こんにちは、名字研究家の髙信幸男です。
高校生のとき「日本にはいったい何種類の名字があるんだろう?」と思ったのがきっかけで、学生時代はもちろんのこと、法務省で働いていたときも、退官して司法書士の仕事を始めてからも、ずーっと名字を研究し続けています。
名字は、知れば知るほど、おもしろいんです!
どうしてこんな名字が!? なんて読めばいいの!?
地域によって多い名字があるのはなぜ!?
私が50年間感じてきたワクワクドキドキを、ぜひみなさんも味わってください。
今回お届けするのは、今年5月15日に本土復帰50周年を迎えた沖縄県の名字です。
古くは琉球王国、明治維新で沖縄県となり、1945年から27年間米軍統治となるなど、複雑な歴史を持つ沖縄県だけに、他にはない珍しい名字がたくさんあります。
もっとも多いのは、朝ドラ『ちむどんどん』のヒロインの名字でもある「比嘉(ひが)」。
「ひが」は宮﨑県にある「日向(ひゅうが)」と同じように、太陽へ向かうという意味を持ち、縁起のいい言葉として地名にもなっています。
現知事の玉城デニーさんにも代表されるように、「金城(きんじょう・かねしろ)」「宮城(みやぎ)」「大城(おおしろ)」「玉城(たましろ・たまき)」「山城(やましろ)」など、「城」が付く名字が多いのも、特徴のひとつ。
琉球時代、「城」は「ぐすく」と読み、「金城」は「かなぐすく」と読みましたが、徐々に読み方が変わって来たと言われています。
ちなみに、「宮城」と「山城」は沖縄県の以外の地域にも見られますが、「金城」と「玉城」は、ほとんどが沖縄県の人だと言ってもいいでしょう。