えている。さらに近年は、地方の中小企業でも週休3日制にシフトする動きが加速しているという。
週休3日に特化した求人ポータルサイト『週休3日.com』を運営する採用・人事コンサルティング会社・株式会社週休3日の永井宏明社長がこう話す。
「全国のハローワークで扱われている週休3日制の正社員の求人情報を見ると、5年前にはわずか500件足らずだったのが、現在では2000件超に。全体の数からみればまだまだ少ないものの、約4倍と右肩上がりで増えています」
週休3日制は、大手では日本マイクロソフト、佐川急便、電通など一部の企業ですでに採用されているが、中小企業では、「医療・介護業界や運送業界を中心に、特に人手不足が顕著になっている事業者が導入するケースが目立つ」(永井氏)という。
「本来、週休3日制は自社のビジネスの付加価値を高めるために、いかに社員一人ひとりの労働生産性を高める仕組みを構築していくか、という経営戦略と直結したものでなければうまくいきません。
しかし最近は、人手不足の企業が『週休3日で求人を出せば、応募者が増えるんですよね』などと安易な考えで導入するケースも少なくない。これでは、表向きは週3日休みだけど、その内実は休みづらかったり、休むと上司や同僚に嫌味を言われるような、名ばかりの週休3日制となる恐れがあります」