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デビュー20周年の中川翔子が語る「芸能界は私にとって救いだった」

集英社オンライン / 2022年6月21日 11時1分

“しょこたん”の愛称で知られる中川翔子が、デビュー20周年を記念して、10年ぶりとなる写真集『中川翔子写真集 ミラクルミライ』(講談社)を刊行。「卒業アルバムには半分しか顔が写っていなかった」学生時代から、「明るい遺書のつもりで書いていた」ブログ最盛期の頃のこと、そして「自虐は禁止にした」という現在までの歩みを語る。

江頭2:50に言われた「本気で恥ずかしがっているのがいいんだよ」

──写真集を制作するにあたって、どんなことを意識しましたか?

私は女性の写真集やフォトブックが好きで、枕元とか目につくところに置いて、ダイエットのモチベーションにしているんです。だからこの写真集も、誰かにとって、勇気を与えたり、何か行動するきっかけになってほしいなって。表紙を重厚感のある紙ではなく、あえて柔らかい紙にしたのは、ベッドとかでいつでもページをめくれるようにするためなんです。



今回の写真集を作ったきっかけは、2021年8月に私のYouTubeチャンネル『中川翔子の「ヲ」』で江ノ島へ行った時にありました。もう何十年ぶりかに水着姿を人様の前で公開した動画が異常にバズったことで。再生回数が1200万を超えるくらいの反響があったんです。

動画を見た方々からいろんな感想がありましたが、そのなかでも、江頭 2:50さんからはわざわざご連絡いただいて、「あの動画は本気で水着になるのを恥ずかしがっていたからいいんだよ」って。その本気の恥ずかしがりは、私の自己肯定感の低さからくるものですけど、自信満々で水着姿を披露することのかっこよさとは別に、それが魅力になることもあるんだなって、気づいたんです。

──メディアでもたびたび「自己肯定感が低い」「自虐がやめられない」という発言をされていらっしゃいますよね。

写真集の発売を告知する時に、私が「恥ずかしいけど見てほしい」とTwitterでつぶやいたら、女性ファンの方が「恥ずかしいじゃなくて、こんなにがんばったから見てほしい、でいいんだよ」「私たちはそのがんばった姿を見たいんだよ」って言ってくれて。

それがすっごくうれしかったんです。

私のコンサートやイベントに来てくださるファンの方は、半分くらいが女性なんですね。それは私が常に、かっこ悪いところも、全然ダメなところも隠さず発信してきたことに共感してくださったり、応援したいと思ってくださったからで。手の届かないキラキラした完璧な存在ではなくても、同じ目線で一緒にがんばろうって思える存在にも価値があるんだなって。だから、自己肯定感の低さを克服することも大切だけれど、一方では、低いからこそ元気や勇気を与えられることもあるんだなって思いますね。

陰キャでコミュ障の私にとって芸能界は救いだった

──今回の写真集は「デビュー20周年記念」という節目でもありますが、改めて振り返ると、20年間の芸能生活はいかがですか。

私はできないことのほうがずっと多いし、根っからの陰キャでコミュ障だし、運動も勉強もできないし、この仕事を20年もやっているのにいまだに「笑顔が下手くそ」って言われるし、本当に完璧とは程遠い人間なんです。だけど、小さい頃から絵を描くことが好きで、漫画やアニメや歌が大好きで。

学校生活ではそういう自分をなかなか出せなかったけど、芸能界に入ってからは、溜め込んでいたいろいろな好きなものがお仕事にもつながって、たくさんの方から「私も好きだよ」と言ってもらえたり、すべてが無駄じゃなかったって思えるようになったんです。

今でも人前に出ることが得意なわけではないし、同じ世界にいる素敵な芸能人の方に比べると至らないところだらけなので。これが天職だって胸を張って言えるかはわからないけれど、それでも私にとって芸能界は救いであり、やっと息ができるようになった場所なんです。

できないことのほうが多いはずなのに、日々いろんなことに挑戦して、毎日やっていることも違うし、しかもそのすべてが楽しいって、一体何なんだって。

──「根っからの陰キャでコミュ障」を自認する中川さんが、芸能界で生き生きと活躍されていることの意義は大きいと思います。

私がデビューした20年前は、芸能界に限らず、世の中的にまだまだオタクが虐げられている世界だったんですよね。今でこそ、ネットのトレンドがアニメの話題だらけになったり、陽キャこそが漫画やアニメを観るようになりましたけど。

当時はオタクのなかでも硬派な方が、もはや開き直ってオタクを公言しているような時代でした。私はそんな時代に10代を過ごしながら、こんなにも素晴らしくて誇り高い文化なのに、どうして影でこそこそしなきゃいけないんだろうって、ずっと思っていたんです。

デビューしたあとも、もちろんすぐにうまくいったわけではなく、グラビアも続かなかったし、バラエティでもうまく振る舞えないし、まわりの人たちみんなができることが全然できなかった。時には「あの子はオタクだし、芸能人は向いてないからやめたほうがいい」って言われたこともありました。それでも「もうちょっと待ってください!」って引き止めてくれたマネージャーさんがいて、その方がブログをすすめてくれたんです。

ブログは「明るい遺書」のつもりで書いていた

──ブログでご自身の趣味や好みを書くことで、かなり世界が開けた?

思いっきり変わりましたね。ブログを開設したのは2004年で、まだ一般にブログというものが普及していなかったので、どうせ誰も読んでないだろうと思って、趣味を全開にして書くことにしたんです。

学生時代の卒業アルバムを見ると、私の顔は半分しか写ってないんですよ。学校でもうまくいかず、芸能界でもうまくいかず、このままでは私が生きた証が塵の一つも残らんなと思って、せめてネットの世界の片隅に、何かしら私の生きた証を残そうって。

私が死ぬまでにすべてをぶちまける、明るい遺書のつもりでブログを書き続けました。

──明るい遺書……ですか。

それこそ最初は呪いの言葉を書くのでもいいかなって思っていたくらいなんですよ。でもネットに書いたことは半永久的に残るし、その呪いの言葉がめぐりめぐって誰かを不幸にするかもしれない。そんなことは望んでいなかったので、たとえ遺書のつもりでも、明るいほうがいいかなって。

そうやってブログで自分をさらけ出していった結果、そこに書いた自分の好きなことがお仕事になったり、同じ趣味の仲間ができたり、憧れていた方にお会いすることができたり、一気に世界が広がりました。同時にまぁまぁの炎上もありましたけど……。

それでも、こんな私に関心を持ってくれる人の存在をたしかめることができて、さらに、褒めてくれたり、応援してくれたり、いろんな声が届くようになって、まさに生きた証を残すことができたんです。

今は自虐よりも「ありがとうございます!」

──最初はうまくいかなかった芸能活動だったのに、20年も続きました。

地下でアリの巣を掘っていれば幸せだったような学生時代に比べると、とんでもないところに来たなって思いますね。

人がこわい、世界がこわい、朝が来るのがこわい。ラジオ体操の歌が聞こえてきたら寝る。毎日がいやだ。部屋でこっそり楳図かずお先生の絵を模写して、アニソンとアイドルの歌を聞きながら、こっそり自分でも歌って踊って。デビューする前の15歳くらいまでは、ずっとそういう生活でしたから。

20周年でこんなに素敵な写真集も出すことができて、奇跡の連続にただただ感謝です。帯にも書いてある「生きた証」というキーワードは、デビュー前からずっと考えていたことで、その集大成として、この写真集は永久保存版の1冊にしようと思って作りました。

──最近になってからの、気持ちの変化などはありますか?

最近は自虐禁止にしたんです。これまでの私の自虐的なキャラに共感してくれて、だからこそ応援してくださった方々への感謝は忘れませんが、今は自虐よりも、褒められたら「ありがとうございます!」って言うように決めたんです。

それと、無理して陽キャを演じるのではなく、陰キャのまま陽キャのやることをやってみようって。YouTubeで水着姿を披露したこともそうですし、この写真集もそう。車を運転するようになったのも、その一環ですね。

人ってどうしても、自分が全盛期だった頃のメイクをずっと引きずるみたいなことがあるじゃないですか。でも、それだけじゃもったいないなって。いつまで「しょこたん」っていう10代の頃からのニックネームで呼んでもらえるかもわからないですし、年齢を重ねたことで「翔子さん」と言ってくださる方もいて。

呼び名ひとつとっても、変わらないこともあれば、変わっていくこともある。「しょこたん」にしかできないこともあるし、「翔子さん」だからこそ似合う服もある。そういう変化はすべて受け入れようって思います。

なので今回の写真集でも「しょこたん」ではなく「翔子さん」の表情や衣装を多く取り入れてみました。これまで見せてこなかった私の今のありのままを見て欲しかったんです。

──今後はどういった活動をしていきたいとか、ありますか?

絵を描いて歌う人になりたいです。憧れはシャンソン歌手。加藤登紀子さんや美輪明宏さんのような。愛を知り、愛に傷つき、壮絶な人生の体験があるからこそ、深みと重みのある歌が歌える。そういう歌手を目指して生きていきます。

取材・文/おぐらりゅうじ 撮影/井上たろう

中川翔子写真集 ミラクルミライ

中村和孝

2022年6月8日

2970円(税込)

大型本 144ページ

ISBN:

978-4-06-528236-6

歌手・タレント・声優・イラストレーターなど多岐に渡り活躍する“しょこたん”こと中川翔子。「ミスマガジン2002」でミス週刊少年マガジンに選ばれ、今年でデビュー20周年を迎える彼女の10年ぶりの写真集が発売!
全編沖縄で撮影した今作では、しょこたんの多面的な魅力を余すことなくおさめました。「可愛い」「セクシー」「おしゃれ」「かっこいい」「自然体」‥‥あらゆるしょこたんを詰め込んだ超贅沢な一冊!
男性にも女性にも楽しんでもらえる、しょこたん史上最高の写真集。本人が“生きた証を残したい”という想いで挑んだ、永久保存版です。

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